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考える言葉

 

”考える言葉”シリーズ(H29.11.20)奉仕

”考える言葉”シリーズ(H29.11.20)奉仕
 
2017年11月20日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-41)
 

奉仕


 IG会計グループの次年度・基本方針は、『時流を見極め、“貢献戦略”を鮮明にしよう』に決定した。
 ここにいう時流とは、世の中のニーズであり、社会的課題である。そして、それらの本質を明確に捉え、どんな貢献ができるのか、しっかりと考えながら、行動する一年にしようという気構えである。
 最初は、「貢献戦略」ではなく、「成長戦略」という風に考えたのであるが、何かインパクトが弱く、しっくりしないので考えていたら、ふっと浮かんだのが“奉仕”という言葉である。     
 「仕」も「事」も「つかえる」という意味があり、「仕えて、事えるのが仕事である」と教わったことがある。つまり、“奉仕”活動こそ仕事の本質だという意味である。その“奉仕”の精神を貢献という言葉に置き換えてみた。
 成長を“奉仕”、すなわち貢献に置き換えてみると、視野がグッと広がったような気がする。つまり、“奉仕”という精神には次のような特徴があると思う。
 一つに、問題意識の視界が広がること。
 全体(=社会)と部分(=個人)という関係性思考で問題をみる意識が生まれる。つまり、 「今、社会が抱えている問題とは何だろうか?」「その問題に対して、私たちIG会計グループはどのよう関り、貢献できるのであろうか?」という問題意識である。
 人口減少、グローバル化、格差社会、世代交代等々の問題・・・、新聞を賑わす日常的な記事から、いろいろな“奉仕”のテーマが浮かび上がってきて、仕事が山ほど溢れてきそうな気がする。
 次に、責任感が強まり、達成意欲が湧くこと。
 人間は、自分との約束に対してはいい加減なところがあるが、他人に対してはそういう訳にはいかない。他己管理という言葉があるように、他人との約束に関しては「ちゃんとやらないと!」いう責任感が強まり、中途半端なことはしない・・・。
 “奉仕”・・・、人様のために尽くそうという気持ちがあって努力をする。結果として自分の成長にも大いに役立っているのである。「仕事が人を育てる」というのも、そんなことなのだろうと思う。
 最近、日経新聞が中小企業の事業承継問題を定期的に話題にしているが、問題意識をもって読んでいるうちに、創造的想像力が高まってきて、やるべきことがたくさん出てきて、嬉しい悲鳴である。
 “奉仕”の心は、経営に必要な創造的想像力を養う大事な土壌だと考える。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29.11.13)決断力

”考える言葉”シリーズ(H29.11.13)決断力
 
2017年11月13日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-40)
 

決断力

 

 「トップとナンバー2では、器が違う」 そういう言い方をする人がけっこういるが、確かにそういう場面に遭遇することが多い。
 その最たる違いは、“決断力”の大胆さとスピードではないだろうか。トップの決断には、周囲を圧倒する迫力があるような気がする。それは、はやり最高経営責任者としての自覚によっ て培われるものであろう。
 「人生における失敗の最大の原因は“決断力”の欠如にある」という言葉がある。だとすれば、“決断力”はトップ経営者の専売特許とは限らず、誰もが鍛え、身につけるべき能力だといえる。ましてや、変化のスピードがはやく、多様化した今日的な環境においては、なおさらである。
 そこで、トップの“決断力”を支えている要因を検討してみたい。
一つは、決断は理念(人生観や経営観といった価値観)に基づいて行っていること。
京セラの稲盛さんは、第二電電(現KDDI)設立を決断するとき、「動機善なりや、私心なかりしか」と、問い続けたという。
 さらに、「やると決めた以上は、必ずやる」という覚悟を持った決断であること。それが、決  断後の実行のスピード感に現れているである。「やる!」と決めてから「できる条件」を整えているのである。
 そして、「一度下した決断は変えない」という不退転の覚悟を持っていること。途中でやめるから失敗であって、成果が出るまでやり続けることこそ成功の秘訣だという信念をもって決断しているのである。一見、頑固そうにみえるが、そんな人のほうが信頼して付き合えるのではないだろうか。
 “決断力”の反対語に「優柔不断」という言葉がある。関わりのある周囲の人を観察していると、意外と多いのに気づかされる。チャンスを逸する、失敗の最大の原因は「優柔不断」だと言われている。
 なぜ、決断できないのであろうか?当事者意識の欠如(傍観者)、不安回避のための無関心、卑屈な心や自信のなさ、虚栄心、時間がないという幻想、無目的な思考等々が、優柔不断の原因として挙げられる。
 決断力を養うにあたり考えておくべき課題がある。“決断”とは、「決めて断ち切ること」と書くが、決して二者択一的な選択ではない。つまり、二項対立的な判断ではなく、二項共存を模索する統合的な思考である。人生とは選択の連続である。正しい選択ができるかどうかで、その人の人生は決まる。
 統合の価値観を培い、“決断力”に磨きをかけたいと思う。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29.11. 6)IG合宿

”考える言葉”シリーズ(H29.11. 6)IG合宿
 
2017年11月6日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-39)
 

IG合宿


 例年より1か月はやく、IGグループの次年度・行動計画書を策定する“合宿”(2泊3日)を 行う。
 宿泊施設は、国立諫早青少年自然の家。多良山系の五家原岳(1057.3m)中腹に位置し、有明海、橘湾、大村湾、そして諫早干拓や雲仙岳も望める素晴らしい場所だ。
 “合宿”の目的は次年度の目標設定にある。つまり、組織全体と部門、そして個人へと具体的な目標の落とし込みが主たる課題であり、そのための時間を優先するスケジュールになっている。
 今回は、いきなり、決めたスケジュールを破棄することからスタートした。
 「なぜ、行動計画を立てるのか?」、その原点に立ち返てみる必要を感じたからだ・・・。そして、一人ひとりに人生の目的や中期ビジョンを考えてもらった。また、自分自身を正しく知ってもらおうと自己分析チェック表を使い、自己判断をしてもらった(課題の明確化)。一日目は、その作業だけで終わってしまった・・・。
 しかし、意義ある一日目だったと思う。
 なぜなら、何を考えて生きているのか(欲求・願望とビジョン)、また、その実行の当事者である自分自身を正しく知ることは、行動計画を立てるにあたり、必要不可欠な前提条件だからである。
 人里離れた自然の家で、缶詰め状態で全体合宿を行う効果は計り知れないが、大きく二つの効果を期待している。
 先ずは、徹底して、考え抜く時空を持てること。脱日常性のなかで、現状を振り返ったり、未来をイメージしたりしていると、様々な問題意識が生まれる。計画づくりの第一歩は、ここから始める。
 それから、密度の濃いコミュニケーションが持てること。じっくり語り合うことによって、目的の共有化ができているのかどうか。また、お互いに貢献し合う意欲は十分にあるのかどうか・・・。
 3日間かけても、一年間を戦い抜く十分の準備ができたかというと、そうでもない。だが、考えるための土台はできたので、今年いっぱいかけて、納得のいく行動計画書をつくりあげたいと思う。
 「思考は現実化する」というナポレオン・ヒルの言葉がある。「楽しくて豊かでエキサイティングな一年にしたい」と思う。そのためには、多くの貢献が実る一年にできるように、考えて、考えて、考え抜こう。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29.10.30)想像力

”考える言葉”シリーズ(H29.10.30)想像力
 
2017年10月30日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-38)
 

想像力


 次年度の方針や目標を思い描くためのIG合宿(2泊3日)が間近になってきた。この時期いつも感じるのが、「光陰矢の如し」である。
 一年365日、一日たりとも無駄にしたくないと思いを込めて、1990年(平成2年)から始めて28年経つ。合宿の醍醐味というか、楽しみは、“想像力”を働かせる時空にあると思っている。
 次年度は、中期5ヵ年計画の4年目になる。完成まであと2年あるのだが、合宿の準備をするにあたって、こんな発想が思い浮かんだ。「来年一年間で、5年分の仕事をしたらどうなるのだろうか?」と。
 過年度において未達成の目標はもちろん、一年前倒しして5年分の目標を来年一年間で済ませることができたら・・・。一年でできることを考え、計画化するのではなく、5年間でやるべきことを一年でやってしまうという強い信念をもって考え抜く合宿にしたらどうなるのだろう。
 そのためには、今までにない発想はもちろん、相当逞しい“想像力”を働かせないと計画書を仕上げることはできないのではないだろうか。しかし、何か、年甲斐もなく、ワクワクドキドキの気分である。
 この発想には、伏線がある。東京の某先生と、日経新聞の次の第一面トップ記事(10月6日付)について話していたときである。
 『大廃業時代の足音・・・中小「後継未定」127万社』
 日経は、最近、中小企業の事業承継問題について警鐘を鳴らし続けている。その時ふと考えたのは、「この社会的問題を解決する最適任者は誰か?」
 未来会計というサービスを通して、中小の経営者と共に未来のあるべき姿を描くお手伝いをしている、われわれ会計人こそ最適任者ではないかと・・・。然も、会計業界は従来型の仕事だけでは、その存在性が薄れていくと言われているのである。
 概算ではあるが、127万社すべてを廃業から救おうとすれば、未来会計サービスを提供できる会計人が8万5千人は必要となる。これをビジネスとして換算すれば、一兆五千億円の市場となる。(Ja‐BIGは、そこを目指している会計人のネットワークである)
 “想像力”とは、ヒラメキを自由に思い描く力で、価値あるものを創造していく思考力だといえよう。
 今の時代において、新たな成長戦略を描くとき、社会的な問題に焦点を当て、自分に何ができるのかという視点から、“想像力”を働かせることが肝要である。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29.10.23)目標設定

”考える言葉”シリーズ(H29.10.23)目標設定
 
2017年10月23日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-37)
 

目標設定


 『未来会計セミナー』のなかで、必ず紹介するフレーズがある。それは、「企業間の格差は、マネジメント力の差です。そして、その差は“目標設定”の良否で決まる」である。その根拠について、少し踏み込んで考えてみたい。
 なぜ、“目標設定”は健全なマネジメント力を培うのに有効なのだろうか?小生は、次の3つの理由からその有効性を信じている。
 第一の理由は、「選択と集中」である。明確な目標を設定すれば、思考と行動の枠組みができるので、より賢明な選択ができて、なすべきことに集中できる。“目標設定”が明確にできている人の行動にはブレがない。だから、日々のムードに流されることがなくなる。
 第二の理由は、「機会(チャンス)への備え」ができることである。「チャンスの神には前髪しかない」という諺の通りである。多くの人たちが、備えを怠っているがためにチャンスを見逃しているのである。また、目標(思い)にはそれを達成するために必要な環境を引き寄せる力ある。
 そして第三の理由は、「目的地に到達する道筋」を明らかにしてくれる。目標は、目的地に到達するためのプロセス管理に欠くことができないものである。日々の反省や検証の有意性は、“目標設定”が明確になされているからこそ、保持できるのである。
 世の中には、多くの人生本が溢れている。言葉のニュアンスの違いはあるが、共通して触れてある内容に、人生の目的の特定と具体的な“目標設定”の重要性があると思う。なぜなら、「思考は現実化する」(ナポレオン・ヒル)という言葉があるが、まさに「人生は心一つの置き所である」(中村天風)。
 稲森和夫さんの最近の著書『活きる力』の中でも、「人生を決めていくのは、心の中に抱く“思い”」であると・・・。そして、「このことはこの世の真理である」と、自らの経験を踏まえ、確信をもって述べている。
 このように考えると、“目標設定”の良否は、マネジメントの質に影響を与えることはもちろんのこと、一人ひとりの人生そのものに関わる極めて本質的な課題だと捉える必要があるだろう。
 自らの思いを具現化するための唯一の手段が、“目標設定”である。「なぜ、その目標を掲げたのか?」「共感してもらいたい人は誰なのか?」「目標達成の手順は明確であるか?」「期限を決め、日々の行動に落とし込めているのか?」「達成した暁の自分はどうなっているのか?」・・・。思いが、信念と胆識となるまで考え抜こう。
 IGグループの次年度計画を作成する合宿も間近である。“目標設定”の意義について再考してみよう。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29.10.16)バリ雑感

”考える言葉”シリーズ(H29.10.16)バリ雑感
 
2017年10月16日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-36)
 

バリ雑感


 13年ぶりのバリ(Bali)である。福岡空港からシンガポール経由でバリ島へ・・・。自宅を出たのが午前5時でバリのホテルに着いたのが午後10時過ぎ頃だから、17時間の長旅である。(福岡からの直行便がないのでロスが多い・・・)
 この時期、バリは乾季・・・。気温は高いが湿気がなく、しのぎやすい。そのせいか、多くの外国人観光客も訪れていて、様々な人種の人たちでホテルの敷地内も賑わっていた。
 バリ滞在3日間はオールフリー、各自それぞれの楽しみ方をしたようだ。小生といえば、いつもの通りのゴルフ三昧で芸がない。二十歳前後の若いキャディーが一人ひとりについてくれるので、何かと楽なプレーができて最高!小生の年齢を告げると急に年寄り扱いになって、打ち終わったあと少し急いでカートに戻ろうとすると、「パパさん、ゆっくり!ゆっくり!」と気遣ってくれる。グッド・ショットをすると、「パパさん、ストロング!」と、ホントに驚いてくれる。
 13年前の時と比べて驚いたのは、街中で長蛇の交通渋滞・・・。四輪車両はもちろんであるが、その両サイドを縦横無尽に駆け抜けるバイクの量には驚かされる。それも二人乗りどころか、三人乗り・・・。よく事故らないものだと感心する。「とても怖くて運転できない」というと、「運転のコツはバックミラーを見ないこと。そして車間距離をとらないことだ」という。(やはり、運転は無理だ・・・)
 雑踏の中に若さを感じる。調べてみると、インドネシアの人口は約2.6億人で世界の第4位、平均年齢がナント29歳だという。まさに、日本の高度成長期(1960年代)そのものである。試しに平均寿命も調べてみると、ナント70歳未満・・・。今となると、小生の年齢を聞いた後の、キャディーのリアクションが頷ける。
 さて、日本国内に目を向けると、2025年には6割以上の経営者が70歳を超えると予測されているが、中小127万社で後継者不在の状態にあるという(日経10月6日付)。また、人口減少の問題は、多くの中小企業に働き手不足という深刻な経営課題を投げかけている。
 旅行中にずっと考えていたことに、「仮に日本とインドネシアが一つの市場だとしたら・・・。お互いの国にとって、どんなメリット・デメリットが生じるのであろう」というのがある。国民性や文化・風土の違いはあるとしても、お互いに異次元の成長が空想できて、面白かった。
 今回のバリ旅行には、バリ通の経営者がお二人同伴してくれていたので、地元の情報が得られて、有意義であったと思う。感謝!

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29.10. 2)信・疑・進

”考える言葉”シリーズ(H29.10. 2)信・疑・進
 
2017年10月2日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-35)
 

信・疑・進


 9月の三連休(16~18日)のときに読み上げた分厚い本の紹介をしたい。
 それは、『道元』(松原泰道 著)である。難解といわれる道元の教えを分りやすく解説し、語りかけてくれる良書である。この本との購入(出逢い)は、17年ほど前のことである。その当時(松原老師、90歳過ぎてからの作品。2009年に101歳で逝去)、素読のせいだったのだろう、線を引いた跡があるが価値観の形成にまで至っていなかったと、その至らなさを痛感する。
 さて、著書の中に“信・疑・進”という言葉がある。その点を深く考えることができ、腑に落ちたのが、今回の収穫だったといえよう。
 同老師は、“信・疑・進”を“信じて疑う”と述べて、次のような説明を加えてある。
 「本来、自分に仏性が具わっている真理を“信じ”て、なぜ自分にはそれがわからないのかと、自分を“疑う”」のだという。
 禅門では、本覚の仏性を信じる「信」と、なぜ自分にはわからないのかという「疑」と、この疑いを晴らすべく努力精進する「進(精進)」を、修行者が欠かしてはならない三項目に挙げているのだという。
 さて、今回の収穫で最たるものは、“信・疑・進”のうち「疑」の重要性を直感し、再認識できた点であろう。
 小生はどちらかというと、信じやすいタイプである。だから、「いい本に出逢った、いい話を聞かせてもらった」と、すぐに得心してしまう。そのあとが問題だ・・・。「じゃ、普段の自分はそのように思考し、行動しているのだろうか?」「そうでないとすれば、自分はどんな不都合を周囲にもたらしているのだろうか?」という、自分に置き換えての「疑」をやっていないことに気づく。当然、「疑」がないから、「進(精進)」へと進んでいかないのである。ゆえに、単に知識の習得で終わってしまう。
 月末・月初に行うIG定例会議においてもそうだ。現状における仕事の、一つひとつの見直しを行い、「あるべき姿とは何か?」を議論すると、追求すべき理想の姿がカタチになっていく。問題は、「疑」である。現状との差を明確にしないかぎり、自分自身の改善点がみえてこない・・・。だから、「進(精進)」がおろそかになり、元の木阿弥になってしまうことが多々あると思う。
 あらゆることは、“信・疑・進”が一体となって、はじめて成就するのだと思う。
 「あるべき姿と現状との差(=問題)」を明確に捉え、「仮説~実践~検証」の経営サイクルを繰り返し行う『目標管理システム』において、“信・疑・進”は欠くことのできない三項目であると考える。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29. 9.25)夢や志

”考える言葉”シリーズ(H29. 9.25)夢や志
 
2017年9月25日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-34)
 

 

夢や志
 

 小生の好きな言葉の一つに、『“夢や志”を持つと、自分が思っている以上に、人間は強くなれる』というのがある。
 もうだいぶ前であるが、はじめてこの言葉に出逢った時、「なるほど、“夢や志”にはそんな効用があるのだ・・・」と、得心した気分であった。
 だが、そのうち、「“夢や志”を持っている自分自身は、どれほど強くなれたのだろうか?」、また「“夢や志”を持つと、なぜ人間は強くなれるのか?」等々、考えているうちに段々確信を持てるようになった。
 最近では、小生の『未来会計セミナー』では、必ず未来会計を導入し、実践することの効用の一つとして、この言葉を引用し、語るようにしている。
 なぜ、そうなのかを考えてみよう。
 ある問題に直面したとしよう・・・。“夢や志”を持っていない人は、その問題を解決しようとするとき、どうするだろうか?自分の過去の経験(過去の自分)に相談をするだろう。そして、過去の経験で解決できないとなると、仕方がないとあきらめてしまう人が多い。今は、過去と未来が繋がっていない時代だから、尚更、そうなってしまう傾向にある。
 じゃ、“夢や志”を持っている人はどうするのか?「未来の自分」に相談する。つまり、成長した暁の未来の自分を思い描き、解決の糸口を探ろうとする。または、自分の尊敬できる人を自らの理想像として掲げている人の場合(ほとんどの人がそうである)、その人だったらどうするのだろうかと、その人の頭を借りて考えようとする。だから、自分の限界を超えて、自分の思っている以上の力が湧いてくるのである。
 一度きりしかない人生、その人生をどう生きるのか・・・。人生の目的を改めて問うことが多いこの頃であるが、究極のところ、「自己の完成」に尽きると考える。では、完成すべき自己とは何か?そのあるべき姿は・・・?
 “夢や志”、そのあるべき姿や具体的な目標設定を描き、実現するための計画づくりをお手伝いさせて頂いているが、確かにつくり上げた社長には前向きなエネルギーが溢れているのを実感できる。
 ヘーゲルの言葉に、「人間は価値ある目的を持ったその時から、その人の人生のあらゆる出逢いが価値あるものになってくる」とあるが、まさにその通りである。
 確かに、“夢や志”は、自らをその場の苦難よりも一段上に置くことができるような出逢いを創出してくれる。つまり、ステージの次元が変わっていくのである。
“夢や志”は、「跳躍力UP(=異次元の成長)」にためにも、重要である。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29. 9.18)NN大会パートⅡ

”考える言葉”シリーズ(H29. 9.18)NN大会パートⅡ
 
2017年9月18日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-33)
 

 

NN大会パートⅡ


 前回に引き続き、NN全国大会(第18回)の話題について紹介したい。
 今回、基調講演の講師をお願いしたのは、ベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズの著者である坂本光司教授(法政大)である。
 講演のテーマは、『経営者の心得50ヶ条』である。坂本教授の凄さは、学者であるにも関わらず、徹底した現場主義にある。これまで訪問調査・アドバイスをした中小企業の数は、8000社を超えるという。今でも、年間150社は訪問するというから頭が下がる思いである。
 坂本教授の講演はいつ聴いても歯切れがよく、ブレがない。それは、言動の原点となっている価値観(=思考の枠組み)が素晴らしいからだと思う。
 以前に、同教授から頂戴した『経営者の手帳~働く・生きるモノサシを変える100の言葉』(あさ出版)は、折に触れて読み直しているが、中小企業の経営者にとって深く考えさせられる内容がたくさん詰まっている良書だと思う。
 教授は、経営の使命・目的を次のように定義している。
 「経営とは、会社にかかわるすべての人々の永遠の幸せを実現するための活動のことである」 (業績と成長は、その使命の“結果現象”にすぎない)
 さらに、「経営においては、常に“五人”の幸福を念じ、その実現を図らねばならない」
と述べ、その“五人”の優先順位については下記の通りだ。
 第一は、「社員とその家族」
 第二は、「下請け企業などの社外の社員とその家族」
 第三は、「現在顧客と未来顧客」
 第四は、「地域住民」
 第五は、「株主:出資者」
 利害関係者(ステークホルダー)に対する優先順位のつけ方も、ユニークで教授らしい。(顧客第一主義でも、株主優先でもない)
 経営者の仕事の特徴は、多くの人たちとの依存関係で成り立っているところにあると考える。その中でも、最も身近で影響し合い、依存し合っているのは「社員とその家族」であろう。その「社員と家族」の満足度を優先してこそ、経営の基盤は充実し、盤石なものとなる・・・。
 社長と社員の信頼の絆は、①目的の共有、②貢献意欲、③良好なコミュニケーションによって、つくられる。
 「何のために、働くのか?」 つねに、自らに問い続けたいと思う。

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017

 

”考える言葉”シリーズ(H29. 9.11)NN大会

”考える言葉”シリーズ(H29. 9.11)NN大会
 
2017年9月11日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-32)
 

NN大会


 今年も『NN構想の会・第18回全国大会』(9月7~8日)をホテル椿山荘東京で開催することができた。
 2000年(平成12年)に、時代の激動を肌で感じつつ、業界革新の一翼を担いたいという一念でスタート・・・。亀の歩みの如きだが、変革の歴史に貢献しつつ、一歩一歩確実に目的に向かっていると確信している。なぜなら、全国各地から参加してくれる会計人の熱意、多くの支持団体の無私の協力、そして協賛企業の方々の励ましの言葉で、そう感じさせてくれるのである。ホントに、感謝の一言!
 さて、今大会のテーマは『輝く未来をイメージしよう~跳躍力UP!』である。次の3つの考え方を共有したいと思い、掲げてみた。
 ① 「未来は心一つの置き所」
 私達にはすべて、選択の自由がある。輝く未来をイメージし、力強く生きたい。
 ➁ 「跳躍力UP!」
 過去の延長線上ではなく、異次元の成長戦略を描く。つまり次元を変えて考えてみることの大切  

 さ。
 ③ 「迷ったときこそ、先を見よ!」
 小手先の技に溺れず、本質を磨く。未来に大きな影響を及ぶす社会システム上の変化とは何かを 

 捉える。
 大会一日目第一部は、坂本光司氏(法政大教授)を招いての基調講演『経営者の心得50ヶ条』から始まった。「日本で一番大切にしたい会社」とは、どんな会社なのか・・・。持論を熱く語って頂いた。(内容の詳細は、次回に紹介したい)
 続いて第二部、毎回好評のパネルディスカッション。今年も、コーディネーターは澤邉紀生先生(京大教授)。そして、パネリストは、NN支持団体から4人の団体代表に出演して頂き、大いに持論をぶつけ合ってもらった。
 その後に続く、情報交流パーティー(進行:MyKomon)のときに、参加者の人たちから、「基調講演もパネルディスカッションも示唆に富んだ内容が多く、元気が湧いてきた!」等の感想を頂いた。
 パラダイムシフトの時代である。どのように方向付けを行い、自己革新をしていくべきか・・・。自分で考え抜いて、「答え」を生み出すしかない。まさに、「迷ったときこそ先を見よ!」である。
 また、今回初参加の先生から、「来年も、また参加したい!」といって頂いた一言が心に沁みた大会でもあった。これからも、刺激を与え続ける存在でありたい!

 

Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 9. 4)即今

”考える言葉”シリーズ(H29. 9. 4)即今
 
2017年9月4日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-31)
 

即今


 禅に、“即今”という言葉がある。辞書を引くと「ただいま。目下」とあるが、その「今」をどう生きるかを考えてみたい。
 無常の人生、命のはかなさを考えると、「今」という瞬間を大切にしなければと思う。
つまり、“即今”とは、「今という瞬間を大切にし、充実しなければならない」と心に期して生きることを教えてくれる。
 ある本で、「即今(そっこん)、当処(とうしょ)、自己(じこ)」という禅の言葉を紹介してあったのを思い出す。
 道元禅師の悟りに、「他は是れ吾にあらず」、「更に何れの時を待たん」という有名な言葉がある。つまり、「他の人にしてもらったのでは、じぶんのしたことにならない」、「いまやらずに、いつやるのだ」という意味である。
 「いま、ここで、じぶん」として生きるという覚悟みたいなものだ。小生は、この言葉が好きだ。だからこそ、そう生きようと心がけているが、なかなか難しい。
 もうだいぶ前になるが、歳のせいか、夜中に目が覚めて往生した時期がある。いったん目が覚めると、再び寝ようと思っても、目が冴えてきて明け方まで眠れない。睡眠不足では、仕事に差し支えると思い、必死に寝ようと努力すればするほど、目が冴えてきてどうしようもない・・・。
 ある時、「どうせ眠れないのならば、読書しよう!」と思い、机に向かったら効果てきめん、どんどんページが進み、またいろいろなアイデアが出てくる。まさに、“即今”の時を得たような気分だ。
 目が覚めた時こそが、“即今”! 読書にとって最良の時間なのだ。いまや、寝る前に一冊の本を机の上に準備して眠ることが習慣となった。
 いつの間にか、小生の平均睡眠時間は4時間となった。概ね、2時過ぎか3時時ごろまでに目が覚める。かなりのショートスリーパーである。気になって、あるドクターに相談をしたことがあるが、「睡眠には、個人差があるので、それで体調が良ければ、合っているのではないか」と・・・。
 ただ、“即今”と言えでも、体調の良し悪しがある。同じことをしていても、スムーズにいくときと、かなりの努力を強いられる時とがある。そんなときは、どうするのか?最近は、努力しても成果が薄いときは、気分転換をするようにしている。
 「“即今”、当処、自己」は、統合的な概念なので、分けて考えられないと思うが、やってみて最も難しいのは、“即今”ではないだろうか。
目的意識を明確にして、“即今”を習い性として究めたいと願う。

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 8.28)グローバル成長

”考える言葉”シリーズ(H29. 8.28)グローバル成長
 
2017年8月28日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-30)
 

グローバル成長


 昨年購入した書籍の中に、『成長企業の法則』(名和高司 著)という本がある。本のタイトルに関心をもって手に取って見たものの、分厚くて、途中で机の端に積み重ねたままにしておいたものだ。
 改めてチャレンジしてみると、なかなか読み応えがある内容だ。
 本書のテーマは“グローバル成長”である。一定の基準で、21世紀の世界トップ100社を選定し、米英や北欧などの成熟国家においても成長し続けている企業を紹介し、
「成熟国における成長」とは何かを考え、停滞している日本企業に喝を入れたいというのが著者の意図であろう。
 成熟国における“グローバル成長”の要因は何か?その条件を「異次元の成長=LEAP(跳躍)」という表現で概念化しており、「稼ぐ力を強化すること」が重要であると述べている。
 常に指摘していることでもあるが、どんな状況においても成長し続ける企業には、次の3つの特徴がある。
 ① 独自の経営観があること
 ② 付加価値の高い事業領域を確立していること
 ③ 人材育成に熱心であること
 “グローバル成長”も基本的に同じである。ここで言う、「グローバル」とは「市場開拓」のことであり、「成長」とは「事業モデルの構築」を指している。つまり、志を持って、イノベーション&マーケティングをしっかりと展開していくことである。
 「成長か、死か・・・。あらゆる企業は、普通に経営していては失速する。成長を強く意識しないと、企業の継続は難しい」と著者は指摘しているが、全く同感である。現状維持は衰退を意味する時代である。
 さらに、時代環境の変化の中で生じる二律背反性(二者択一の選択)を超える「経営のイノベーション」が求められるという。つまり、統合の価値観(二項共存関係や共創の考え方)がベースにあって、様々な判断ができるかどうかが、一人ひとりの経営者に問われる時代なのだと思う。
 例えば、静的な特性(堅牢性、しぶとさ、ブレない)による「深化」と動的な特性(変容性、身軽さ、融通無碍)による新化という二律背反的な要素の共存が成長のバネになるという。
 「変わるもの」と「変わらないもの」を見極め、統合の価値観で成長を考えていくことが、“グローバル成長”の真髄ではないだろうか。

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 8.21)時熟

”考える言葉”シリーズ(H29. 8.21)時熟
 
2017年8月21日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-29)
 

時熟


 お盆休み(11~16日)に書棚を整理していると、『時間開発のすすめ~独創的24時間のつくり方』(中川昌彦 著)が目に止まった。もう30年も前に購入した本だ。
 懐かしく、ぱらぱらとめくっていると、“時熟”という言葉に赤線が引いてあり、その当時に熟慮した跡がある。著者によると、「時間には命がある。時計時間にはもちろん命などないが、実存的時間にはそれがある」という。
 時計時間とは、時計のように等質的に流れる通俗的時間のことで、実存的時間とは人間の意識に属している根源的時間をいい、それには命がある・・・。自分がいかに生きるかによって、それは伸びもし、縮みもするという。
 時間に命があることを的確に表現した言葉として、“時熟”という言葉を紹介している。
 「時間は未熟な状態から始まって、徐々に成熟する。十分に成熟した状態が“時熟”と呼ばれる。その状態を過ぎると、時間は時代に枯れ、ほろびていく」とある。
 つまり、未熟な状態で成果をあげようとすると失敗する。“時熟”に至れば、熟柿が自然の落ちるよう
に、物事はうまく運ぶ。しかし、その機を逸すると、柿は腐って落ちてしまう・・・。

 このように考えると、「機が熟する」という言葉があるが、“時熟”を読むということはどんな人の人生にとっても極めて重要なテーマであるといえよう。
 新規事業を立ち上げたあと、激しく成長している企業を見ていると、トップの“時熟”を読む目が鋭い。自らが構築したビジネスモデルと時流がマッチングしており、方向性にブレがないのである。
 逆に、失敗を繰り返している企業や人を見ていると、時の熟するのを待てず、独り相撲をとって、焦りから自滅している。または、機を逸してしまい、慌ててやり出すが、手遅れの状態である。
 では、物事が“時熟”しているか否かを読むには、どうすればいいのだろうか?

 先ずは、「備えあれば憂えなし」である。「迷った時こそ先を見よ」という言葉があるが、常に目的意識を持って、明確なビジョンを掲げて、その実現のために何をなすべきかを考え抜く習慣を身につけることであると思う。
 また、企業のトップであるならば、自分の会社をどう伸ばすのかの一点に集中すべきである。つねに成長志向で、未来を考えて、行動をすべきである。このような思考的な習慣によって、“時熟”のタイミングが培われていくのだろう。
 恐らく、無為自然とか無我の境地に達している人は、時の流れに身を任せつつ、“時熟”を得心しているのだと思う。

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 8. 7)目的意識

”考える言葉”シリーズ(H29. 8. 7)目的意識
 
2017年8月7日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-28)
 

目的意識


 先週末(4~5日)は、『NBM(第16期⑥最終講)』と『Ja‐BIG定例会(第3回)』が同時開催された(クロスウェーブ・船橋)。
 「光陰矢の如し」という諺の通り、歳月の流れは、いつもはやいものだ・・・。
 2000年に、「会計人は“社会的インフラ”である!その自覚のもと、会計人の手で“日本の礎”を築こう!」という“目的意識”をもってスタートしたのが『NN構想の会』だ。
 さらに2003年には、単に税務申告を目的とした会計ではなく、「経営者の意思決定に役に立つための会計の体系をつくろう」という趣旨で、NN主催のもとで『新ビジネスモデル研究会(NBM)』をスタートさせた。
 そして2014年には、満を期して、『㈱日本BIGネットワーク(通称:Ja‐BIG)』を全国の会計人有志で設立し、参加事務所のすべてが未来会計の領域で年商一億円の事業化を達成することを目標に掲げ、会計業界の抜本革新を目指し、切磋琢磨しているところである。
 これら一連の活動の根幹にある“目的意識”とは何か?一言でいうと、“業界革新”である。
 バブル崩壊以降、日本の中小企業の約7割近くが赤字だという。先ずは、赤字を黒字化し、ムダをなくすことによって内部留保を高め、環境の変化に適応できる企業体質を創るためにはどうしたらいいか・・・。事業承継の問題、または新たな成長戦略を描くお手伝いをするにはどうしたらいいのか。
 環境の変化に伴い、生じる新たな課題(ニーズ)に応えるためには、自らを変革するしかない。また、変革できなければ、会計人の“社会的インフラ”としての使命・役割としての存在価値がなくなるという、健全な危機意識である。
 「経営者の意思決定をサポートすること」を目的とした会計のことを未来会計と称し、そのドメインの確立を目指してきた。1993年から共同研究をはじめ、IG会計グループでは1995年に「S‐Plan」という中期ヴィジョンを掲げ、戦略的に思考し、行動できる会計事務所に生まれ変わることを決めた。その中心的な課題が「未来会計に軸足を移す!」であった。
 1993年から数えると、25年の月日が流れたことになる。「顧客と共に、未来を語れる会計人になる!」という“目的意識”を持ち、かなり戦略的にも絞り込んだ活動をしてきたつもりでも、あっという間の歳月の流れである。
 “目的意識”を持って日々を送ったとしても、「光陰矢の如し」である。ましてや、“目的意識”を持たないとなれば、「何をか言わんや」である。

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.31)先義後利

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.31)先義後利
 
2017年7月31日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-27)
 
先義後利

 “先義後利”という四字熟語がある。出典は、『孟子』(梁恵王・上)である。
 「義」とは人として当然あるべき道の意、「利」とは利益のこと。 「道義を優先させ、利益を後回しにする」という意味である。
 大丸百貨店の創業者である下村彦右衛門(1688~1748、江戸時代中期の商人)は、論語を商いの根本精神として、「顧客第一主義に徹すれば、利益は自らついてくる」という考えで、“先義後利”を大丸の店是に定めたという。
 バブル経済が崩壊して、すでに四半世紀が経つが、未だに日本の中小企業はその7割近くが赤字経営に苦しんでいるという。中小企業にとって、目先の利潤さえ追えば、結果が出ていた都合のいい経営環境など、もう二度と期待できないであろう。
 人口減少やグローバル化などの浸透を考慮して、これからの経済環境を洞察したとき、これからの中小企業にとって、大きく、次の四つの経営課題が浮き彫りにされてくるに相違ない。
 ① 人材の確保と育成・定着
 ② リスクに強い財務体質の構築
 ③ グローバル化への対応
 ④ 自己革新へのあくなき挑戦
 しかし、これらの経営課題は小手先のテクニックで乗り越えられるものではない。小生のコンサル経験からも言えるが、赤字企業を一時的に黒字化することは、さほど難しいことではない。しかし、ずっと黒字を出し続ける企業体質となると別問題である。
 やはり、前回の“考える言葉”シリーズでも触れたように、「企業の目的とは何か?」を問うところから始める必要があるし、企業の長期的な業績は、経営者の人間性や生き方の反映である。自らの経営者としての価値観を問い直し、確立させるところから始めなければならないだろう。
 その意味において、“先義後利”の考え方は、他への貢献を旨とする仕事の本質を捉えた考え方である。多くの中小企業が、利益を出せなくて困っている。そんな時こそ、大義のもとに自社の経営資源の再構築をし、経営基盤を固めることから着手すべきではないだろうか・・・。
 バブル期の反省から、顧客第一主義だとか、マーケットインの発想などがさかんに叫ばれているが、孟子が“先義後利”を説いたのは実に紀元前の話である。また、大丸の店是は江戸の中期に定められたという。
 何事も本質を捉え、概念化された言葉は、いつの時代においても力強いものだ。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.24)有意注意

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.24)有意注意
 
2017年7月24日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-26)
 
有意注意

 先週末(21~22日)、『IG後継者育成塾(第5期⑥)in福岡』を終えたばかりである。
 今回のメイン講師は、『日本で一番大切にしたい会社』シリーズの著者である坂本光司教授(法政大大学院)である。
 同教授には、毎期一単元をお願いしているが、いつも熱いメッセージを語って頂き、あっという間に3時間が経ってしまう・・・。長年に亘り、自ら現地に足を運び、さまざまな経営者や従業員の生の声を取材されてきた、まさに三現主義に徹した中小企業研究者である。語る言葉に説得力があり、つい聴き入ってしまう。
 塾生(=後継者)に問うように語り続ける。
 「経営の目的とは何か・・・・・?」「経営の目的は、その企業に関わるすべての人々を幸せにすることである」「そのためには、その人々が『自分たちは大切にされている』と実感する経営を行うことだ」と、 自らの信条を語ることから始める。「経営の目的に沿って、正しく考え、正しく経営すれば、成果はあとからついてくるのは当然である」と、言い切る。
 企業の長期的な業績は、経営者の人間性や生き方の反映である。そのような経営者の価値観とは何だろうか・・・?
 「最大のポイントは、利他の心をベースにして自律心を養うことだ」と・・・。坂本先生の経営哲学には、ブレがない。全く、同感である。
 “有意注意”という言葉がある。「意をもって、意を注ぐ・・・。つまり、目的をもって真剣に意識や神経を対象に集中させること」を意味する。恐らく、坂本先生はつねに“有意注意”をもって、自らの仕事や人生を積み上げてこられたのであろう。中小企業経営者にとって大切な言葉一つひとつに対する概念化が実に凄い。
 「人生は心一つの置き所」という言葉を残された中村天風先生は、“有意注意”について次のように述べている。
 “有意注意”(=粘り強い注意)とは、「精神統一」を実現するための手段である。そのためには、次のような方法において“有意注意”力を訓練し、習慣化する必要があるという。
 ① 何事に対しても、興味・関心をもって取り組むこと
 ② 諸事万事、真剣な気分で行うこと
 “有意注意”が習慣化され、完全に精神統一が実現した暁には、一切を一時に我が注意の圏内に取り込むことができるようになり、聖徳太子のような振る舞いができるようになるという。“有意注意”、雑念妄念に苦しむ小生にとって、光明である。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.17)魅力

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.17)魅力
 
2017年7月17日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-25)
 
魅力

 ある経営コンサルタントが、「自己満足ではダメ!顧客にとっての“魅力”ある商品やサービスでなければ・・・。そのためには、あなたの会社の商品を買ってくれている顧客に直接聞くことが大事です」と述べていた。
 確かに、その通りだと思う。自分に好意を寄せてくれている異性に、「私の何が“魅力”なの?」と聞くと、意外な答えが返ってくることが多いのではなかろうか。
 “魅力”という言葉を辞書で引くと、「人の心をひきつけて夢中にさせる力」とある。人はもちろん、“魅力”の対象となるものはすべて、その人(対象)の中に人の心をひきつける何かを持っているのである。
 だが、自分自身の“魅力”を自分で正しく認識できている人は、意外と少ないのではないだろうか?なぜなら、“魅力”とは、その人(対象)に対して、相手が感じるものだからであろう。
 お店で買い物をしたりすると、アンケートの記入を頼まれることがある。「なぜ当店を利用されているのですか?その“魅力”をお聞かせください」などは、非常にいい試みだと思う。(その結果をフィードバックできれば、の話であるが・・・)
 IGグループも上半期の合宿を終えたところである。後半戦を戦い抜くためにも、自社あるいは自らの“魅力”(=強み)を再確認してもらうためにも、各自に次の内容でレポートを提出してもらうように指示を出した。
(自分の“魅力”を知るための質問)
 ① 今までに最も高い評価を受けた仕事は何か?
 ② それはこれからも高い評価を受けられそうか?
 ③ なぜ、そう思うのか?
 ④ 評価をさらに高めるために、どのような要素を追加すべきか?
 ⑤ それを習得す方法は?実際に習得するには何が必要か?
 自らの仕事を通して、顧客満足をつくりだしている真の“魅力”とは何か?自分だけに止まらず、自分を支えてくれている組織やネットワークまでに広げて、顧客に喜んでもらえる“魅力”を自覚し、多くの人々に知って頂き、そして“魅せる化”する働きかけも大切なことだ。
 “魅力”を強みとして活かし、選択と集中を行えば、生産性の向上につながり、“魅力”をさらに強化する未来投資も可能になってくるであろう。二極分化が進む時代環境である。自己満足に陥らず、つねに顧客とのコミュニケーションを心がけて、魅力づくりに励みたいと考える。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.10)連携

”考える言葉”シリーズ(H29. 7.10)連携
 
2017年7月10日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-24)
 
連携
 
 かつて、「自前主義を貫く!」いう考え方が流行った時期があったが、最近はあまり耳にしなくなった・・・。
 自社の資源と技術だけで何でもやろうとする考え方だ。自前主義には、その組織や人なりのこだわりがあって、いい面もたくさんあったのだろうと思われるが、環境への適応力(変化のスピード、競争の高度化や多様性など)を考えると、自前で何でも対応する時代は終わったのだろう。
 最近、よく言われるのは“連携”である。小生は、ネットワークと呼び、より幅広い関係性を模索している。
 “連携”とは、同じ目的を持つ者同士が協力し合って行動することである。外部の力も活用して、より効果的に、大きな成果を得ようとする考え方だ。資源のムダも省けるだろうし、大賛成だ。
 IG会計グループの行動指針の一つに、「個人の限界を組織の限界にしない。さらに、組織の限界を業界の限界にしない」というものがある。まさに、‟連携“して衆知を集めることの重要性を唱っているものだ。
 “連携”のいくつかの形態を考えてみよう。
 ① 一つは、同一地域における同業者や他業者との“連携”がある。互いの受注不足やバラツキ、人手不足を補い合うことができて、人材等の資源の効果的な活用ができるメリットが生じる。
 ② 次に、同一規模の同業者が、全国的な“連携”(ネットワーク)を構築し、統一イメージでネットワークのブランド化を図り、圧倒的な競争優位性をつくりだす考え方だ。一社では到底できない知名度を確立できる仕組みだと考える。
 ③ さらに、特殊技術など特別な強みを持った中小企業が、大企業と‟連携“するのも面白い。自社にないブランドや販売網などの強みを持っている大企業と“連携”すれば、全国的な展開が可能となり、事業規模の拡大や収益構造のレベルがあがる。
 いずれも、すでに効果が上がっている事例がたくさんあるので調べてみよう。
“連携”の基本は、対等関係が保たれるかどうかであろう。そのためには、自らの強みをしっかりと認識し、常に磨き続ける努力が必要だ。それから、“連携”の成果は、関係性の良否で決まるといっても過言ではない。お互いがお互いの存在価値を認め合う考え方、価値観を共有できているかどうかである。
 つまり、企業の本質(目的や存在価値)を思考し、なぜ“連携”をするのかなどを確認合い、信頼の絆を構築することが肝要である。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 7. 3)尊敬心

”考える言葉”シリーズ(H29. 7. 3)尊敬心
 
2017年7月3日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-23)
 
尊敬心

 いつの頃からだろう・・・、結婚式でスピーチを頼まれたときに、触れるようにしている言葉が“尊敬心”である。
 つまり、好いた、惚れたという感情はそう長く続くものではない。それに、好いた、惚れたという感情には、「自分が好きな相手だから、一緒にいたい。だから尽くしたい!」という、どこかエゴ(?)の匂いがする。その意味で、夫婦の絆としては今一つ危なっかしい感じがする。
 単に、好きや嫌いの感情だったら犬や猫でもある。だが、犬や猫に‟尊敬心“があるという話は聞いたことがない・・・。人が他人を尊敬するという行為は、次元が違う心の状態だと思う。
 人はどんなときに‟尊敬心“を持つのだろうか?
 「人は、能力が優れている人を見ると、驚嘆し、称賛もするだろう・・・。だが、その人に‟尊敬心“を抱くのかというと、そうとは限らない」という。
 では、人はどんな人に出逢うと共感・共鳴し、その人のようになりたいと憧れ、‟尊敬心“を抱くのであろうか?私だったら、人としての器が大きい人、人格が崇高な人と出逢ったときである。それは、ものの考え方や価値観のレベルが全然違うという驚嘆であり、その人のようになりたいという‟尊敬心”であろう。
 小さい頃、偉人伝を読んで感動した。今でも自叙伝的な本を読むのは好きだ。何故ならば、その人の生き方を知り、多くのことを学ぶことができるからだ。それは、偉大な人物が描く人生の目的や志の凄さであったり、逆風に立ち向かう勇気が生まれる背景であったり、やり抜く力を支える動機など・・・。
 今改めて思うに、‟尊敬心“は人間の成長にとって極めて大切な要素である。確かに我が人生においても、多くの尊敬できる人との出逢いは、自らの価値観の成長に大きな影響を与えてくれたと実感している。
 面接等でも、「尊敬できる人は誰ですか?」という問いがあるが、これは大切なことである。尊敬心には、次のような効果があると思う。
 ① 謙虚な気持ちでいられる
 ② 人から多くのことを学べる
 ③ 感謝の気持ちを持てる
 ④ 信頼心が生まれる
 ⑤ 人間関係がうまくいく
 立場が高くなればなるほど、‟尊敬心“を失わないようにしたいと考える。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 6.26)創造性

”考える言葉”シリーズ(H29. 6.26)創造性
 
2017年6月26日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-22)
 
創造性
 
 「21世紀は“創造性”の時代である」と言われて久しい。
 だいぶ以前だが、「中小企業を保護すべき“平均的な弱者”と決めつけるより、多様な可能性と“創造性”を持った事業主体」と捉え、その潜在性に期待するような記事を見た記憶がある・・・。迅速な行動ができる中小企業にとって、環境の激変は“創造性”を発揮できるチャンスだという趣旨で、大いに共感したことを思い出している。
 「日本企業の99.7%は中小企業、その7割が新たな成長戦略を描けず、赤字で苦しんでいる」(国税庁調べ)という話を聞くと、“創造性”を発揮できる環境にあるにも関わらず、「なぜ?」という疑問が残る。
 「改めて問う、“創造性”とは?」 その本質は何だろう?また、なぜ、“創造性”は必要なのか?
 “創造性”について考えていると、次のような言葉が浮かんできた。
 純真無垢な好奇心・探求心・チャレンジ・勇気・ひらめき・空想・イメージ・多面性・関係性・伝播性・・・等々。
 それぞれの仕事の領域において、専門知識や熟練技能や経験等を積んでおく必要はあると思うが、どうもそれだけでは、“創造性”を発揮するには不十分のような気がする。“創造性”に適したマインドや価値観が必要なのではないか・・・。
 ① 目指すところが高く、現状に満足しない人
 ② 失敗を恐れず、打たれ強い人
 ③ 大胆な発想で、勇気ある行動をとる人
 ④ 決して、途中であきらめないという信念の人
 ⑤ 多様性に価値を置き、共感的な関係性をつくれる人
 では、なぜ、“創造性”は必要なのか?やはり、世の中の進化・向上への貢献ではないだろうか。だとすれば、「世の中が根本的に欲していることは何か?」そして、「それを満たすために何をなすべきか?」を、つねに自問自答する必要があるだろう。
 これからの時代では、“創造性”を発揮できない企業は生き残れないという。それでは、どうすればそのような風土が生まれるのか?
 ① 独自な経営観を共有し、目的思考である(システム思考的)
 ② 失敗に寛容で、建設的な意見ができる組織(切磋琢磨)
 ③ 主体的な人材が育まれる風土のある組織
 その前提には、統合的な思想や価値観を共有し、互いに高め合えるような学習組織が必要とされるであろう。

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 6.19)統合

”考える言葉”シリーズ(H29. 6.19)統合
 
2017年6月19日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-21)
 
統合
 
 先週末(6月16~17日)、『NBM16期⑤~組織体制モデル』(「NN構想の会」主催)の研修が無事に終了した。
 全国の有望な若手会計人が集う研究会であり、毎回、積極的な意見交換が飛び交う、素晴らしい出逢いの場である。2003年からスタートし、これまでに1000名近くの卒業生を輩出しており、いつも楽しみにしている勉強会の一つである。
 今回のテーマは、組織論。NBMが提唱する『循環モデル』(=経営者の意思決定をサポートするための会計の体系)を事業として展開していくために必要な組織体制をどう構築するか・・・。
 Chandlerの「組織は戦略に従う」(“Strategy and Structure”1962)という著名な言葉があるが、戦略のパラダイムシフトが起きている21世紀の経営環境において、
新たな戦略の決定と同時に、組織体制をどのように再構築していくのかは、重要な経営課題の一つとなる
 時代のパラダイムが激変する21世紀の社会・経済環境において、業界再編は重要な経営課題となっている。今まで多くの中小企業は、「一国一城の主」として自社の利益と成長を考えて、経営すれば良かった。再編で統廃合が進むと、そういう訳には行かなくなるだろう。
 M&Aなどで、風土や文化の違う組織が一つになる。どのように“統合”し、組織体制を整えていくのか。それだけではない、再編が進む業界全体をどのようにリードし、業界全体の輝く未来を形成していくのか・・・。
 多様化した時代環境の中、上に立つ人ほどまたは業界をリードする企業ほど、多様化した価値を“統合”できるようなモノの考え方、すなわち価値観(=思考の物差し)が非常に重要となるであろう。
 人間の思考には、分離的思考と“統合”的思考があるという。分離とは、他人と自分を分ける考え方で、「相手と自分とは違う」という二項対立的な考えに陥り、良好な関係性をつくれなくなる。
 一方、“統合”とは、自他非分離の考え方で、「相手と自分は一つである」という二項共存的な考えができるので、共感・共鳴的に相手を受入れ、良好な関係性を構築することができて、生産的な場が生まれる。
組織とは、元来、協働行為の体系である。業界再編が進む中、M&Aなどで組織の統廃合が生じる。
 そんな状況下、組織の盛衰を決めるキーワードは、“統合”という概念であろう!
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 6.12)熟練

”考える言葉”シリーズ(H29. 6.12)熟練
 
2017年6月12日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-20)
 
熟練

 商品の一般化(大衆化)が進み、他との差別化ができなくなる状態をコモディティ化という。情報化やグローバル化がさらに深化していく中で、その傾向はいっそう強くなるであろう。
 長く続くと、低価格競争に陥って利益の確保が難しく、消耗戦の上共倒れとなる・・・。対策として、商品の差別化(ブランディングなど)が叫ばれているが、そう現実は甘くない。それは知的サービスの専門家においても同様で、専門知識の一般教養化が進み、より高度に専門特化しないと生き残りが難しい時代である。
 最近、“熟練”したマインドが求められているという。どんなに、たくさんの知識を習得したとしても、それ自体が価値にはならない時代なのである。“熟練”とは、それらの知識の活かし方を身につけていることをいう。つまり、仕事の目的をしっかりと捉え、その目的遂行のために必要な知識を関連付け、体系化できる思考法である。
 “熟練”したマインドを育むためには、次の4つの段階が重要となる。
 第一に、その仕事の目的をつねに問い、本当に重要な課題を見分けること。
 第二に、課題に対する研究をつねに怠らず、やり続けること。
 第三に、手段は無限、多岐にわたる方法を試してみること。
 第四に、学後の実践を旨とすること。
 孫正義氏が、次のようなことを述べている。
 「日常業務を社員ができる範囲でこなしているだけの時は単なる『作業』でしかない。全く異なる環境に飛び込み、もう一段の飛躍のために絶対に成功させねばならない使命を背負った時に、初めて人は大脳が活性化し始める。組織も同じだ」
 “熟練”したマインドを高め続けるために最も重要なことは、チャレンジである。パラダイムシフトが起きている今日的な環境においては、一度身につけた“熟練”がずっと安泰であり続けるなんてことはあり得ない。また、そういう職業などない。
 今盛んに、「生涯学習」の重要性が叫ばれている。重要な仕事に就き、地位が高くなればなるほど、広い意味での教育を受け続ける重要性が増してくるといえよう。大切なことは、強要されるのではなく、主体性をもって“熟練”を自覚し、やり続けるマインドである。
 悟りを究めた伝教大師最澄が自らを大愚といったように、“熟練”したマインドを備えた人ほど、生涯にわたる学習の必要性を自覚し、学ぶことに情熱を傾けている。学んでは実践し、さらに実践から学ぶ。
 “熟練”に過ぎるということはないと考える

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 6. 5)睡眠

”考える言葉”シリーズ(H29. 6. 5)睡眠
 
2017年6月5日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-19)
 
 睡眠

 い頃によく経験した、マージャンなどもそうであったが、徹夜したあとの爆睡(もう何日も寝ていたような気分になる・・・)、そんな深い眠りに陥ってしまうような“睡眠”を、もう何十年も経験していない。
 歳のせいもあるだろうが、小生は極めて短眠である。概ね3~4時間ぐらいで、目が覚めてしまうのである。それが習慣になってしまったようで、何時に寝てもその時間が過ぎると目が覚めてしまうのである。困ったことに、夜早く寝ようものなら、その日のうちに目が覚めてしまうことだってある・・・。
 家にいるときなど、夜の10時から11時ごろには床に就くので、夜中の2時過ぎから3時ごろには目が覚めてしまう。少なくとも明け方までは寝ようと努力をしたが寝付けず、悶々としていたが、ある時期から目が覚めたら「起きる!」と決めたら、意外と調子が良くて、本が読めるのである。
 今では習慣となって、“睡眠”時間が平均4時間である。読書もはかどり、体調も悪くはないのだが、お陰で夜の付き合いが苦手になってしまった・・・。アルコールが入るとてきめんで、睡魔に勝てないのだ。
 最近もの忘れが激しい(歳のせいもあるのだろうが・・・)ので、“睡眠”不足のせいではないかと気になり、“睡眠”に関する本を読み漁ると、けっこういろんな研究がなされているようだ。それによると、日本は不眠に悩む人が多く、「不眠大国」だという。
 最近は、“睡眠”のメカニズムに関する科学的な研究が進んでいるそうだ。また、不眠による国民の健康への弊害を心配してか、厚労省も「健康づくりのための睡眠指針~睡眠12箇条~」をまとめて、公表している。関心のある人は、のぞいて欲しい。
 現代人の5人に1人は“睡眠”に関する悩みを抱えているそうで、“睡眠”不足から生じる作業効率の低下や事故などによる経済的損失は、年間で約3・5兆円にのぼるという試算もされているそうだ。日中のパフォーマンスが“睡眠”の質で決まるということであれば、私たちは自らの睡眠法について、もっと真剣に考える必要があると思う。
 ショートスリーパーという言葉があるが、ナポレオンのように短い睡眠でも健康を保ち、偉業を成し遂げた人もいるようだが例外だそうで、なろうと思ってなれるものではないという。確かに、睡眠不足は堪えるし、知らず知らずにロス・タイムをつくり出しているような気がする。「もっと、起きている時間のパフォーマンスを高めよう!」という戦略的な視点から、自らに合った“睡眠”方法を一度真剣に考えるのは、人生を豊かにするためにも大切だと思う。
 そのとき、朝型のリズムを習慣化する考え方は絶対にお勧めしたい!

 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 29)観想

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 29)観想
 
2017年5月29日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-18)
 
観想

 前回の『IG後継者育成塾』(第5期⑤)で、「仕事の価値化」について研修をし、討議してもらっていたとき、ふっと思い浮かんだのが“観想”という言葉である。その語源は、ギリシャ語のテオーリア(theōria)起因する概念だという。
 “観想”とは、表面的な理解を突き抜けて、より深い意味を探り、物事の本質を洞察することである。アリストテレスは、理性(=考える力)こそが人間の本質であるから、観想的な生活を送ることこそが最大の幸福であるとした。
 情報化社会に生きている現代人は、何か分からない事が出てきてもインターネットで調べれば、すぐに分かる。そう、深く考えることをしなくても、いっぱしの議論もできるし、すっかり知り尽くしているかのごとく思い込んでしまう傾向がある。
 情報過多の気忙しい環境で生きていると、浅く広くの知識の詰め込みが習慣化され、薄っぺらな思考しかできなくなり、目の前で起きている現象的な事実に対応することばかりに気が奪われて、その奥にある本質を見失ってしまう危険性をつねに潜んである。まさに、モグラ叩きの状態である。
 今の経営者にとって、“観想”の習慣を持つことは極めて重要な事だと考える。なぜなら、変化に翻弄されず、その奥にある真実を洞察するには、自らの頭で深く考え抜くしか方法がないからである。
 “観想”とは、一つの特定された問題に焦点を当てて、それを深く考え抜くことである。心をそこへ集中する必要がある。例えば、今回のテーマである「仕事の価値化」について次のように自問自答し、考えを集中してみよう。
 ① これはどういう意味なのだろうか?
 ② その提案の意味していること、目的とは何だろうか?
 ③ 自分にとって、どんな意味があるのだろうか?
 ④ この考えを経営に活かせるだろうか?
 ⑤ 我が社の幹部や社員に問うたら、どう答えるだろうか?
 どうだろう?どれぐらいの時間を、そのテーマに集中できただろうか・・・。また、どのような考えが浮かび、整理できたであろうか。思ったほど、集中力が持続しないことに驚かされる人もいるだろう。
 以前に、ある先生が言っていた事を思い出す。『心とは、「ころころ」するから「こころ」って、言うのだ・・・』と。あらゆる雑念を取り除き、一点に心を集中させるためには、はやり、それなりの訓練が必要だ。
 そのためにも、“観想”の習慣を身につけるように努力をしたいと考える。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 22)改めて、問う

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 22)改めて、問う
 
2017年5月22日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-17)
 
改めて、問う

 先週末、『IG後継者育成塾(第5期⑤)』を終えたばかりである。お陰様で、2008年9月に第1期をスタートしてから9年目に入る。今回もそうであったが、卒業生がときどき顔を出してくれるのが有難い・・・。
 今回のテーマは、「仕事を価値化する~仕事の報酬は仕事!」である。「仕事の価値化」とは、何を意味するのだろうか?“改めて、問う”と、いろいろな答えが出てきそうで面白い。グループ討議も、様々な意見が飛び交い、弾んでいたようだ。
 「仕事の価値化」を考えるとき、「自分は今、何のために働いているのか?」という仕事の目的やその仕事を選んだ自らの動機を問うことから始める必要があるだろう。“改めて、問う”と、それこそ十人十色だ。
 「生活のため。趣味や生きがいは他にある」「能力を高め、スキルアップしたい」「楽しいから、好きだから」「報酬をガンガン稼ぎたい」「自己実現したい(夢や志)」「社会貢献したい」等など・・・。
 このように仕事に対する目的や動機を“改めて、問う”と、ものの考え方(価値観)に次元の違いを感じることができる。「生活のため」というのと、「自己実現あるいは社会貢献ため」というでは、明らかに次元の違いがあると思う。
 実は、「仕事の価値化」とは、その目的や動機の次元を高次化することにあると考える。つまり、マズローの欲求5段階説でいうところの、欠乏欲求(生理・安全・帰属・自尊)から成長欲求(自己実現・自己超越)へと次元を高めていくことから始めるべきではないだろうか。
 仕事の本質は、奉仕である。仕事の「仕」も「事」も「つかえる」という意味だ。世のため人のために貢献できてこそ、仕事の価値は高まるものだ。まさに、仕事の報酬は仕事なのだ。
 仕事は必ず場を形成する・・・。場とは社会システムを構成する部分であるが、様々な出逢いがあり、関係性を構築して、システム化していく。そのような状況下で、私たちは支えられ、生かされている。つまり、職場とは働く者にとって協働の場であると同時に、成長機会を提供してくれる場であり、自己実現のステージである。
 企業は、社会への貢献性を高めることにより、存在価値が認められ、より大きな場へと成長していく。その場に、優秀な人材が集い、切磋琢磨しあい、互いに成長する機会を共有しているのである。
 このように考えると、仕事の価値化とは社会システムの抱えている問題(ニーズ)に応えることによって、社会の進化に貢献することではないだろうか・・・。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 15)生涯未婚率

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 15)生涯未婚率
 
2017年5月15日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-16)
 
生涯未婚率

 “生涯未婚率”という言葉がある。日本政府が人口の統計において用いている用語であり、50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人間の割合を意味する言葉だそうだ。
 従来、日本における“生涯未婚率”は極めて少ない数字だったようで、1070年代迄は安定して2%程度、2000年頃でも10%未満という数字だったようだ。その後、年々上昇傾向にあり、2010年には男性の生涯未婚率は20%を超える迄になっているという。
 最近の国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、50歳までに一度も結婚したことがない人が2015年に男性で4人に1人、女性で7人に1人いたことが分かったという。こうした人の割合を示す“生涯未婚率”は、10年前の前回調査から男女とも3ポイント以上増えて過去最高を更新。
 “生涯未婚率”高まった要因が、いくつか指摘されている。
 ① 一つに、女性の社会進出が挙げられる。
 1986年4月から施行された「男女雇用機会均等法」が、女性の社会進出に拍車をかけた。結婚せず、独立したライフスタイルを選ぶ人が増えた。その結果、結婚という形でのパートナーを持つ必要がないという考え方が徐々に広まったという。できる女性ほど、相手を選ぶ条件が高くなり、なかなか良い相手がなく、そのうち結婚の適齢期を逃してしまう・・・。
 ② 次に、収入格差の増大が挙げられる。
 1990年バブル崩壊以降、フリーターなど非正規雇用者の増加に伴い、収入が不安定で将来設計が立てられないという。経済的な余裕がないことが原因だという。
 ③ さらに、独身主義者が増加していることも理由として挙げられる。
 「自分の稼いだお金が自分の好きことに使いたい」「家族をもつことに価値を見出せない」という。
 「国(家庭も個人も同じ)というものは、平らな底をもつ皿を、政治、経済、宗教という3本の柱で支えているようなものだ。柱の一本でも長かったり、短かったりすれば、水はこぼれてしまう。周りが見えず、経済が長ければ日本、宗教が長ければイラクのようになる・・・」(「大愚のすすめ」山田恵諦 著)。
 3本柱のバランスがとれていると、皿の中の人たちは穏やかに過ごせるという。日本の少子高齢化、人口減少の問題は、社会的システムとして深刻な課題である。
「なんのために?」とか「なぜ?」という、物事の本質を自らに問うことを行い、自己革新をしていくことが、全体(国)も部分(企業や家庭、個人)も求められている。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 8)大愚

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 8)大愚
 
2017年5月8日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-15)
 
大愚

 最近、妙な習慣がついたようだ・・・。書棚を眺めていると、不思議と目に留まる本が出てきて、手に取り、読み始めている。最初は、パラパラとめくりながら、「こんな本があったな・・・」と思いつつ、流し読みをしているのだが、いつの間にか、はまっている。
 連休中に、はまってしまったのが『大愚のすすめ』(山田恵諦 著)だ。熟読しているうちに、いつ頃購入した本だったかが、気になって調べてみると、1991年7月30日初版発行とあるから、25年ほど前のことである。
 時代は20世紀の終盤あたりで、世の中が日本のバブルに気づき始めた頃だろう。小賢しく知識を詰め込み、経済に偏重し過ぎた日本の将来を憂えている・・・。「世の中の誰も彼もが、少しでも利口になろうとあくせくしている。利口でなきゃ損をするから、勉強するのだと、どうにもせせこましい」と。
 「手段にすぎないものを目的化し、真の目的を見失っている日本・・・。経済的に豊かになった日本は、豊かさの中にあぐらをかいているのではなく、助け合う心・分け合う性格をつくり、恩を返して、世界のための日本となるべきだ」と説いてある。
 そのために必要なことは、“大愚”になることだという。元は、伝教大師最澄の次の言葉からだという。
 「色々と学び、励んでみたけれど、自分は知恵も才能もない最低の人間だ。ならば、これまでしてきたことは全て流し去って、生まれたままの自分になってみよう。愚の中の極愚に徹してみよう」
 賢くなろう、利口になろうと、あくせくするのではなく、愚になること。力を抜いて、とことん愚かなじぶんというものを見つめてみる。一から出直す決意である。「愚の中の極愚」、つまり“大愚”とは、自分をまず最低の位置に置いてみることだという。
 そうすると、そこから眺める世界というものは、上から見るのとはえらい違いがあることに気づかされる。山川草木(=自然)のすべてが先生となり、真実というものを教えてくれるのだという。
 その真実とは何か?自分以外のすべての環境に支えられている自分がいることに気づかされることだと思う。つまり、「自分は生かされている!」という真実である。最近だが、そのことが腑に落ちてきている自分に気づかされる。
 以前よりずっと、家族をはじめ、身近な人たちに、自ずと感謝の念を持てるようになっている。すると、不思議と肩の力が抜けて、素直で穏やかな自分になれる。どんな些細なことにでも面倒くさがらず、自然と体が動くのである。
 恐らく、仕事をご縁にいい出逢いをいっぱいさせてもらっているのだと思う。感謝!
    
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 1)人の力

”考える言葉”シリーズ(H29. 5. 1)人の力
 
2017年5月1日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-14)
 
人の力

 
最近購入し、一気に読み上げてしまった本の中に、『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』(三木雄信 著、ダイヤモンド社)というものがある。今年の2月に初版、すでに第5刷発行となっているので、かなりの売れ筋なのだろう・・・。
 ソフトバンクは、創業からわずか30数年で8兆円企業へと成長した。カリスマ経営者・孫正義が率いる組織だからこそ、なし得た成果だと思うだろうが、ソフトバンク躍進の最大の秘密は、「高速PDCA」思考の徹底実践にこそあるとし、その考え方を分りやすくまとめた良書である。
 ソフトバンク流「高速PDCA」の特徴は、スピードとタイミングの重視であろう。それを、「ソフトバンク3原則」と呼んで、次のように紹介している。
 ① 思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する
 ② 1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する
 ③ 目標も結果も、数字で管理する
 「PDCA」という経営サイクルの仕組は、誰もが良く知っている経営手法である。しかし、その手法で結果を出している組織や個人は、はやり、一味も二味も違う。自分流というか、考え抜いて、実行し、自らの哲学にしている。一読の価値あり・・・。
 さて、今日のテーマである“人の力”について、である。この本の中で、「“人の力”の借方」として、孫正義の凄さを紹介している(第6章)。
 なぜ“人の力”を借りるのか?孫さんの答えは明確、「自分一人できることなど、たかが知れている」。“人の手”を借りれば、一番手っ取り早く成功できる、つまり結果を出せる!という。「やる!」と決めて動き出して、“人の力”を借りる。とに角、結果を出すことに専念している。
 また、孫さんは、人を使うのが実に上手いという。秘訣の一つは、素直さ!「相手の肩書きやキャリア、年齢や経験を問わず、自分にとって有益だと思う情報やノウハウを持っている人のアドバイス」を、素直に傾聴するという。
 さらに加えると、熱意!孫さんは若い頃から、知りたいことがあれば自分から情報や知恵を取りに行っていたという。連絡を取って、相談に行けば、相手は「この人は本気だな」と、その熱意を感じて、懇切丁寧に教えてくれるし、力を貸してあげたくなるものだ。
 もう一つ加えるとすれば、孫さんのビジョン・志の確かさだろう。そして、「やる!」ことへの信念・・・。
 「素直さ、熱意、ビジョンの確かさ」 改めて自問自答したいと思う。
     
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 4. 24)人材育成

”考える言葉”シリーズ(H29. 4. 24)人材育成
 
2017年4月24日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-13)
 
人材育成

 
4月に入り、新入社員が入社し、フレッシュ感が漂う職場も多いと思う。
 さて、成長し続けている企業には、次の3つの特徴があるといわれている。
 ① 独自の経営観を持っている
 ② 付加価値の高い事業領域を確立している
 ③ “人材育成”に熱心である
 独自の経営観とは、「なぜ、この事業をしているのか?」という問いかけに明確な答えを持っているということである。つまり、事業の目的が明確であること・・・。また、付加価値の高い事業領域の確立とは、「あなたの会社でないと困る」といってくれるロイヤリティの高い顧客に恵まれているということである。
 ①と➁の重要性を理解し、実行して、企業風土をつくり出しているのが人材である。ゆえに、“人材育成”に熱心な組織は成長し続けるのである。
 ピーター・F・ドラッカーが残した有名な言葉の一つに、「従業員はコストではなく、経営資源である」というのがある。全く、同感である。
 また、経営者には、従業員をコストでなく、経営資源として価値ある人材に育てる責任があると思う。人口減少という社会問題のなかで、人材不足が慢性化している今日では一層その重要性を感じる。
 “人材育成”、そのためには、先ず人材ビジョンを明確にしておく必要がある。IGグループでは、「人材とは、主体的かつ生産的な目標を設定できる人をいう」と定義している。
 そのような人材が育つ環境を整えること、これがトップの仕事である。そのために、次の3つのことを心掛けている。
 ① 価値観(経営理念)を共有し、つねに確認できる機会をつくる
 ② 「仮説~実践~検証」という経営サイクルを確立する
 ③ 「目標管理システム」を構築し、その運用のために時間を確保する
 また、働く社員としての心得は、個人と組織人としての二面性を、どう統合できるかであろう。「仕事の報酬は仕事である」という言葉がある。この言葉の意味をしっかりと噛み締めることができたら、すべてが解決できる。
 人材の成長とは、より生産的になることである。そして、生産性の本質とは良好な関係性で仕事ができている状態をいう。
 このように考えると、人材とはスキルだけでなく、同時にマインドを磨き上げていくことが大切であると考える。
    
Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 4. 10)新陳代謝

”考える言葉”シリーズ(H29. 4. 10)新陳代謝
 
2017年4月10日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-12)
 
新陳代謝

 “新陳代謝”は、生命力の源である。
 ご存知の通り、人のからだは約60兆個の細胞からできており、それらがつねに細胞分裂を繰り返しながら、“新陳代謝をしているのである。
 そして、老化とは、生命力の源である“新陳代謝”の機能低下がもたらす現象である。また一方で、「病は気から」という言葉があるように、人間の心の持ち方が老化現象に大きな影響を与えているのだという。
 ある本を読んでの感想であるが、細胞分裂の限界に関しては、不老不死の妙薬が発明されない限り如何ともし難いが、心の持ち方から生じる老化現象に関しては心掛け次第で何とでもなる・・・。また、これは自らの体験からも自信をもって、そう言える。
 では、精神的に若さを保つ秘訣は何か・・・?一言でいうと、生きる目的である。自分の人生にとって価値ある目的を見出し、描くことができたら、自分でも驚くほどにエネルギーが湧き出てくるのを実感できる。つねに新しいことにチャレンジしようという気持ちが湧いてくるのである。それが、“新陳代謝”を促進させるのであろう。
 からだが自然に動くというか、億劫とか面倒という気持ちが不思議とない・・・。当然ながら、自分がやりたいことをやっているので、ストレスが生じるはずもないのである。ただ、働きすぎて、からだに負担が生じることは気をつけなければならないとは思うが・・・。
 企業経営においても、同じことが言える。組織の“新陳代謝”が行われなくなったときが、衰退の第一歩である。経営でいう“新陳代謝”とは、イノベーション(自己革新)である。
 成長し続けるためには、次の「5つの質問」(ドラッカー)をつねに自らに問い続ける必要がある。
① われわれのミッションはなにか?(存在の意義)
② われわれの顧客は誰か?(貢献の対象)
③ 顧客にとっての価値は何なにか?(顧客のニーズ・期待)
④ われわれにとっての成果はなにか?(価値の創造)
⑤ われわれの計画はなにか(目標設定)
 以上の質問をすることによって、「あるべき姿」が明確になり、「現状との差」が明確になる。つまり、なすべき課題が明確になるので、つねに新しいことへチャレンジする心を持ち続けることができる。
 “新陳代謝”は、生命力(=企業存続・発展)の源である。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 4. 3)時間

”考える言葉”シリーズ(H29. 4. 3)時間
 
2017年4月3日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-11)
 
時間

 「光陰矢の如し」という格言は、小さい頃からの教訓である。何度となく耳にし、その都度頷いては納得し、心を引き締めていたような気がする。
 だが、その経験を活かし、その後の日々において、充実した“時間”の使い方を常にやり続けてきたかというと、自信がない。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」って、ことだろう。“時間”の浪費癖ってやつは、いったん身についてしまうと始末に負えない、厄介なものである・・・。
 しかし、この格言の価値を真に理解し、人生の早い時期に、自分自身の信念とすることができたら、充実した人生が約束されるに相違ない。
 「人生とは、“時間”との戦いである」という言葉がある。“時間”は、その人の向き合い方によって、友にも敵にもなる。“時間”を良き協力者として頼るにはどうしたらいいのか?
 小生の場合、“時間”との向き合い方について改めて体系的に学ばせてもらったのは、P・F・ドラッカーの「自己管理による目標管理」からである。この考え方は、「IG式目標管理システム」として構築し、自らの習い性となるよう、日々やり続けることを義務付けている。
 成果をあげる人たちは、「“時間”が最大の制約であり、最も希少な資源であること」を知っている。その“時間”を良き友とするためには何をなすべきか、先ずは「汝の時間を知れ!」という。
 “時間”がどのように使われているのか?時間をマネジメントすることの基本は、「“時間”を記録し、整理し、まとめる」という三段階のプロセスであり、極めてシンプルな考え方である。
 ① “時間”を記録し、“時間”の使い方を診断する。(記録と分類)
 ② 仕事を整理する。(廃棄、任せる)
 ③ 空いた“時間”をまとめる(時間のマトリックス、優先順位)
 以上のように、“時間”をマネジメントすることは、仕事の成果にとって極めて重要である。さらに加えて重要なことは、「人の“時間”を無駄にしていないか?」を、つねに心がけておく必要がある。
 IGグループも次世代へ繋ぐ時期にきている。改めて、“時間”との戦いが気になるところである。
 まさに、「光陰矢の如し」である。月日がたつのはあっという間である。だからこそ、時間を大事にしたいと思う。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 3. 27)M&A国際会議

”考える言葉”シリーズ(H29. 3. 27)M&A国際会議
 
2017年3月27日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-10)
 
M&A国際会議
 
 この時期の恒例で、楽しみの一つである“M&A国際会議”(日本M&A協会主催)へ今年も参加(3月18~25日)。
 この催しは、1994年の上海を皮切りに、世界の経済的主要都市を舞台として毎年行われており、今年が第23回目の開催になるという。開催の趣旨は、日本M&A協会の理事会員となっている職業会計人一人ひとりにグローバルな視点やセンスを養ってもらい、日々の仕事に役立ててもらうことにある。
 さて、今年の舞台は「サンフランシスコ&シリコンバレー!」 観光としてのイメージというよりは、事業家として一度は訪れてみたい地域だったのでホント嬉しい。参加者の数は、430名を超えて、過去最高だったそうだ。(ホントにご苦労様!)
 さて、シリコンバレーといえば、この半世紀における「時代の進化」に最も貢献をしてきた地域であり、イノベーションの聖地である。サンフランシスコから車で一時間ほど南に位置するサンタクララ・パロアルト・サンノゼ地区の通称。スタンフォード大学があり、Apple、Intel、Google、Twitter、FacebookなどIT企業の本社が多数立ち並ぶ地域である。
 一日目のパネルディスカッションでは、シリコンバレーで活躍する日本人起業家たちの話を聞くことができた。
 シリコンバレーの何が凄いのか・・・?
 「自分たちが世界を変えられると信じている」「絶妙な目標設定能力がある」「非常識に寛大である」「トップが決めたことをやり抜く力」「失敗を恐れない文化」「リスクに対する考え方」「世の中の課題と向き合う」「技術とビジネスをつなげる仕組み」「人とのつながりが根っこにある、人脈の重要性」「スピード感を大事にする」「天気が良い」「テーマは変わり続けること」「ハックする」等々のキーワードが飛び出してきた。
 面白いと思ったのは、一旦17時で仕事を切り上げて、家庭サービスの時間を持つ。急ぐ仕事があれば21時以降に戻ってきて、また仕事をするという。家と職場が隣接していると、そんな時間の切り分けができる。再考すべき妙案である。
 その日の総括をされた千本倖生先生の挨拶。「自分もシリコンバレーとは縁が深いが、日本企業はシリコンバレーに負けない力を十分に持っている!戦える!」 また、シリコンバレーで起業しているパネリストの人たちに一言アドバイス、「やっていることが小さ過ぎる!もっと世界に通用するようなスケールを目指せ」と、さすが一時代をつくった人の迫力だ。
 イノベーションの聖地!その空気を吸ったので英気を十分に養えた気分である。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 3. 13)ハワイ雑感

”考える言葉”シリーズ(H29. 3. 13)ハワイ雑感
 
2017年3月13日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-09)
 
ハワイ雑感

 ハワイへ向かう機中での瞑想・・・。
 「あなたは立ち止まってバラのかおりを嗅いだのはいつのことだろうか。長い間、足を止めて、日没という魔法を見たのはいつのことだろうか。あなたは日ごろ、まわりの世界の素晴らしさをどれだけ気づいているだろうか」という本の一節に出逢い、ハッとさせられた。
 考えるに、バラが咲いている庭先や日没の鮮やかな夕日を目にしているにもかかわらず、足を止めることを久しくしていない自分に気づかされる・・・。幸い、自然豊かなハワイ島で3日間を過ごす。ゴルフ三昧を決め込んでいたが、ゆったりとした気分で、自然を満喫しながらプレーを楽しもうと心に決めた。
 朝一のプレー、幸いなことに天気上々・・・。空気が澄んでいて、遠くにマウナ・ケア(4,205m)やマウナ・ロア(4,169m)の頂上を拝むことができて、ラッキー!普段だったら、「おォ、見えている!」で終わるのであるが、今回は違う・・・。暫し、立ち止まり、祈りを込めて見入った。
 朝日が橙色に空を染める風景、コースの途中で見られる白い花の群生、芝の上をちょこちょこと跳ねている小鳥たち、ゆったりと歩いているヤギたち、海岸際のコースに打ち寄せてくる白い波、また波・・・。
 滅多に行かないビーチにまで足を延ばし、孫たちと砂遊び。波打ち際に防波堤をつくり、お城をつくるが、すぐに波にさらわれてしまう。何度も何度も夢中になって作り直す無邪気さ・・・。残念ながら、期待していた日没の魔法は、途中で雲に隠れてしまったが、夕日が染める一直線の海の色も素晴らしい。
 何度も来ているハワイ島だが、本の一節との出逢いのお陰で、違った意味でのリフレッシュを楽しむことができた。
 その後、オワフ島(ホノルル空港)へ飛び、ゴルフ場へ直行。終了後、ワイキキへ戻るのに1時間ほどのドライブだが、途中の山の中腹には住宅地が密集しており、高層マンションもけっこう立ち並んでいる。年々、ワイキキ郊外へと住宅地事情は広がっているようで、郊外からワイキキへ流れ込む朝のラッシュは、半端ではないそうだ。
 俗化が進むワイキキ周辺では、自然に親しむという感じは難しいが、ホテルのベランダから見る海はきれいだ。ただ、気になったのは空の色・・・。ハワイ島からのボグ(火山灰)の影響らしい。
 「立ち止まって、周囲の景色をじっとみる・・・」そんな気付きをもらっただけで、今までと違う時間の過ごし方ができるようになったと思う。やはり、旅はすばらしい・・・。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 27)働きがい

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 27)働きがい
 
2017年2月27日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-08)
 
働きがい

 
人間の成長にとって、“働きがい”はいつも課題の中心となる。
 「人間は、仕事を通して成長する」という言葉があるが、もっと厳密にいうと、「人間は、“働きがい”のある仕事に出逢ったときに飛躍的に成長する」と考えた方がいい。
 だから、仕事を選ぶとき、「“働きがい”のある仕事なのか、どうか?」は大切な判断基準とすべきだと思う。
 では、“働きがい”を見出し、高めるためにはどうしたらいいのだろうか?これに関しては、ドラッカーの次の言葉が響く。
 「“働きがい”を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、➁フィードバック情報、③継続学習が不可欠である」
 仕事に対する責任こそが、“働きがい”の源泉だという。つまり、自らの責任を果たすことが“働きがい”を生み、動機づけの要因になるのだという。
 「“働きがい”の源泉は他に求めるものではなく、自覚だ」という・・・。このドラッカーの考え方は、主体性を確立したいという成長欲求を持っている者にとって肝に銘じておくべきことだと思う。
 さて、仕事を遂行するレベルには次の4段階(成長のプロセス)があると思う。
 (1) 指示に従って正確かつ迅速に処理できるか(素直さ、感謝、基礎力)
 (2) 自らの段取りで仕事ができるか(責任観、職域拡大、目標管理)
 (3) 仕事に対しての問題発見能力があるか(問題意識、指導力、自己革新)
 (4) 仕事に対しての問題解決能力があるか(使命観、マネジメント力、リーダーシップ)
 仕事の各段階において、どのような責任を期待されるのか?その責任を全うするために何をなすべきかをしっかりと考え、目標設定する。その目標へのチャレンジこそが、“働きがい”の向上へとつながるのである。(「責任」~「働きがい」~「成長」)
 以上、“働きがい”とは本人の自覚以外の何ものでもないことが明確になったと思う。
また、次の3点を心掛けて仕事をすることによって、“働きがい”は確実に高まると確信する。
 ① 甘い現状認識を捨てる
 ② 手段ではなく、目的から考える
 ③ 主体的なキャリア形成プランを立てる
 マネジメントにおける人材育成の基本は、育てるのではなく、育つ環境を整えることにある。“働きがい”が育まれる環境をつくりたいと思う。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 20)スモールサン

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 20)スモールサン
 
2017年2月20日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-07)
 
スモールサン

 
IG会計グループ主催の『IG新春セミナー』が、開催された(2月15日、ニュー長崎ホテルにて)。おかげさまで200名を超える参加者があり、セミナー会場は勿論、懇親会も大盛況であった。
 第一部は、小生が昨年出版した書籍の内容をベースに『“未来からの逆算”が会社を変える!~勝敗の行方は戦う前に決している』というテーマで、「目標を定め、行動することの重要性」について、話をさせて頂いた。
 第二部は、みなさんご存知の山口義行氏(立教大経済学部教授、スモールサン主宰)をゲストとしてお招きし、『中小企業における知的戦略経営』というテーマで、素晴らしい講演を頂いた。
 同教授は、時代環境の激変の中でいろいろな経営課題を抱えている中小企業を支援する目的で、“スモールサン”という「知的サポートネットワーク」主宰されておられ、知行合一を実践されている。“スモールサン”とは、中小企業(small business)のSmallとサポートネットワーク(support network)のSUNをとっての略称。中小企業一つひとつが「小さな太陽」になってほしいという意味をこめての命名だという。
 山口先生の講演内容で、印象に残った点を少し紹介したい。
 日本における人口減少の問題は社会システム上も大きな課題となっているが、中小企業経営者にとっても、それが要因で3つの大きな壁(①市場の壁、②地域の壁、③人手の壁)となって立ちはだかっているという。
 そして、これらの壁(課題)と向き合い、乗り越えるためには何が必要とされるのか?そのために今、次の3つの力が経営者に求められているだという。
 ① 読む力(時代の潮流を見極める)
 ② 問う力(自らの存在の意義と価値を常に問う)
 ③ つなぐ力(連携、衆知を集めることによって、個の限界を全体の限界にしない)
 この3つの力に関しては、自己革新にとって必要不可欠な力であり、全く同感である。つねに心がけて磨きをかけ、高めていきたいと思う。
 また、スマホやコンビニを例にとり、「発展とは、一部にすることである」(ヘーゲルの弁証法)という言葉を紹介して頂いたが、これも得心!低次元においては対立あるいは別物であるものが、次元を高める(発展)ことによって統合されるという・・・。さらに、隣接異業種への挑戦も、イノベーション思考として面白いと感じた。
 新しい成長戦略が描けず、赤字に苦しんでいる多くの中小企業経営者にとって、たいへん示唆に富んだ講演だったと思う。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 13)生産性

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 13)生産性
 
2017年2月13日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-06)
 
生産性

 最近、“生産性”という言葉をよく耳にする。
 昨年9月にスタートした『働き方改革実現会議』(第3次安倍内閣で設置)でも、テーマとして「賃金引上げと労働“生産性”の向上」が取り上げられており、「日本の低い労働“生産性”」が話題となっている。
 また、先月に帝国ホテルで開催された『全国経営者大会』でも、多くの有識者が日本の“生産性”の問題を取り上げていたが、概して論調はやはり労働“生産性”の低さを指摘する内容であった。書店でも、売れ筋コーナーに“生産性”に関する書籍が並べてあり、目につく・・・。
 言うまでもなく、話題の背景にあるのは、日本において急速に進んでいる構造的な社会問題である少子高齢化である。恐らく、未来に行けば行くほど、地方や中小企業において人手不足がより深刻化するのは想像に難くない。
 少子化を解消するためには、育児中の女性が働きやすい環境を整える必要があるし、働き盛りの社員が介護離職を余儀なくされるという事態もよく耳にする身近な問題である。
 さて、“生産性”とは「アウトプット(得られた成果)」÷「インプット(投入した資源)」の比率として計算される。「働き方」という視点からいうと、「インプット」を「時間」と考えてもよいだろう。“生産性”の向上とは、短い時間でより大きな成果をあげるための創意工夫だと考えていいだろう。
 企業における“生産性”向上の重要性をいち早く唱えたのは、P・F・ドラッカーであろう。氏は、環境の変化に伴い、生産性の課題が機械や道具といった手法の問題(=効率化)だけでなく、働く人間の姿勢の問題(=効果性)へと発展していることを指摘し、生産性向上の視点として、次のような考え方を示唆している。
 ① 成果の定義(仕事の目的を問う)
 ② 分析(必要な作業、資源、ツールの洗い出し)
 ③ 体系化(相互関係性や段取りの構築)
 この考え方をベースにして「仮説~実践~検証」の経営サイクルを廻し、目標管理を徹底することによって、継続学習の場をつくり“生産性”向上の勝ちパターンをつくり上げていけば、“生産性”を意識した職場環境が生まれるであろう。
 生産的な職場環境が生まれると、人間関係が良好となり、様々なライフスタイルにあった仕事のスタイルが受け入れ易くなり、当然ながら多様な人材が集う場が構築されるのでないかと考える。
  
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 6)自問自答

”考える言葉”シリーズ(H29. 2. 6)自問自答
 
2017年2月6日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-05)
 
自問自答
 
 “自問自答”とは、「自分で問いかけ、自分で答えること」である。これは深い思考力あるいは考え抜く力を養うために、極めて有効な手段である。
 先週末(2月3~4日)、『NBM(第16期③)』を終えたばかりである。『NBM』とは、NN構想の会主催の『新ビジネスモデル(NewBusinessModel)研究会』の略称。2003年に、会の活動の一環としてスタートしたが、お陰様で好評のうちにロングランを続けている。
 『NBM』の特徴は、ぜんぶで6単元のシリーズ物(2か月にいっぺん、一泊二日の合宿形式)であるが、それぞれのテーマごとの教材はすべて質問形式になっており、2時間程度の導入講義はあるが、グループ討議を中心に運営されているところにある。
 さらに、質問の内容は、「ハウツー(どうすれば)」ではなく、基本的に「なぜ(=Why)?」を中心に考えてもらうように心掛けて準備してある。つまり、物事の本質を捉えて考える訓練をする場でありたいと思っている。
 参加者の心得として一番大事なことは、用意されている質問のすべてを自分の問題として捉え、先ずは“自問自答”してみることである。人間って不思議なもので、質問を投げかけられると、それに対して自然と考えるようになっている。
 本田圭佑サッカー選手の名言の一つに、「くどいほどの“自問自答”をするしかない!」というのがあるそうだ。「大丈夫か?」「準備はできているのか?」など、くどいほど何度も自分に言い聞かせるのだそうだ。その理由は、自らの気の弛みを未然に防ぐためだという・・・。やはり、超一流の人間はどこか違う。
 また、グループ学習の良いところは、意見交換を通して衆知を集めることができるところに妙味がある。お互いの思考性の違いに気づくことによって、切磋琢磨できれば最高である。
 経営においても、“自問自答”するときは二つの視点が大事だと思う。つまり、目的と手段である。先ずは、「Why?」や「What?」を自問することによって目的を明確にし、その上で「How?」を問い、具体的な手段を選択する。
 パラダイムシフトの時代は、時代を支配している価値観(物の考え方)が崩壊し、全体力(国家あるいは業界などの秩序)が低下するところに特徴がある。つまり、個々の独創性が問われる時代であるといえよう。自らの地頭をしっかりと鍛えるしかない。
 IGグループでは、仕事に関わるとき、「何のために(目的)」を必ず問うように心掛け、習慣化しようとしている。そこらから創意工夫のアイデアが生まれるからである。
 “自問自答”を習慣化し、考え抜く力を養いたいと思う。
 
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 30)廟算

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 30)廟算
 
2017年1月30日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-04)
 
廟算

 孫子の兵法書の一節に、次のような文章がある。
 「未だ戦わずして“廟算”して勝つ者は、算を得ること多ければなり」・・・。孫子の有名な「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」(計篇第一)という文章の前に、述べている内容である。
 孫子の一文は、いずれも深く考えさせられるものばかりである。その中でも、この行は、小生がもっとも肝に銘じているところであり、まさに経営の本質をついている内容である。
 組織のトップは、あらゆる意思決定の最終決断者であり、その責任を負う。私たちは、トップの判断ミスが組織を破滅させた例を新聞等に限らず、多く知っている。トップの深い思考力、考え抜く力の重要性を説いているのである。
 ここに、“廟算(びょうさん)”とある。“廟算”とは、祖先の霊廟での算である。古代中国では開戦の前に、戦勝祈願をかねて祖先の霊廟で作戦会議を開き、勝利するための計画を練っていたという。
 なぜ、廟での算なのか?これに対して、伊丹敬之教授は次のような解釈をしているが、示唆に富んでいる。「それは、“歴史に恥じない算”をせよ・・・。先祖に対しても、そして後世に対しても、恥じない算を徹底的に突き詰めること・・・」
 先ずは、歴史の流れ(時流)をしっかりと掴むことの大切さであろう。さらに、時代を支配している価値観(ものの考え方)とは何か、それがどう変化しようとしているのか、を見極めることの大切さであろう。「歴史に恥じない算」、“廟算”・・・、すばらしい言葉だと思う。
 先週(1月25~27日)、『全国経営者大会』(第125回)が帝国ホテルで開催された。
各界を代表する著名な講師陣が、「新たな時代を切り拓くために何をなすべきか?」について、様々な切り口で講演するのを聴いていた・・・。
 共通して言えるのは、「過去の延長線上に未来は描けない」というパラダイムシフトを意識しての課題への取り組みが多かったと思う・・・。新たな成長戦略をどう描くのか?その解は、「小手先のテクニックは通用しない。自分の頭で、とことん考え抜いた人が勝つ!」
 一言でいうと、“廟算”である。未来への選択は、徹底して自ら考え抜くしかない。歴史の流れ、時代を支配する価値観の勢力図を見極めて、大胆かつ繊細に、柔軟に発展の構想を描き続けること。
 「歴史に恥じない算」、“廟算”しよう!ぜひ、『将軍の日』へ!
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 23)数字

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 23)数字
 
2017年1月23日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-03)
 
数字

 今年は“数字”をしっかり意識して、仕事をしたいと考えている。
 そのために、新年早々であるが、以前から導入している経営分析ソフト「SPLEDID21」の有効活用を促進させるため、開発者である山本純子先生を招き、一日研修を行った。さすがに、この道一筋でやってこられただけあって、“数字”を捉えるセンスが光る・・・。
 このソフトは、「営業効率」「資本効率」「生産効率」「資産効率」「流動性」と「安全性」の分析指標を用いて、それらを「企業力総合評価」として一つにまとめ上げ、「経営の見える化」を実現している優れものだ・・・。
 弊社が提供したクライアントの分析事例を見ながら、「この会社の社長さんは凄く真面目な方ですね・・・」と一言コメント。「“数字”のどこを見れば、真面目だと分かるのですか?」という質問が飛ぶ。「だって、自己資本比率がこんなに高い会社って、ちゃんと税金を納めようという意識がある会社ですし、無駄遣いをしないですよね・・・」
 ある“数字”を捉えて、その会社の経営者の人柄や人間性にまで言及する視点は流石である。
 “数字”は、結果を客観的に表現する最良の手段である。その結果をどのように検証し、その後の経営に活かすかが問われるのであるが、“数字”の意味を読み取れない経営者が意外と多いのである。
 ここで一つ気を付けておきたいのは、“数字”を深く観る人がみれば、 単に“数字”による客観的な分析結果(「収益性」「安全性」「成長性」「活動性」などの良否)だけでなく、その“数字”ができるプロセスに関わった人たちの人間性(価値観)まで見抜かれてしまうという事実である。
 「決算書は、企業の顔である」と、よくいわれる。
 全体として“数字”のバランスがいい会社は、やはり独自の経営観がしっかりしており、社会への貢献性をつねに意識した経営を心掛けている。
 利益率が高い会社は、顧客との信頼関係が強く、「あなたの会社でないと困る」といわれるように、付加価値の高い事業領域をつねに目指している。
 また、生産効率がよく、生産性の高い会社は、社内の人間関係が良く、人材の育成も熱心である。
 決算書の“数字”を観るとき、その“数字”のテクニカルな分析結果だけに捉われ、判断するのではなく、そこに至る背景に経営者のどのような価値観が存在し、そうなったのかという経営の本質に迫る視点が大事だと考える。
   
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 16)一歩、また一歩

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 16)一歩、また一歩
 
2017年1月16日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-02)
 
一歩、また一歩

 また、“素晴らしい本”に出逢えた・・・。
 『一歩、また一歩』、東北のI 会計事務所50周年を記念して、創業者(大正9年生まれ)の歩んできた人生を綴った私本である。この本を通して、“素晴らしい人”に出逢えたという表現のほうが適切であろう。
 どんな逆境にあろうと、「人間には意志と行動の自由がある!」ということ、そしてその自由をどう使うか・・・。その一歩の選択は、その人自身の裁量であると、改めて感じさせられる内容であり、感動した。
 人生や仕事に限らず、何事もそうであるが、自らの意志で目標を定めたら、その目標に対して、先ず一歩を踏み出すことである。そして、その一歩、一歩の積み重ねが人生を創っていることは、誰もが自分自身の経験から分かると思う。
 人間は十人十色というが、それぞれが自分の価値観をもって生きている。読ませて頂いた本の一節に次のように書いてある。
 「先生のまじめさと熱意、ひとたび世話になった恩を決して忘れない義理堅さと恩返しの精神、自分の都合より他人の立場を尊重する考え方、おそらくお母さんゆずりの運命や不条理を耐える力、生来の性分とその後の人生で身につけ磨き抜いた人間力が、先生の生き方の基軸を形づくったものである・・・」
 “一歩、また一歩”と、目標を設定して前進する。その一歩が様々な経験を生み、その経験を検証し、活かしながら、次の一歩を選択し続ける。人間はそうやって、成長し、人格形成をしていくのであろう。
 やはり、基軸のぶれない生き方は、何か大きな成果を成し遂げようとするとき極めて重要であると、この本を読んでいてそう感じる。小生のように、専門的な知識や能力を手段としている専門家の人たちにとっては、とくに人格形成は大切である。
 卓越した才能はつねに称賛の的にはなるが、尊敬されるとは限らない。むしろ、別の問題であるといえよう。多くの人々に尊敬の念を抱かせるのは、その人の生き様であり、すぐれた人格であろう。
 小生が帰属している会計業界に限らず、どの業界においてもそうだと思うが、“一歩、また一歩”と優れた諸先輩方が積み上げてきた歴史があって、今の社会的な信用の基盤がある。そして、その恩恵に預かって、仕事に従事できていることに改めて気づかされた・・・。まさに、良書である。
 その恩に報いようとするならば、歴史をつくってきた諸先輩方の生き方から学び、“一歩、また一歩”と未来につなげるように、行動するしかないと思う。  
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 9)希望

”考える言葉”シリーズ(H29. 1. 9)希望
 
2017年1月9日(月)
”考える言葉”シリーズ(17-01)
 
希望

 “やすらぎ伊王島”(リゾート施設)に泊り込んで(1月7~8日)、IG会計グループの「平成29年度・行動計画発表会&新年会」を行なった。
 今年度は、『Next Innovation~次なる革新!』という中期ヴィジョン(H27~31)を掲げてから3年目に入る。それを受けて、今年のIG基本方針は『輝く未来をイメージしよう~跳躍力UP』である。
 小生は、発表会の冒頭において、以前に読んだ本の「世界を動かし、つねに躍動的にしているのは“希望”という名の精神力である」という一節を思い出しながら、次のような話をした。
 「今日という日は、一人ひとりが自らの“希望”を語り、ここに集うメンバー全員で“希望”という財産を共有し合う一日です。自ら掲げた目標は、世界をどう変えるのだろうか?それぐらいの気概をもって、熱く語ってもらいたい」と・・・。
 それを受けて、各部門や各個人の発表が始まる・・・。
 発表会のスケジュールは、例年通り、グループ全体の売上目標(ベース、増収、スポット)の確認を行い、次に各種委員会の活動方針と担うべき成果の発表。そして、各部門と各個人の目標へと移る。各人の発表の内容は、次のとおりである。
① 今年選んだ言葉(キーワード)
② 目指すべきゴール(定量目標)
③ 四半期ごとになすべきこと(達成すべき目標と手段)
④ 一年後のあるべき姿(定性目標、変化した自己のイメージ)
 今年の基本方針である『跳躍力UP』を受けてか、総じて各人の発表に「激しく成長したい!」という思いが伝わる内容であった。そうなると勿論、目標達成のハードルは高くなるが、失敗を恐れず、その経験を価値に変えるしかない。そのためには、自問自答のフィードバック・クエスチョンを定期的にきちんと行う必要がある。
 激しく成長するためには、過去の成功体験を捨てる覚悟が必要だ。つまり、ビルド&スクラップ(創造的破壊)を繰り返し、繰り返し、やり続けるしかないと考える。それができて、はじめて激しく成長できるのではないだろうか・・・。
 “希望”という言葉には、①望み(hope)、②願望(wish、desire)、③抱負(ambition)、④期待(expectation)、⑤要求(request、demand)という意味がある。物事をポジティブに考えて、生きようとする力が込められているような気がする。
 “希望”を心に描き、逆算思考で生きる。そして、跳躍力を大きくアップできる一年にしたいと、みんなの発表を聴きながら改めて、そう覚悟を決めた!
 
  
 Ja-BIG(JaBIG)@2017
 

”考える言葉”シリーズ(H28.12.26)システム思考

”考える言葉”シリーズ(H28.12.26)システム思考
 
2016年12月26日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-46)
 
システム思考

 「17年度予算案 最大97兆円」~構造改革なき歳出増・アベノミクスに綻び・・・。日経新聞(12月23日付の一面)の見出しである。
 「円安や超低金利の追い風に頼る短期主義(=目先の帳尻合わせ)で、大局的視野での構造改革がないまま、歳出だけを膨らませてしまったら、将来への不安は募るばかり・・・。長い目で次世代の安心を考えた構造改革へ取り組むべきだ」ということであろう。同感である。
 抜本革新つまり、発想の転換をやらない限り、新たな成長戦略は描けない・・・。これは、国も企業も個人も同じである。
 今、ある本の内容を思い出している。自らが帰属している業界の枠組み(システム)に捉われず、より大きな社会システムで起きている構造的な変化に目を向けて、自社の関わるべき役割をイメージしてみる。そうすると、今まで気づくことが出来なかった様々なアイデアが生まれてくるという・・・。
 日本全体における構造的な変化といえば、人口減少と同時に進行している超高齢化社会、それに伴う社会保障費の膨張などが思い浮かぶ。人口減少は、消費市場だけでなく労働市場の縮小を伴う。中小企業の人手不足はもっと深刻さを増してくるであろう・・・。そこから生ずる社会的な問題にどう対処していくべきかを思考する。そこから、個々の業界や企業の成長戦略が見えてきそうな気がする。
 「最強組織の法則」という著書のなかで、ピーター・センゲが提唱している“システム思考”は、まさに全体をみるための手法として有意義である。
 “システム思考”とは、「部分は全体の目的の中で機能を担い、他の部分と相互に影響しあう」という原理に基づいた考え方であるといえよう。つまり、目的思考であり、全体的思考であり、関係性思考なのである。
 例えば、超高齢社会の本質的な課題は、寝たきり老人が増えて、医療や介護の手間やコストはかかることだろう・・・。だとすれば、起きて、歩く元気な老人であれば何の問題もない。つまり、社会システムとして、健康寿命を延ばすためのアイデアや事業をみんなで考えるとよい。すると、元気な老人が働き手となり、人材不足が解消する。また、健康寿命サービスの消費者となる。企業の生産性は向上し、税収は増える。それを明るい未来のために投資すると、安心して子供を産んで、育てようとなる。人口が増えて、社会に活力が生まれる・・・。
 一例だが、“システム思考”で構造的な問題を捉えて、良循環の社会システムを構築すると、素晴らしい未来がイメージできる。人間の考える力に、万歳!
  
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.12.19)現状打破

”考える言葉”シリーズ(H28.12.19)現状打破
 
2016年12月19日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-45)
 
現状打破

 IG研修(幹部会の午前中に行っている価値観学習)で、発表担当者から“現状打破”というテーマで発表があり、その内容についてディスカッションを行った。
 「人類の歴史において、変革のための最初の組織が企業だった。・・・意図した変化としてのイノベーションだけが富を生む」(P・F・ドラッカー)
 それまでは、あらゆる人間集団と組織は、継続のためのもの。いまでも、変革のための組織は企業だけだという。ゆえに、企業はつねに“現状打破”を試み、イノベーションを行うことによって、新たな社会的価値の創造(富)に貢献し続けることを旨とすべきだと考える。
 ここで一つ問題が生じる。ドラッカーも指摘しているが、「企業もまた、他の組織と同じように人から成る」ということである。そして、人間は習慣の動物であり、継続を必要とするからだ。そこで、「変革と継続のバランスが、マネジメントにとって変わることのない課題となる」という。
 さて、“現状打破”という課題について考えよう・・・。
 組織を構成するメンバーは、人である。そして、人は安定と継続を求めたがる。「今でも十分食えているではないか・・・。何も、自ら変化というリスクを背負うようなことをあえてしなくても・・・」 そんな無言の抵抗を感じたとき、どうしたらよいのか・・・。
 「人はパンのみに生きるにあらず」という言葉がある。つまり、「目的・理想のために生きる。そして、生きるために食べる」のである。この目的・理想のために生きるというエネルギーこそが、“現状打破”への原動力となるのだ。
 「明日は必ず来る。そして明日は今日と違う」(ドラッカー)。現状維持はあり得ないのである。目的・理想を掲げ、つねに未来への働きかけを行っていなければ、どんな企業でも淘汰されてしまうのが、パラダイムシフトが起きている21世紀時代の特徴だといえよう。
 “現状打破”の精神を培うには、大局観が必要だ。それは、目的思考であり、全体思考であり、関係性思考である。
 自らが帰属する業種や産業というレベルの発想ではなく、社会システム(全体)における自社(部分)の役割という発想に立つと、現状に捉われない未来のあるべき姿が見えてきそうな気がする。
 「変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである」(ドラッカー)という名言がある。
 “現状打破”という自らの意思による変革こそ、継続のエネルギーである。

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.12.12)夫婦愛

”考える言葉”シリーズ(H28.12.12)夫婦愛
 
2016年12月12日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-44)
 
夫婦愛
 
 前回の“考える言葉”シリーズで「こだわり婚」について取り上げたが、新郎新婦に対する祝いの言葉でふれた“夫婦愛”について、考えてみたい。
 結婚して、新しい家庭を築き、人生を歩んでいくことになった二人に、先輩として餞(はなむけ)の言葉としてアドバイスをしたときの内容である。
 人は、まずは「好きだ!」という感情を抱き、一緒になりたいと思い結婚を決意する。しかし、「好き」という感情は移ろいやすいもの・・・。最初のうちは「あばたもえくぼ」というが、そのうち、「あばたはあばた」にしか見えなくなる。下手すると、お互いの粗ばかりが気になってしょうがないときだってある。
 そのとき、大切なことは相手の中に「尊敬」できるものを見つけるという行為である。尊敬の念というものは、自分に足りない価値を相手の中に見出すことであるから、お互いに補い合うという気持ちが生まれるものだ。
 ずいぶん前の『経営人間学講座』だったと思うが、「好き嫌いの感情だったら、近所の犬や猫にでもある。隣のポチが、誰それを尊敬しているなどという話は聞いたことがない」と。つまり、尊敬という念は動物レベルにはない、人間だけの特徴である。
 つまり、「好き」という感情的なレベルの“夫婦愛”を「尊敬」という精神的なレベルにまで高める必要があるし、それができるからこそ人間なのである。尊敬とは、その人の生き様に対する共感ではないだろうか・・・?お互いの人生の目的を語り合う時間をもつと、尊敬レベルの“夫婦愛”が生まれるのではないだろうか。
 そしてもっと大切なことは、「信頼」である。では、信頼とは何だろう?自分と相手を分けない、一つだと思えることだと思う。では、信頼の絆とはどのようにして生まれ、強まっていくのだろうか・・・。
 夫婦になると、夫婦であるがゆえに避けられない(運命共同体)、共有すべき人生体験に遭遇する。それは身近でいうと子供のことであったりとか、両方の親・兄弟のことであったりとか、その他様々なしがらみ・・・。
 その共有すべき夫婦としての体験を二人で受け止め、協力し合い、労わりながら乗り越えていくプロセスで、夫婦のとしての共通の価値観が培われていくものだ。そのときに、「夫婦は対である」という言葉が実感できる。それが、信頼の絆であり、究極の“夫婦愛”だといえるのではないか。
 仕事にも同じことがいえる。相手ができないことを代わりにやってあげると「好感」をもたれる。自分でやれるように指導をしてあげると「尊敬」されるようになる。相談を受けたときに親身に受け止めると「信頼」が生まれる・・・。

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.12. 5)こだわり婚

”考える言葉”シリーズ(H28.12. 5)こだわり婚
 
2016年12月5日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-43)
 
こだわり婚
 
最近の結婚式は、企画・演出力が凄い。
 あたかも、芸能界のそれを観ているような感じだ。一生に一度の晴れ舞台、勧められれば、その気になってもおかしくない。(間違いなく、そうするだろう!)
 職場結婚の若いカップルに招かれ、列席。挙式(約1時間)からはじまり、披露宴(2時間半)、そして二次会までセッティングされている。ベイサイドでロケーションが良く、若い世代にとって憧れの式場だという。
 最近の結婚式の特徴の一つでもあるが、仲人を立てず、いきなり新郎のウエルカム・スピーチから始まり、主賓の挨拶、乾杯の音頭と続く。二人の馴れ初めや自己紹介や小さい頃からのエピソードなどは、会場の大きなスクリーンに流れている。会場までの並木道には、二人の小さい頃からの写真がたくさん飾ってあった。また、会場で流す動画やアルバムなどの編集など、二人のそれまでの人生がきれいに整理整頓されていて、記念になると思う。どれぐらいの時間とコストをかけて、企画・演出をしたのだろうと、職業柄、気になるところだ・・・。
 ウエディングマーケットもご多聞に洩れず、成熟化し、独自性や多角化などの戦略をきちんと展開しないと厳しい状況にあるという。少子化等(非婚、未婚も含む)が進み、10年後には婚姻届出数は半分になると予測されているそうだ・・・。
 「売上=来館数×成約率×単価」であるから、「来館数」が減少する以上、「成約率」と「単価」を上げるしかない。そこで活躍をするのが、専属プランナーである。カップルの要望を聞きながら独自の挙式を企画立案する仕事だ。つまり、“こだわり婚”に対する提案である。
 以前に、某ハウスメーカーで自宅を建てたときのことを思い出した。営業マンに予算をいって、「その範囲内であれば建てたい」と話したら、予算通りの見積もりが出てきて、OK。問題は、その後である・・・。家の骨格ができて、外壁や内装に取り掛かるときに女性のコーディネーターを紹介される。そして、外壁で使う材料や内装の壁紙、キッチン・システム、照明器具やカーテンなどに対して、アドバイスを受ける。結果、アドバイスを受ける度に数十万ほど単価があがり、予算が500万円ほど増えたのを思い出した(結果、満足しているのであるが・・・)。営業マンのコーディネーターに対する気遣いが尋常でなかったので、その理由を聞くと、「私たちの仕事は成約率を高めることだから、どうしても単価を下げてしまい、利益貢献できないのです・・・」と。
 身内びいきでいうわけではないが、凄くいい結婚式だった。最初に届いた案内状からすべてに“こだわり婚”の成果が出ていたと思う。(永遠の幸せを!)
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.11.28)見切り

”考える言葉”シリーズ(H28.11.28)見切り
 
2016年11月28日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-42)
 
見切り

 先週(25~26日)、IG後継者塾(第5期②)を終えたばかりである。講師は、『最強の組織をつくる「5S」のススメ』の著者である戸敷進一先生。講義の中で、企業の生存率のデータがあったが、創業して数年も経たないうちに廃業に追い込まれる企業が意外に多いのに驚く・・・。
 「“見切り”千両!」という言葉がある。相場世界での格言・・・。含み損状態にある株式などは、反転を期待して持ち続けるのではなく、手放して損切りをすべきだという教訓である。
 経営でいうところの撤退の見極め、決断であろう。起業には将来を描く楽しさ、夢がある。だが、廃業の“見切り”となると、そう簡単ではない。元々、自分の意思で始めたことだし、それなりの勝算があったはず。失敗とは思いたくないし、利害関係者との調整や社員の生活、残される債務など・・・。苦しい中での後始末は、経験した本人でないと分からないものだと思う。
 すでに会長職にある経営者の方とお話をする機会があるが、「現役の当時を振り返ると、いろんな事業を手掛けたが、失敗ばかりだった。10に一つ成功できたかどうか・・・、だが、自慢じゃないが逃げ足だけは早かった」と。
 つまり、“見切り”の決断である。起業は思い付きでもできるが、廃業や撤退はそう簡単なものではない。しかし、失敗から学ぶことは貴重だという。チャレンジに失敗は付きもの、「廉恥を重んじ、元気を振るう!」(三綱領)という精神で、体験を次に活かすことである。
 “見切り”の哲学があるとすれば・・・。新規事業を始めるとき、成功のイメージを描くことは当然であるが、最悪の事態(撤退)を合わせて想定しておく必要があるという。そうなったときの“見切り”の条件を、前もって決めておくこと肝要だ。
 ① 背負えるリスクを事前に計算しておくこと(例えば、損失は1億が限度)
 ② 前もって期限を決めておくこと(3年で見通しが立たなければ撤退)
 ③ できる限り他人に迷惑をかけないこと(迷惑の許容範囲を見極める) 
 ④ 未練を残さないこと(日頃から全力を尽くしておく)
 ⑤ 見栄やプライドに縛られないこと(自分の気持ちに正直であること)
 ⑦ ソフトランディングできる状態をつくること(軟着陸)
 ⑥ ケセラセラ(いい意味での開き直り)
 “見切り”の先輩から教えて頂いた知恵である。もちろん、起業した以上はやり抜く覚悟は当然!その上での臨機応変さ・・・。無常の世の中である・・・。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.11.21)勉強

”考える言葉”シリーズ(H28.11.21)勉強
 
2016年11月21日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-41)
 
勉強

 学生の頃であるが、授業中に「君らは、“勉強”が好きか?」と数学担当の先生から
問われたことを思い出した・・・。
 その質問の意図に戸惑いつつ、曖昧に、無言のまま頷いていると、「好きな訳ないよな・・・。だってそうだろ?“勉強”って、“強いて勉める”と書くだろう?」「いいか、“勉強”は学生の本分だ!と心得よ!」
 「そうか・・・。“強いて勉める”か!」「学生である以上、好きだとか嫌いだとかの屁理屈をこねまわす前に、机に向かって“勉強”するしかない・・・」 妙に腑に落ちた瞬間だった。(その後、真摯にやり続けたかどうかは、疑わしいのだが・・・笑い)
 そんな以前の事を、なぜ今頃になって思い出したかというと、「中期5ヵ年計画」を作成するときに、「5年後の“あるべき姿”をしっかり描いてから、その実現のために何を為すべきかを逆算しましょう!」という話をしたら、「“あるべき姿”というよりも“ありたい姿”のほうが自然体でいいのでは・・・?」という意見を頂いたからである。
 「べき」なのか「したい」なのかの論議は、昔からずっと続いている問題である。「義務でやっていたのでは、モチベーションは持続しない。好きなことをやるからこそ、やり続けることができる」という意見である。確かに、一理ある主張だと思う。
 だが、この意見にも反論がある。一つは、人間は飽きっぽい生き物である。好きなことだから持続性が保証されるとは限らない。もう一つは、企業はゲゼルシャフト(=目的集団)であるから、個々人の「したい」よりも組織の「べき」が優先されるという考え方である。
 「べき」=義務で、「したい」=権利という図式で考える前に、「何のために」=目的という視点から考えるほうが、座りの良さを感じる。
 目的を掲げ、起業をした以上、その目的を達成することへの社会的責任が伴う。「その責任を全うすることこそ、われわれ企業人としての本分である」と考え、「強いて勉める」ことこそが、仕事であろうと思う。
 ある本を読んでいると、「目標を達成する人は必要か不必要かで判断するが、ダメな人は好き嫌いで判断している」とあった。要するに、自分の好き嫌いに捉われていたのでは、個人の限界を超越できないということであろう。
 「仕事の本分は、世のため、人のために尽くすところにある」と考えると、「仕事の成果を上げるために必要か不必要かという判断軸が生まれる」という。顧客の視点で考えてこそ、プロフェッショナルなのである。
 本分を全うできるように、“勉強”を心掛けたいと思う。

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.11.14)仕組み

”考える言葉”シリーズ(H28.11.14)仕組み
 
2016年11月14日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-40)
 
仕組み

 
“仕組み”とは、物事の組み立て、構造、企てをいう。
 何かを成し遂げようとするとき、モチベーション(ヤル気)の持続性が要求される。しかし、モチベーションというのは初動が一番高く、時間が経つにつれて逓減していく傾向がある。余程、意志の強い人であれば、別だと思うが・・・・・。つまり、属人性に左右されやすいのである。
 そこで、成果が出るまでやり続けることができる“仕組み”をつくることを提案したい。
多くの優れたビジネスモデルは、儲かる“仕組み”の提案であり、その持続性が一段と優れているのである。
 例えば、マネジメントでいうと「仮説(P)~実践(D)~検証(S)」の経営サイクルは「先見経営・先行管理」のベースをつくるための唯一素晴らしい“仕組み”だと考えている。ただ、この“仕組み”を使いこなし、自家薬籠中のものにするためには、それぞれの組織に馴染むように各自の創意工夫が必要となる。
 「仮説」においては、その実行可能性の検証を見極める“仕組み”が必要となる。次の「実践」においては、実行のプロセスをきちんと記録し、検証できる状態を確保できるような“仕組み”がいる。そして、「検証」においてはフィードバック機能が働く“仕組み”が求められるという風に、である。
 さらに、これら経営サイクルの“仕組み”を運用するプロセスに「目標管理システム」を導入すれば、主体的人材の育成が可能となる。(但し、これもその運用に創意工夫が求められる)
 「未来会計」という経営者の意思決定をサポートする会計の体系は、まさにそれらの“仕組み”を構築するためのサービス体系だといえる。
 モチベーションは属人的な要素が強いという問題があったが、“仕組み”も課題がある。それは、組織として“仕組み”を構築し、運用する以上、その“仕組み”を共有する人たちとの人間関係・コミュニケーションの良否に影響を受けざるを得なくなる。
 つまり、組織内部の関係性をいかに良好にするか・・・。「協働行為としての体系である」という組織の本質を、どう意識づけするか。一つには、組織における目的の共有(理念の浸透)を徹底できるかどうか。さらに、その目的に対し、個々人の貢献意欲をいかにして引き出せるかどうか。
 “仕組み”とは、何かを成し遂げるための手段である。それゆえに、組織リーダーは
「何のために、何を成し遂げようとしているのか」という目的を、熱く語り続ける必要がある。それによって、“仕組み”は絶大な効用をもたらすことになる。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.11. 7)わしづかみ

”考える言葉”シリーズ(H28.11. 7)わしづかみ
 
2016年11月7日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-39)
 
わしづかみ

 最近、書棚の整理をしながら、以前に読んだ本と再会し、再読することが多い。『歴史をつかむ技法』(山本博文 著)も、そうだ。
 表紙の帯にあるキャッチコピーが目を引く・・・。
 『この一冊で「日本史の流れ」を“わしづかみ!”単なる「知識」を超えた「歴史的思考力」を鍛える』と、ある。
 最近の歴史本ブームの背景には、「自分には歴史の素養がない」という欠損感があり、「学び直したい」という気持ちの表れが強いのだという。それは、私たちが学んできた歴史教科書が「最初に歴史を大きく俯瞰する部分がほとんどなく、いきなり原始時代の記述から始まっている」ということが、その原因だという。
 要するに、知識偏重が過ぎて、その知識を活かすための思考法(「考え方」や「ものの見方」)が置き去りにされているのだろう。断片的な知識にとらわれ過ぎて、歴史の大きな流れを理解できていない・・・。流れを“わしづかみ”するという表現は、適切であるかどうかは別として、面白い!
 先日、IGグループにおいて全体合宿(2泊3日)を行った。中期ヴィジョンの見直しがテーマだった。組織としての中期ヴィジョンは明確であり、『Next Innovation~次なる革新!』であり、もっと端的にいうと世代交代である。
 今回、合宿に参加するメンバー一人ひとりに、『自らが理想とする事務所像』について事前アンケートを実施した目的は、まさに、組織全体を覆う、大きな意識の流れを“わしづかみ”したかったからだ。
 つまり、全体の構成要員である一人ひとりが、どんな意識をもって仕事をしているのか、それは全体の大きな流れのなかに収まっているのかどうか、この時期に確認をしておきたかったからである。つまり、全体を“わしづかみ”し、意識の統合を図っておきたいと思ったからである。
 経営とは、「組織としての戦い」であると同時に、「変化・環境との戦い」であるという。歴史が時代の大きな流れのなかで動いているのであれば、その時代をつくる特有の価値観を“わしづかみ”しておくことも大切である。(著者は、「時代の観念」「時代の正義」と表現している)
 全体をざっくりと捉えてから、部分との関係性を考える。これは、いつ何時においても大切な思考法であるが、とくに、今日のように環境の変化が激しい、自己変革の時代においては、重要な心得であるといえよう。
 全体を俯瞰し、“わしづかみ”する。そんな一日を、心掛けてもちたいと思う。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.10.30)人間力

”考える言葉”シリーズ(H28.10.30)人間力
 
2016年10月30日(日)
”考える言葉”シリーズ(16-38)
 
人間力

 
「IG中期ヴィジョン」を描くための合宿(2泊3日)を行うにあたり、事前アンケートを実施した。アンケートの内容は下記の通り。
 「どういう事務所であって欲しいか?」つまり、「私たちは何を目指し、何のために頑張るのか?」についての問いである。
 アンケート結果をまとめると、表現に違いはあるが要約すると、次に対する要望が圧倒的に多かった。
 「働きやすい職場」
 「働きがいのある職場」
 「成長できる職場」
 中でも、「成長できる職場」環境を望む声が一番多かったと思う。じゃ、具体的にどんな環境であれば、人間は成長できるのであろうか?
 ① 独自な経営観が確立されており、目的が共有できている職場
 ② 多士済々な人材がいて切磋琢磨し合える職場
 ③ つねに新しいことへチャレンジし、革新的である職場
 ④ 成長し続けている職場
 ⑤ 目標管理が徹底しており、主体性が育つ職場
 ⑥ 価値観教育ができている職場
 ⑦ 人間関係が良好で、生産的な職場
 ⑧ 人材の定着率が高く、知識や経験の伝承ができる職場
他にも、成長を促す環境要因はたくさんあるだろう・・・。
 問題は、その職場環境を活かすことができる“人間力”が個々人に備わっているかどうかが問われると思う。同じ環境にありながら、やはり個人間の格差がつねに生じるのである。
 自己成長するためには、次のような“人間力”を培う必要がある。
 ① 飽くなき探求心(好奇心旺盛)
 ② 未来志向(あるべき姿からの逆算、価値ある目標設定)
 ③ 相手本位(貢献意欲) 
 ④ 素直さ(上司や同僚から好かれるタイプ)
 ⑤ 主体性(つねに自分の影響力を考え、自己責任が強い)
 ⑥ 自他非分離の価値観(出逢った相手は自分)
 あるべき姿を描き、つねに“人間力”を鍛え続けたいと思う。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.10.24)あるべき姿

”考える言葉”シリーズ(H28.10.24)あるべき姿
 
2016年10月24日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-37)
 
あるべき姿

 自社の“あるべき姿”を明確に描くことの重要性が一段と高まってきているような気がする。(拙著『社長、経営はぜんぶ未来からの「逆算」でやりましょう』も、この事を強調しているのであるが、好評のようである・・・。感謝!)
 “あるべき姿”とは、ヴィジョン(将来像)と置き換えてもよいが、社長の思いであり、夢や志を具体的に描くことである。もちろん、その思いの根本に経営に対する理念や目的、人生の哲学があることはいうまでもない。
 毎年この時期、IG会計グループは次年度の行動計画書を作成する合宿(2泊3日)を行うようにしているが、今年は各分社・部門ごとの“あるべき姿”を徹底して描く3日間にしようと思っている。
 その理由は、IGグループの事業承継を前提に、昨年から中期ヴィジョンに『Next Innovation~次なる革新』を掲げて、新たな成長戦略のスタートを切っているのであるが、それを達成した暁の具体的なイメージが、今一つ具体的なものとして、みんなで共有できていないような気がするからだ。
 創業以来30数年、小生も含め主たる幹部たちが存在しなくなった後の経営体制をイメージすることは、口でいうほどに容易ではないと思う・・・。だが、それを鮮明に描かない限り、『Next Innovatin』は画餅となってしまう。
 そこで、少し趣向を変えようと思った。今まで、中期ヴィジョンや年度基本方針については、トップである小生が決めて発表し、その趣旨の説明をして、各分社・部門の行動指針や個人目標へ落し込んでもらっていたが、今回からは一人ひとりに“あるべき姿”を描いてもらおうと思っている。
 つまり、「どういう事務所であって欲しいのか?」「自分たちは何を目指し、何のために頑張るのか?」という問いを自らに投げかけ、先ずは考え抜いてもらう・・・。そして、「それは他の人たちと何が違うのか、または同じなのか?」「また、分社・部門の“あるべき姿”と比べて、どうなのだろうか?」と問うてみよう。
 全体(組織)と部分(個人)との間にトレードオフが生じていないだろうか?もし、生じているとすれば、何が原因なのだろうか?
 組織は個人の集合体である以上、様々な個性があって当然である。またそれが、多様性の妙を創り出し、シナジーが生れる。多様な個性があるからこそ、衆知を集めることの価値が生れるのだ。
 各人の“あるべき姿”を明確にして、それらを統合する重力の存在を改めて、確認できる合宿にしたいと考えている。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.10.17)画餅

”考える言葉”シリーズ(H28.10.17)画餅
 
2016年10月17日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-36)
 
画餅

 “画餅”とは、絵に描いた餅のこと。要するに、絵に描いた餅は食えないので、役に立たないという意味である。
 もう30年以上も前の話であるが・・・。ある社長に経営計画をつくることの重要性について力説していたら、「熱心に進めてくれるのは有り難いが、所詮、絵に描いた餅・・・。以前にも高いお金を払って、あるコンサルタントにつくってもらったことがあるが、その通りいかず、無駄だった・・・」と一言。
 IGグループは、平成8年9月から『将軍の日』と呼ぶ『中期5ヵ年計画立案教室』を月に2回開催し続けているが、去年一昨年からは、ほぼ満席状態が続いており、盛況である。
 過去の延長線上に未来が描けないという時代(パラダイムシフト)のせいもあると思うが、格差社会という厳しい経営環境のもと、マネジメントの質が問われることへの不安、自覚もあるのだろう。業界丸ごと儲かるという時代でないことは確かである。
 「マネジメントの質は、目標設定の良否で決まる!」というのが小生の持論。経営の成果を出したければ、「自らの手で未来を創る!」という社長の覚悟が必要である。その覚悟に基づいて、そのために何をなすべきかを明確にして、実行のプロセスをシナリオ化したのが経営計画である。
 その経営計画が、“画餅”にならないようにするために心掛けるべきことが3つある。
 ① 計画の作成を他人任せにしないこと
 トップの思いや意思、主体性が、周囲の人を動かす力になるのである。丸投げしたら、“画餅”になるのは当然である。
 ② 数字の遊びにしないこと
 金融機関などの支援を当て込んだ帳尻合わせや過去のデータを分析して予測するような数字では意味がない。自社の思いを実現するために必要な利益、資金、自己資本の観点から、きちんと数字を固めることである。
 ③ 現場に落とし込んだ行動計画であること
 「誰が?」「何を?」「いつまでに?」「どのように?」に行うか、具体的なアクション・プランを立て、組織一丸となって取り組む体制づくりが大切である。
 元来、経営計画を作成するということは、自らの手で未来を創ることであり、運命を共にする人々と未来を共有することなのである。ゆえに、“画餅”にしてしまうこと自体が可笑しいと考えたほうがよい。
 経営計画作成のお手伝いを通して、多くの社長と出逢い、それを実感している。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.10. 3)実行

”考える言葉”シリーズ(H28.10. 3)実行
 
2016年10月3日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-35)
 
実行

 
前回の“考える言葉”シリーズ(16‐34)で、「結果目標は外部環境からの制約に左右されやすいので、自らの意思で自由にコントロールできる行動目標(=やるべきこと)をはっきりさせておく必要がある」という風に述べた。
 そこで、さらなる問題が生じる・・・。「行動目標を明確に掲げたにも関わらず、それを“実行”しない、できない者が出てきたら、どう対処すればいいのか?」という問題である。(成程、とうぜん起こり得ることだ・・・)
 先ずは、人材の育成が大きな鍵になると考える。弊社では、「IG式目標管理システム」を用いて、一人ひとりが自らの業務目標を設定し、その進捗や“実行”を自ら主体的に管理できるようにしている。つまり、自らの仕事に責任をもって行動できるよう、主体性を養うことができる環境を整えている。
 それでも、自ら責任をもって“実行”できる人が育つには時間を要するものだ。目標管理の考え方や手法を身につけ、習慣化できるまでの間、どうしたらいいのだろうか?
 そこで次に求められるのは、やはり、トップあるいは幹部の強烈なリーダーシップであろう。
 では、リーダーシップが発揮される基本条件を考えてみよう。少なくとも、次の3つの要件を満たす必要がある。
 ① 自社の理念・目的に対して信念をもって、熱く語り続けることができているか
 経営計画を作成するプロセスを共有し、理念・目的やビジョンならびに戦略を描き、ベクトルを合わせる。
 ② 目標管理を通して、メンバーに正しい動機づけと啓発ができているか
 メンバーの価値観に訴えながら、仕事へのロイヤリティを高めていくようにする。目標管理の本質を理解してもらう。
 ③ コミュニケーションの機会を密にする
 人心の統合を図り、組織の結束力を高める。「仮説~実践~検証」のサイクルを確立させるなかで、不断のコミュニケーションを培う。
 また、リーダーが傍観者でいるかぎり、“実行”はおざなりにされてしまうことが多い。リーダーが先頭に立ち、率先垂範してこそ、メンバーは奮い立つ。また、リーダーは、メンバーに自信が芽生えるまで伴走を怠ってはならない。
 達成感の共有こそが、“実行”のモチベーションを高める唯一の要因だと考える。みんなで、“実行”から生まれる価値を共有しよう!
 
Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 9.26)目標設定

”考える言葉”シリーズ(H28. 9.26)目標設定
 
2016年9月26日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-34)
 
目標設定

 
“格差”が、あらゆる局面で社会問題となっている。かつて、一億総中流社会といわれていた頃からすると、隔世の感がする。
 企業経営においても、“格差”は常態であり、さらに広がり続けている。業界丸ごと儲かるような仕組みは、すでに壊れてしまい、一人勝ちする企業が出てくると同時に、淘汰を余儀なくされる企業も出てきている。
 同じような環境に身を置きながら、なぜ“格差”が生じるのだろうか?企業間においては一言でいうと、マネジメントの質の差だといえる。では、その質の差は、どこから生じるのであろうか?小生は、目標設定の良し悪しだと考えている。
 正しく経営をしようと思うならば、自らの目的や目標を明確に定めることは必要条件である。つまり、目標設定ができていないということは論外だと考える。問題は、設定した目標の良し悪しである。
 例えば、全社目標を定め、それを各部門や個人へと役割分担化していく。そのときに、各部門や個人の自ら達成すべき目標は誰もがちゃんとつくっている。問題は、各部門や個人間相互の関係性に対する目標が欠落していることが多い。つまり、①他部門等の目標達成にどのような貢献ができるかという目標や、②自部門の目標達成に対して他から貢献してもらいたいという目標が、言及されていないことが多い。相互の関係性が重要視される今日的環境においては致命的な問題である。
 また、こんな問題もある。「今期中に、×××を達成したい!」という目標を立てたとしよう。これは結果目標である。そのために「毎日、×××を必ず実行する」という行動目標が必要となる。意外と、この行動目標が具体化されていないことが多いのである。結果目標は外部環境から制約を必ず受けることになる。自らの意思で自由にコントロールできるのは行動目標のみである。
 これら2点は、“目標設定”のときに十分に考慮すべきことである。
 さらに、経営の現場では必ずトレードオフが生じることも念頭において“目標設定”しておくべきである。
 ① 利益とのバランス(「売上を最大に、経費を最小に!」という考え方)、② 現在と未来のバランス(設備投資と回収期間など)、③ ほかの目標とのバランス(二項共存関係の考え方)
 ざっと考えてみても、“目標設定”対しての意識レベルの差が認識できよう。その差が、そのままマネジメント力の差につながり、格差の原因となっているのである。
 ぜひ、“目標設定”に衆智を集めて頂きたいと思う。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 9.19)守破離

”考える言葉”シリーズ(H28. 9.19)守破離
 
2016年9月19日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-33)
 
守破離

 『IG後継者育成塾(第5期)』がスタートした。
 一期2年なので、この企画がはじまって9年目に入ったことになる。今回も、15名(定員)の参加者があり、実に有難いと思う。継続は力というが、多少ながら、ブランド力が培われてきているような気がしている。
 人が道を究める、上達の極意として“守破離”という3つのステップがあるといわれている。ネットで調べてみると、「守り尽して、破るとも、離るるとも、本ぞ忘るな」という千利休の言葉が語源だという。また、室町時代の世阿弥の「風姿花伝」に出てくる能を究める極意「序破急」によるという説もあるそうだ。
 “守”とは、基本を忠実に身につける段階をいう。素晴らしい師匠に出逢い、その流儀を完全にマスターできれば最高である。その時、大切なことは謙虚と素直さ。分かったふりをせず、すぐ師匠に素直に聞いてみることである。有名な同業者が、「うちの事務所は“ハイ”と“イエス”しかない」と話していたが、この段階での学ぶ姿勢をいっているのだと思う。白紙の状態で居れるか・・・。
 次に“破”とは、仕事に創意工夫を重ね、自分流をつくりあげていく段階である。ここで大切なことは、傲慢や慢心に陥らないことである。税理士として駈け出しの頃である。顧問先の経営にとって良かれと思い、自説を滔々と述べていると、「それって、あんたの上司に相談した結果なのか?」と問われ、そうじゃないと答えたら、「良く、上司に相談してくれ」と一言・・・。人は、内容ではなく、誰がいったのかで、安心しているのである。虎の威を借りる重要性を知り、「うちの所長が・・・」と前置きしていうと聞き入ってくれたのである。そのうち、「あんた自身はどう思う?」と聞かれるようになったことを覚えている。自分流が認められて、はじめて“破”である。
 そして“離”とは、師匠から離れ、自分流を世に問うときであろう。後継者でいうと、引き継いだ会社の抜本革新を断行し、第二創業を始めるときである。先代から継承した事業を、次元を変えて成長させていくことが問われる。この時に大切なことは、「不易流行」の見極めである。そして、時流を捉えて、自らの強みをどう生かしていくかであろう。
 “守破離”は、上達の極意だという。3つのステップ(守~破~離)を踏みながら、道を究めていくのであるが、私流にいうと逆算したらどうだろう。つまり、“離”の構想を先にイメージしておく。
 来るべき時のあるべき姿(離)を描き、現状との差を捉える。その差を埋めるために何をなすべきか(守と破)を考える。未来からの逆算である。
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 9.12)没頭

”考える言葉”シリーズ(H28. 9.12)没頭
 
2016年9月12日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-32)
 
没頭

 仕事に“没頭”できている時って、最高に幸せだと思う。迷いとか、苦しみと全く無縁の世界が、そこにある。
 周囲の人からみると、「そんなに忙しく飛び回っていて大丈夫だろうか?」と気になるほどの働きぶりであるが、本人は極めて元気!睡眠が十分であろうとなかろうと、頭は冴えているし、身体も軽いのである。
 没頭している時って、恐らく、別の次元に舞い込んでしまっているのであろう・・・。不都合な出来事はぜんぶ、自分を避けて通るような感じなのだ。周囲の状況まで、自分に味方してくれそうな・・・、最近、そう感じるような出来事があった。
 先月お盆明けの事だが、どうしても外せない用で、上京を予定していたのだが、関東地方へ台風が上陸。朝から欠航が相次いでいたが、小生が予約した便だけが調整中という。取りあえず、空港へ行き、待機していたら、この便だけが飛び、その後の便もすべて欠航という。
 「運がいい!」と言うしか、いいようがないのだが・・・。
 その一週間ほど前の話であるが、逆もある。少し、働き過ぎだということで休息をとろうと、郊外のリゾート地で4~5日ノンビリを決め込み、ゴルフをしたり、読書やカラオケしたりで寛いでいたのだが、家に戻るとわき腹に違和感・・・、帯状疱疹だという。
 休暇をとらずに、仕事に“没頭”していたら、恐らく病にならなかったのではないかと勝手に思い込んでいる。(笑い)
 確かに、仕事に“没頭”しているときは、迷ったり、悩んだりする暇がないのである。暇をつくるから、心に隙ができて、余計なことを考えてしまう。人に勧めていいものかどうかは別として、片付けるべき仕事があるときは、それがどんなにボリュームがあったとしても、その仕事に“没頭”したほうが賢明だ。特に経営者にとっては、「結果だけが唯一の妙薬だ!」と思うからだ。
 では、仕事に“没頭”するコツみたいなものはあるのだろうか?
 経験上、一つ言えるのは、自分の仕事を好きになることである。人間は自分の好きなことには、時間が経つのを忘れてしまうほどに“没頭”する。最初は与えられた仕事でも、毎日毎日、創意工夫を重ねながらしていると、新しいアイデアが生まれ、試したくなるものだ。自らの向上心が、さらに高まってくる。
 とに角、受け身で仕事をしないように心掛けることが、“没頭”するためには大切だと思う。目標管理の徹底は、日々、自分がなすべきことが明確にできるので、“没頭”に最適な手段だと考える。
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 9. 5)環境

”考える言葉”シリーズ(H28. 9. 5)環境
 
2016年9月5日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-31)
 
環境

 “環境”と価値観の関係性について考えてみたい。
 価値観とは、「思考の枠組み」のことである。人間には、人それぞれの価値観がある。十人十色、まさにその通り・・・。
 面白いことに、価値観は人そのものに備わっているだけではなく、時代には時代の、地域には地域の価値観があるのだという。だから、同じ日本人でありながら、江戸時代に生きていた日本人と、現代を生きている日本人では、同じ日本人でありながら、かなり考え方というか常識が違う・・・。また、九州と東北では、やはり違う。
 なぜ、そうなのだろうか?もちろんそれは、生まれ育った“環境”が違うからである。つまり、人はみな、“環境”からの影響を受けて生きている。そして、その出逢った“環境”によって身につけた価値観を自分の物差しとして、物事を判断し、選択しながら生きている・・・。
 人間は、歳を重ねる度に、様々な“環境”との出逢いを体験する。だとすると、「自分が信じている今の価値観は、いつどこで、どんな出逢いの影響を受けて、身につけたものだろうか?」 「今の自分に最もインパクトを与えた要因は何だったのだろうか?」
しかし、改めて聞かれると答えに窮するのではないだろうか。
 人生には節目がある・・・。進学、就職(転職)、結婚(離婚)等など。そんな人生の転機となる体験やそのプロセスの中で、どんな影響を受けて、私たちの価値観は形成されてきたのだろうか。また、多くの読書やセミナー等の勉強会、絵画や音楽の鑑賞、宗教等との出逢いも価値観の形成に大きな影響を与えているように思える。
 このように様々な“環境”との出逢いをベースに、今の価値観が形成されてきたのであろう・・・。ただ、私の場合は、仕事という“環境”からの影響が一番大きいという確信がある。その影響力は今でも大きく、今なお日々、価値観の成長を実感している。
 仕事とは、「仕」も「事」も「仕える」と読む。そこに、仕事の意味がある。今や死語に近いが、「滅私奉公」という言葉がある。昔は、働く者の倫理・道徳として広く語られ、価値観の形成に強い影響を持っていたようだ。仕事の本質を捉えた言葉だと思う。
 仕事を与えてくれる“環境”に貢献するためには、“環境”が求めているもの、需要をしっかり掴むことが重要だ。自らの価値観に捉われずに、“環境”の声に耳を傾けてみよう。“環境”が真に求めているもの、その変化などが聞こえてきそうな気がする。
 ビジネスの成功は、“環境”から必要とされている仕事を開発した者によって、享受されるものだ。元々、“環境”から授けられた価値観、環境の進化に貢献できてこそ、その成長も約束されるものだと考える。

  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.8.29)行動

”考える言葉”シリーズ(H28.8.29)行動
 
2016年8月29日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-30)
 
行動

 「
人間は一本の葦であり、自然のうちでもっとも弱いものにすぎない。しかし、それは考える葦である」(『パンセ』パスカル著)。
 あまりにも有名な、パスカル(1623-1662)の言葉である。宇宙という広大無辺な自然の中で、ほんの一点にすぎない存在・・・。だが人間は思考によって、宇宙を包み込める存在でもある。
 創業の当初、経営者に参加して頂いて、『葦の会』という勉強会を主催していたことを思い出す。経営者は考える人であり、つねに考え抜いて経営の舵取りをすべきであるという趣旨であったと思うが・・・。また、“考える言葉”シリーズも、その流れから生まれたネーミングである。
 昨日のIG幹部会で、思考と“行動”について次のような話をしたことを反芻している。
 「私たちは、つねに思考して、“行動”することを旨としている。しかし昔から言行一致あるいは知行合一の大切さが繰り返し言われているように、思考と“行動”を合致させることはそれほど難しい・・・。そんなとき、どうすればいいのだろうか?」
 何故か?考えるに、私たちは自らの思考を思うように自己管理できないのではないか。「こうしようと決めた矢先に、他にもっといいやり方が・・・」と迷いが生じ、望むように考えることができないのである。
 人間は、また感情の生き物である。喜怒哀楽という感情は、思考ではコントロールできないものである。哀しいときに、なぜ哀しいのか?考えても、哀しさから抜け出すことはできない・・・。気分が落ち込んだ時に、いろいろ考えても堂々巡りをするだけで解決の糸口さえ見いだせない時がある。
 世にいう優れた経営者って、思考と“行動”のスイッチの切り替えがうまい人ではなかろうかと、ふと思う。
 松下幸之助さんの「やってみなはれ!」という言葉は有名である。いろんな解釈はあると思うが、要するに“行動”には必ず結果が伴う。やってみて初めて分かることだってたくさんあるという事だろう・・・。それに、思考と違って、“行動”は一歩踏み出せば思い通りになるものである。
 チェンジ・オブ・エアという言葉があるが、海外に出ると開放的な気分になって、日常のしがらみがスッーと消えてしまい、大胆な発想が浮かび、いくら考えてもまとまらなかったことが見事に整理できた経験って、誰にでもあると思う。
 先送りするぐらいだったら、まず“行動”をしてみよう!“行動”すれば、必ず結果が出る。そこからまた思考してもいいのではないだろうか。
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 8.22)目利き

”考える言葉”シリーズ(H28. 8.22)目利き
 
2016年8月22日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-29)
 
目利き

 「世に伯楽有り、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常に有らず」 (韓愈「雑説」)という諺がある・・・。簡単に解説すると、「千里を走る名馬がいたとしても、それを見抜く人(伯楽)と出逢わなければ、駄馬のままで終わってしまう」ということであろう。
 日本の企業の99.7%は中小企業である。今その7割が新たな成長戦略を描くことができずに、赤字で苦しんでいるという。かつて、業績がよく、税金対策に苦慮していた多くの中小企業経営者を知っている者にとって、にわかには信じがたい状況である。
 バブル経済が崩壊して25年は経つ・・・。確かに、様々な要因があって経済環境は激変した。しかし、日本の中小企業を取り巻く社会的インフラの質は、諸外国のそれと比較しても見劣りしているわけでもなく、むしろ優位性は高いのではないだろうか・・・。では、なぜ停滞からの脱却ができないのか?
 伯楽とは、“目利き”のことである。ひょっとしたら、現在の中小企業がもつ事業性の
高さを正しく評価できる“目利き”がいないのではないか・・・。
 昨年、金融庁が公表した「金融行政方針」(森信親長官)は、その辺を意識してのことだろう、「地銀が担保や保証ではなく、取引先の事業内容や将来性を見極めるように求めている」、いわゆる「事業性評価」である。(「捨てられる銀行」講談社)
 かつては、銀行には外回りの人たちがいて、中小企業の現場に赴き、いろいろなヒヤリングをしながら、決算書等では知ることができない社長の価値観や将来への思いを聞きながら、その企業における事業の将来性を“目利き”していたように記憶している。そんな銀行が少なくなったという。
 小生は、中小企業の経営者そのものが“目利き”であるべきだと思う。
 業界ごとに儲かる仕組みがあって、走るべきレールが敷かれていた頃は、能力や経験さえ積めば、それでも成果は出せたのかも知れないが、今は違う。独自性を発揮できない企業は淘汰されてしまう時代である。
 “目利き”とは、二つの思考性が問われるのではないだろうか。一つは、普遍性。物事の本質を見極める真贋力・・・。その人の価値観(物差し)のレベルである。
 もう一つは、洞察性。経営環境の変化や時流を読み取り、自らの強みを発揮できるドメインを見極め、進むべき進路、つまり戦略の指針・方向性を見定めていく思考力だといえよう。
 日本の経営資源は、いまでも、他国と比較しても決して見劣りしないどころか、優位性があると考える。問われるは、トップリーダーの“目利き”であると・・・。
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.8.8)歴史は動く

”考える言葉”シリーズ(H28.8.8)歴史は動く
 
2016年8月8日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-28)
 
歴史は動く

 先週末(5~6日)、NN構想の会主催『第15期・新ビジネスモデル研究会(NBM)』の最終講を終えたばかりである。期を重ねるごとに、若い会計人や女性会計人の参加者も増えて、場の活力がパワーアップしているように感じる。
 NBMとは、「我々会計人は社会的インフラである!」という自覚のもと、その役割を担うために何をなすべきか・・・。激変する時代のニーズに適応し、自己変革するために何をなすべきかを研究し、実践可能な新しいビジネスモデルの習得を目的とした学習組織である。
 税理士業界は、戦後のシャウプ勧告に基づいた自主申告納税制度の社会的インフラの担い手として役割を全うし、60年以上もの間発展してきた・・・。その制度会計というパラダイムから脱却し、マーケットインの発想で会計人の仕事を捉えなおしたらどうなるのであろうか・・・。
 日本の企業の99.7%は中小企業である。その7割が新たな成長戦略を描くことができずに、赤字で苦しんでいるという。もし、我々会計人が企業の成長戦略を描くお手伝いができて、赤字を黒字に転換する役割を担うことができたら、こんな素晴らしい仕事はないのではないだろうか?
 IG会計グループでは、20年以上も前から、私たち会計人の強みである会計という専門知識を、単に税務署へ申告するためのものではなく、経営者の意思決定をサポートするための会計として捉えて、実践を積み上げてきた歴史がある。
 そのサービスの領域を未来会計と称し、その領域を深耕するためのビジネスモデルをMAS監査と呼んでいる。
 2年前、 その推進・普及のために設立したコンサルティングファームがJa‐BIGである。(全国の有志・50会計事務所が共同出資をし、未来会計を事業化することによって、中小企業の存続と発展をサポートすることを目的としているネットワーク型の組織である)。
 “歴史は動く!”、目的を持った日々の活動が歴史をつくる・・・。そのために必要なのが「学後の実践」である。
 NBMで習得した知識を、現場で実践する。それによって業界の景色が変わる。
 「会計事務所は過去を語る所ではなく、未来を語る所である。すなわち、会計人は“未来人”である」、そう受け止められたとき、“歴史は動く”のであろう。
 未来会計を提案することによって、「御社の未来を担いたい!」「赤字は必ず解消できる!」とコミットしたい。ぜひ、ご相談を!
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 8. 1)体験

”考える言葉”シリーズ(H28. 8. 1)体験
 
2016年8月1日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-27)
 
体験

 
私たち人間は、いろんな“体験”を積み重ねながら成長する。“体験”は、その意味において、成長に欠かせないものである。
 だが、“体験”がそのままその人の成長へつながるとは思えない。なぜなら、多くの“体験”を重ねたからと言って、他の人よりも成長できているとは言えないし、同じ場にいて同じ“体験”をしていながら、その“体験”を活かして成長する人もいればそうでない人もいるからだ。
 では、“体験”を自らの成長につなげる人とそうでない人との差は、何から生まれるのであろうか?
 一言でいうと、その“体験”に対して、深く検証できているかどうかである。いくら“体験”をしても、その後に深く思考することをしなければ消化不良を起こすだけで、血肉にはならない・・・。つまり、その人の価値観の形成に何ら役に立っていないのである。
 企業で行う目標管理も同じである。「あるべき姿」を描き、「現状」との差を捉え、その差を埋めるために何をなすべきか、目標を設定する。つまり、「仮説(Plan)~実践(Do)~検証(See)」の経営サイクルを導入したとしても、うまく機能しているところもあれば、そうでないところもある。
 やはり、“体験”のあとの検証が拙いのである。
 どんなに時間をかけて立派な経営計画を立てたとしても、その仮説の実行可能性の検証がなされてない限り、実践でつまずく。仮に実践ができたとしても、そのプロセスの記録がなく、検証できなければ、次の仮説へのフィードバックができず、経営サイクルが機能しなくなるのである。つまり、“体験”から何も学べず、何も身につかないのである。
 まして今や、過去と未来が繋がっていない時代である。単に、テクニカル的な成功“体験”だと、未来の失敗の原因となる。むしろ、捨てなければならない・・・。ここでいう、
捨てるとは「次元を変えて活かす」という意味で捉えてみたい。
 つまり、“体験”の枝葉末節的な要素(ハウツー的な知識や経験のレベル)ではなく、本質的なものの見方や考え方といった要素(自己の人生の目的そのものに影響を与えるような思考のレベル)で捉えられるような思考である。
 自らの“体験”を通して、自らに問うべきは「この“体験”は、自らの価値観にどのような変化をもたらすのであろうか?」である。
 価値観とは、自分自身の生き様である。それがまわりの人々の生き方にどんな影響を与えてきたのだろうか?それは、“体験”によって進化したのだろうか・・・?
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 7.25)自分事

”考える言葉”シリーズ(H28. 7.25)自分事
 
2016年7月25日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-26)
 
自分事

 
「日本の課題先進地から」というテーマで、鈴木直道氏(北海道夕張市長、35歳)へのインタビュー記事が掲載されていた。(朝日新聞7月23日付)
 10年前に財政破綻した夕張市は炭鉱で栄えた町・・・。最盛期の1960年に12万弱いた人口は、いま8千人台。高齢化率は49%(ちなみに国は26.7%)だそうだ。驚かされる数字であるが、まさに日本の課題を先取りした「先進地」なのである。
 人口減少は、確実に公費負担増かつサービス減につながる。「行政サービスは空気のように、そこにあるのが当たり前。濃度が薄くなると突然苦しくなり、存在がなくなると生命の維持すら難しくなる」という。他人事として捉えず、「自分たちのお金という、コスト意識持ってもらうこと・・・」、つまり“自分事”という意識を持ってもらうところから始めるしかないという。
 “自分事”とは、当事者意識と置き換えてもいいと思うが、つい最近のIG活動でテーマとしてあがった「主体性」として、その意味を考えたほうが、より意味合いが深くなるような気がする。
 何事にも、“自分事”として関わるためには「主体性」をもつ必要がある。つまり、自分自身の存在の意義と価値が明確にできているがどうか。さらにその上で、共有すべき場に対する貢献と責任ある行動であろう。
 日本の課題先進地として、夕張市・・・。人口減少問題は、日本のあらゆる地方における共通の課題であり、共通の未来である。すでに、人手不足の問題でいえば、多くの中小企業が課題先進地となっている。
 こんな状況で、将来性のない業種や魅力のない企業に若い人材が寄ってこないのは、当然の帰結である。しかし、これを環境や他人のせいにしていても、何の解決にもならない。ましてや、先送りすればするほど事態は悪化する。やはり、“自分事”として主体性を発揮するしか、根本解決の糸口は見出せないのではないかと思う。
 では、優秀な人材が集う、魅力ある場はどうすればできるのであろうか?
 それは、根本において、レベルの高い関係性をできるかどうかだと考える。つまり、職場に集うメンバーの一人ひとり(=部分)が、夢や志(=全体)を共有し、誰もがその実現への貢献意欲を持っており、互いの信頼関係のベースとしているような関係性である。良好な人間関係は、つねに生産的である。ゆえに、人は働き甲斐を感じるのであろう。
 無関心で居られたとしても、無関係で居られないのが、世の中である。何事においても、“自分事”として課題に向き合う習慣を身につけていきたいと思う。
  
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 7.18)聞く力

”考える言葉”シリーズ(H28. 7.18)聞く力
 
2016年7月18日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-25)
 
聞く力

 IG後継者育成塾・第4期生の卒業式が、無事終了した(7月15~16日)。
塾生一人ひとりが二年間で学んだ成果を、駈けつけてくれた現社長たちの前で発表するセレモニーがある。少しの緊張と同時に、感慨深い想いが胸に込みあがってくる瞬間でもある。
 一泊二日の合宿形式で二ヶ月に一度で12単元を行うので、卒業まで2年間要することになる。塾の運営は、準備された課題(質問形式)に基づいて、グループ討議を中心に行うやり方だ。
 同じ境遇にある仲間たちと、経営者として必要とされる課題に向き合い、自らの意見を述べたり、他の人たちの意見を聞いたりすることは、たいへん刺激的であると同時に楽しい時間でもある。
 最近、経営におけるコミュニケーションの重要性を良く耳にする。グループ討議のいいところは、そのコミュニケーション能力が高まることである。つまり、“聞く力”と伝える力が身につくのである。
 先ず大切なのは、“聞く力”であろう。相手の話を聞きたいというのは、相手の事をもっと知りたいという気持ちの表れである。だからこそ、相手も同じ気持ちになり、お互いの心の琴線に触れ合い、信頼関係が生まれる・・・。
 相手の話に耳を傾けること、聞くことの目的は二つある。一つは、相手の心に触れ、相手を理解するためである。相手が変な要求をしているように見えても、よく聞くと自分の立場を理解してもらいたい一心に過ぎなかったりすることも多いのだ。
 もう一つは、学ぶためである。小生は、ずっと税務申告のお手伝いを通して、多くの経営者と触れ合うことができ、経営者としての悩みや生き様などを聞く機会があり、報酬を頂きながら多くのことを学ばせて頂いたと思っている。これは今、コンサル的な仕事に関わる中で、もの凄い財産となっている。正直、恩返しをしようにも、し足りないぐらいである。
① 先ずは、聞く姿勢を持つこと。(関係者の話を聞く時間を定期的に設定してみるの
も妙案であろう)
② 相手の立場に立って考え、質問すること。(相手を人間として尊重し、共通項を探
してみよう)
③ 「行間を聞く」という姿勢を持つこと。(話している言葉の背景にある感情などを
読みとろう) 
以上の3点を考慮しながら、“聞く力”を養いたいと思う。
 
 
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 7.11)捨てる

”考える言葉”シリーズ(H28. 7.11)捨てる
 
2016年7月11日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-24)
 
捨てる

 「光陰矢の如し」という諺がある・・・。
 いうまでもなく、月日の過ぎるのは、矢が飛んでいくようにはやいという例えである。だから、日々を無為に過ごしてはならないという戒めでもある。確かに年を重ねる度に、さらに実感できる諺である。
 そこで当然のことながら、時間を有意義に過ごしたい、活用したい、そのためにはどうしたらいいのかという、問題が生じる。それに対する小生の解はシンプルで、「今なすべき目標を明確にし、その達成に専念することである」と・・・。
 最近よく耳にする言葉に、「仕事の断捨離」がある。要領の悪い人はなんでもやろうとするが、要領のいい人は断る事や“捨てる”事ができている、すなわち「仕事の断捨離」がうまいので、無駄な時間を使わないのだと・・・。
 「ToDoリスト」をつくって、やるべきことをチェックし仕事に追われている人が多い。それよりも「やらないことリスト」を作成したほうが仕事の無駄が省け、効率もいいじゃないかと・・・。(今すぐやる必要がないもの、成果が期待できないもの、不要な会議、不要なブレスト等々)
 確かに、一理ある。また、ある意味そうあるべきであろう。しかし、小生の経験からいうと、仕事というのはいろんな人や事の関わり合いでできており、そう単純に割り切れるものではない。“捨てる”という行為は難しいもので、いつも悩むところでもある。
 そんなとき出逢ったのが、ニーチェの言葉だ。
 「限られた時間の中で何かをなす以上、何かから離れたり、何をきっぱりと捨てなければならない。しかし、何を捨てようかと悩んだりする必要はない。懸命に行動しているうちに、不必要なものは自然と自分から離れていくからだ。あたかも、黄色くなった葉が樹木から離れ去るかのように・・・」
 要領の良し悪しで「“捨てる”、捨てない」を判断するのではなく、自らの役割や使命に基づき、今なすべきことを明確にして、専念する。あとの“捨てる”は、自然の摂理に委ねることだと・・・。迷いがなくなり、腑に落ちた瞬間である。
 現に、必要だと思っていた事がそうでもなかったり、不要だと思っていた事が重要なものとして機能してくれたりということは多分にあることである。運は、つねに関係性の良し悪しで動くもの、まさに「心一つの置きどころ」だと思う。
 時間がないわけではないし、過ぎ去るのが早くなったわけでもない。自分の心理的な状況が、そう思わせているだけに過ぎない。年と共に、理想を“捨てる”自分こそが、その原因であると考える。理想のもと、今に専念しよう。

 
    Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.7.4)売上アップ

”考える言葉”シリーズ(H28.7.4)売上アップ
 
2016年7月4日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-23)
 
売上アップ

 
ご存知のように、「売上=単価×数量」である。“売上アップ”、つまり売上を増やす方法は、「単価を上げるか」あるいは「数量を上げるか」しかない。
 さて、そこで問題・・・。
 ① 「@100×1個=100」も、 ② 「@1×100個=100」も同じ100の売上である。
あなたなら、どっちの方法を好ましいと思うだろうか?
 昨日のIGグループの第2四半期合宿で、若手のメンバーに聞いてみた・・・。「①の方が、売価が高い分、販売数量少なくて済むから、効率がいい」「でも、返品等があったら売上はガタ落ちだよね・・・。その点では、②の方はリスクが小さい」「①の方が、付加価値が高そうだけど・・・(ホントに、そう?)」等々。
 一つ認識しておくべきことは、単価と数量の違いは、単価の方は上げるとそのまま利益の増加になり、下げるとそのまま利益の減少になってしまうこと。また、数量の増減には、原価の増減が伴うということである。「値決めは経営」(稲盛和夫氏)という言葉があるように、そう簡単にどっちがいいか決められるものではない。
 “売上アップ”の目標を立てるとき、考慮すべき点がある。それは、必要利益の確保と回収すべき固定費を考えた上で、それを稼ぐためにどれだけ“売上アップ”が必要かという視点である。
 その“売上アップ”目標を達成するために、どのように「単価×数量」を決定するかを考える。
 単価は、顧客が納得し、喜んで買ってくれる最高の値段を見抜けるかどうかである。「原価+必要利益」という単純さでは、売るのが難しいだろう。その意味においても、まさに「値決めは経営」である。
 数量は、どれだけ売れるかの読みである。市場の動向を見極める必要がある。これから先もニーズは増えていくのか、類似商品との競争力はどうなのか、新しい流通チャネルの開発はどうなのか・・・。
 「単価×数量」で売上アップを考えるとき、さらに考慮すべきは変動費比率である。変動費比率が高いと、当然ながら粗利が低くなる。粗利が低いと固定費の回収が難しくなる。そう考えると、「単価×数量」(=売上)は、変動費比率の高低によって左右されることになる。
 “売上アップ”は、単価と数量の組み合わせをどうするかによって決まることになるのだが、必要利益、固定費と変動費を考慮に入れて、「単価×数量」のマーケティング戦略を構築する必要があるといえよう。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 6.27)人間として

”考える言葉”シリーズ(H28. 6.27)人間として
 
2016年6月27日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-22)
 
人間として

 最近読んだ「超訳 ニーチェの言葉」(白取春彦 訳)の一節に、次のような言葉が
あった。
 「自分をたいしたことがない人間だなんて思ってはならない。それは、自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。そうではなく、最初に自分を尊敬することから始めよう。まだ何もしていない自分を、まだ実績のない自分を、“人間として”尊敬するんだ・・・」
 これは、勇気づけられる言葉である。肝は、“人間として”の自分である・・・。人間は有史以来、集団的創造の歴史をつくってきた生き物である。その一員であるという自覚さえあれば、尊敬に値するという。
 “人間として”の自分を自覚し、尊敬すると、どうなのるか? ニーチェ曰く、「自分を尊敬すれば、悪いことなんてできなくなる。“人間として”軽蔑されるような行為をしなくなるものだ」と・・・。
 そういう風に価値観が変わると、生き方変わり、そして、自分の可能性を信じたくなり、理想の自分像を明確にイメージできるようになる。それが他の人も見習いたくなるほどに、自己成長を促してくれるという。
 “人間として”の自分を自覚し、尊敬するということは、統合の思考(「全体は部分であり、部分は全体である」という考え方)が根底にあり、理に適っている。ゆえに、力強いのである。
 その真逆の思考が、分離思考・・・。「他人を信じてはいけない、裏切られるだけだ。信じられるのは自分だけ・・・」ということを、口にする人がいるが自己矛盾に気づいていないのだ。
 自分が人間であるように、他人も同じ人間である。他人を信じられないということは、同じ人間である自分自身を否定するのと同じ・・・。本来、分けることができない自分と他人を分けて考えようとする分離思考から生じる限界なのだ。現に、そんな人ほど、自分との大事な約束を破ってしまう人が多い。
 ニーチェの言葉には、他にも“人間としての”本質を語っている言葉がたくさんある。
 「自分をだめだと思ったり人に対して憎しみを覚えたりしたときは、疲れている証拠だ。そんなときは、たっぷりと眠るのが一番だ」という。これも、救われる言葉の一つである。
 お釈迦さまは、人間はすべて十界を互具しているという。ゆえに、誰の心にも仏界がある。“人間として”の自分を尊敬することから始めてみたいと考える。

 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 6.20)予測

”考える言葉”シリーズ(H28. 6.20)予測
 
2016年6月20日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-21)
 
予測

 日経新聞に、思わず目を引くような、次の記事が載っていた。「中小企業 2030年消滅?~社長の年齢、14年後80歳前後に」・・・。
 要するに、経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がったという。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達するという“予測”である。
 過去のデータを分析し“予測”するという手法は、将来の成り行きや結果を前もって推し量るための常套の手段として用いられ、その有効性を発揮してきた。将来を的確に見通すことができれば、私たちは常に適切な意思決定ができ、行動することができるからだ。
 今日、この“予測”の手法が疑問視されている。その背景にあるのが、パラダイムシフトである。時代のパラダイムが大きな転換期を迎え、その変化のスピードも凄まじい中で、過去と未来がつながらない・・・。つまり、過去のデータを分析し、“予測”をしても当たらないのである。まさに今、問われている課題が、ここにある。
 では、このような環境の中で不確実な未来に対して、私たちはどのように対処していけばいいのだろうか?
 小生は、経営計画を策定するときに、「分析・“予測”型」を捨てて、「洞察・創造型」でつくることを提案している。なぜかというと、“予測”してもその通りにいかないのだから、時代の潮流(世の中の進化や顧客ニーズの変化など)を見極め、それらにどう適応するか、自らの意思で決断し、未来を創造していく覚悟である。
 今、経営者に求められているには分析的な能力ではなく、時代を見抜く物の考え方、価値観のレベルである。その人の価値観のレベルが、その人の生き様を決め、経営理念の構築と浸透となり、組織文化を醸成していく。
 素晴らしい組織には、独自の経営観がある。そして、その経営観がベースとなって、未来のあるべき姿やビジョンを描き、未来を創造するエネルギーを醸し出しているのである。ゆえに、外部環境に左右されない志の強さを感じ取ることができる。(孫正義氏は、300年以上成長し続ける企業をイメージしているという・・・)
 確かに、冒頭の記事のように、放っておくと“予測”通りの厳しい未来となるであろう。だが、私たちには智慧もあり、勇気も持っている。あるべき姿と現状とのギャップ(=差)を明確に捉え、何をなすべきかを思考し、行動することこそが未来会計の真髄である。
 “予測”の罠に嵌らないように、創造する力を養おう。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 6.13)長い目

”考える言葉”シリーズ(H28. 6.13)長い目
 
2016年6月13日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-20)
 
長い目

 仕事に限らず、人生においてもそうであるが、いま関わっている物事に対して“長い目”で捉えなおして、考えることは重要なことだと思う。
 ソフトバンクの孫正義氏が、「300年成長続ける企業のイメージを真剣に考えている」という風に語っていた新聞記事を見たことがある。「迷いがあるときほど、もっと遠くを見てみると、明らかに大きな流れがよりクリアになってくる」と・・・。
 実は、孫さんほどのスパンではないが、ここ数年、創業者である小生がいなくなった後のIGグループの未来を考えることが多い。創業時につくったIG理念は、30数年経った今、やっと馴染んできたが、これから先もずっと風雪に耐えて、IGグループの価値創造の源として、あり続けるのであろうか・・・・・?
 学校を出て、就職先も決まり、社会人としての一歩を歩みだす。毎日がドキドキワクワクの日々であるが、緊張やストレスのせいで五月病にかかる人も多いという。目先の事が気になって、“長い目”で物事を考えることができていないのであろう。
 「何の目的で、この仕事を選んだのか?」「そのためには、どんなビジョンを描き、実現したいのか?」「その達成のための戦略と戦術はいかに?」等々、“長い目”で物事を捉えると、考えるべきことがたくさんあるはずである。
 目先の事ではなく、5年後や10年後、もっと先の未来でもいい。自らのあるべき姿が明確になったら、単に日常業務に追われることなく、もう一段飛躍するためのステージが思い描けるであろう・・・。「10年後の自分は、どんなポジションにいて、どんな貢献をしているのか。そして、どれくらい給料を稼げる人間になっているのだろう・・・」 そんな強烈な自己イメージをもって仕事をしている人がどれくらいいるのだろうか?
 先だって、人材不足で悩んでいた社長から連絡があった。「新卒の男性が入社してくれた」と大層な喜びよう・・・。水を差すわけではないが、「その人に支払う生涯賃金いくらだと思います?2億円は下りませんよ!」と話したら、沈黙だった・・・。
 言いたかったのは、目先の人手不足の解消を喜ぶのではなく、「“長い目”で、この人材をどう育て、役割を担わせようとしているのか・・・」という人材ビジョンについて、社長と語り合いたかったのである。
 「中小企業2030年消滅?社長の年齢、14年後80歳前後に」(日経新聞)という記事を読んだ。私たち団塊の世代が、まさにその原因である。永続的成長を続ける組織のDNAをいかに設計できるのか、「次世代へ繋ぐための次なる革新(Next Innovation)」を真剣に考えなければならない。
 先が見えない時代だからこそ、“長い目”で考えることが重要だ。

 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.6.6)組織モデル

”考える言葉”シリーズ(H28.6.6)組織モデル
 
2016年6月6日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-19)
 
組織モデル

 先週末(6月3~4日)に、NN構想の会主催の『新ビジネスモデル研究会(第15期⑤)』を終えたばかりである。
 会計業界では『NBM』の愛称で呼ばれ、毎年50名程の受講生が集まる。平成15年8月にスタートして、現在、第15期目が進行中なので、かなりロングランの企画ものといえよう。全6講のシリーズもので、二ヶ月に一度、東京で一泊二日の合宿形式で開催している。
 NBMをスタートさせた動機は、一言でいうと、「会計業界の抜本革新!(イノベーション)」である。経営者の意思決定をサポートするための未来会計を体系化した『循環モデル』(IGグループのHPを参照のこと)を学習し、未来を語れる多くの会計人を世に輩出することによって、中小企業を倒産という悲劇から救うことを目的としている。
 さて、今回(Step5)のテーマは、“学後の実践”を円滑に進めるための『組織体制のモデル~システム思考的目標管理』である。
 “組織モデル”には、大きく二つの考え方がある。
 一つは、機械論的“組織モデル”。組織を仕事の側面(機能)から構造的に捉え、それぞれの働きを担う部品として人間を配置する。目的達成手段として有効な組織を合理的・計画的にデザインし、管理できるようなモデルを形成する考え方である。一方、この考え方は、機械をモデルとしているため、環境変化への適応性が悪く、硬直化し、制度疲労を起こしやすいといえる。(安定的な環境ではいいのだが・・・)
 もう一つは、有機体的“組織モデル”。組織を相互に作用し合う要素の集合体としてのシステムと捉えている。つまり、組織を構成するメンバーの一人ひとりの目的・意図・ニーズなどが相互に影響し合い、一つの全体を創り上げていく成長・進化のプロセスとして考えるとよいだろう。その大きな特徴は、自己組織化である。
 自己組織化(self‐organization)とは、生命の発生や社会構造の成立などに見られる、自律的に秩序をもつ構造をつくりだす現象のことである。その本質は、環境の変化に適応できように、自己の仕組みに依拠しながら、自己を変化させていくところにある。
 私たちは今、パラダイムシフトの時代に生きている。大きなゆらぎの中にいる。変化が常態のこの世の中、ゆらぎは必然である。私たちは何を触媒として自己組織化されていくのだろうか・・・。
 もちろん、二つの組織モデルは二者択一ではない。両者を統合させる思考が大切である。いずれにしても、自社に合った“組織モデル”を再構築する必要がある。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 5.30)マンネリ

”考える言葉”シリーズ(H28. 5.30)マンネリ
 
2016年5月30日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-18)
 
マンネリ

 “マンネリ”とは、マンネリズム(mannerism)の略。
 「最近、“マンネリ”だな・・・」と、仕事をしているときなどに、よく使う言葉である。ワンパターンで、単調・・・、「ネタ切れで、つまらなく、飽きがきた・・・」と感じてしまう状態をいうのだろう。
 新卒の人が、夢を描いて就職をしたとしよう。当然ながら、仕事をし始めた当初から“マンネリ”に陥る人は、先ずいないだろう。恐らく、毎日がワクワク・ドキドキの日々だと思う。それがいつの間にか、ワクワク・ドキドキ感が失せてしまう日がくる・・・。
 毎日の仕事に慣れてきて、いちいち上司や先輩からの指示がなくても、自分で一日の仕事の段取りとパターンができてくる。そんな時、ふっと「仕事って、こんなもんかな~?」と思い、舐めてしまうのだ。慣れてしまい、飽きを感じる瞬間だ。
 一つに、“マンネリ”の原因は、慣れから生じる、飽きである。恐ろしいことに、“マンネリに”陥った人の中には、働き盛りの時期を何十年も無為に過ごしてしまうような輩も見受けられる。“マンネリ”すら、気にならなくなるのである。
 中には、“マンネリ”を感じ、新天地を求めて転職をする人も多いという。気分一新、一時的な効果はあったとしても、それで本当の意味で、“マンネリ”から脱却できるのであろうか?
 小生の経験からであるが、日常的な業務はすべてパターン化されていることが多いので、経験、場数を踏めば慣れるのは当たり前である。じゃ、慣れると誰もが飽きが来て“マンネリ”を感じてしまうのかというと、そうではないと思う。現に、小生は“マンネリ”を感じないタイプである。
 長くやっているからといって仕事に慣れ、飽きを感じることはない。むしろ、心の余裕が生まれるといったほうがいいだろう。その分、創意工夫の時間をもてる。
 「より生産的にするためにはどうしたらいいのか?」「他の人に任せても、同じ結果を出してもらうためには、どう段取りをすればいいのか?」などを、考え始める。楽しそうにしているから、他の人が関心を持ち、やりたがる。だから、手離れが良くなり、新たな仕事にチャレンジする時間ができる・・・。
 こう考えると、慣れたから“マンネリ”になるのではなく、その仕事が自分の中で変化しないから、飽きてきて“マンネリ”になるのである。つまり、自分自身が成長しない人ほど、“マンネリ”の罠に陥っているのが真相だと思う。成長し続けている人は、つねに自分自身が変化しているので、同じ仕事をやり続けても少しも“マンネリ”を感じないのである。あなたは、10年前と何が変わりましたか?
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 5.23)大局観

”考える言葉”シリーズ(H28. 5.23)大局観
 
2016年5月23日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-17)
 
大局観

 
先週末(5月20~21日)に、『IG後継者育成塾・第4期⑪』(福岡)を終えたばかりである。
 今回は、『ドラッカー流マネジメントの真髄~自らの手で未来を創造する』をテーマにマネジメントの本質を探ろうという企画であった。
 第4期も、あと「最終講⑫」(7月予定)を残すのみとなり、2年間近く学んだ成果のお陰だろう、難しいテーマであるにも関わらず、グループ・ディスカッションも活発な意見が飛び交い、塾生の成長に頼もしさを感じた合宿であった。
 「忙」とは「心を亡くす」と書く。目先の事に追われ、日々をバタバタと忙しくしている人の特徴は、一つに“大局観”の欠如である。つまり、本来の目的(根本)を見失って、枝葉末節的なことに振り回されていることが多い。
 企業の掲げる理念やビジョンこそが、その組織の存在に意義であり、「何のために」という目的を考えるときの原点である。また、経営者にとって大切な“大局観”は、それをベースに培われるものだと考える。
 “大局観”というと、安岡正篤氏の思考の三原則を思い出す。
 第一は、目先にとらわれず、“長い目”で見る。
 第二は、物事の一面だけを見ないで、“多面的・全面的”に観察する。
 第三は、枝葉末節にこだわることなく、“根本的”に考察する。
 経営者など上に立つ人にとって、これは心得ておくべき大切な考え方だと思う。
 これらは、「わが社をどんな会社にしたいのか(理念・目的・ビジョン)、社会にどう役立ちたいのか(使命観)、日々の経営判断において大切にしている物差しは何か(価値観)」等々、ものの考え方のベースとなる。
 市場のコモディティ化が叫ばれている今日において、企業の独自性を発揮させる唯一の手段は、理念経営の確立だと言われている。確かに、同感である。しかし、理念をつくって、壁に掲げているけれど、形骸化している企業が多い。つまり、それを社内外に浸透させるまで、徹底されていないのである。
 今回の後継者塾は、「理念のもつ効用とは何か?また、理念を浸透させるために何をなすべきか?」などを、徹底してグループ討議した。先ず、後継者にとって必要なことは、自社の掲げる理念という大義(錦の御旗)に対し、熱意と信念を持ち得ているかどうかである。
 そして、“大局観”を持って、その実現のための方向性を指し示し、周囲を奮い立たせるようなリーダーシップとコミュニケーションを自家薬籠中の物にすることである。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 5.16)攻めの経理

”考える言葉”シリーズ(H28. 5.16)攻めの経理
 
2016年5月16日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-16)
 
攻めの経理
 
どんな企業でも、“経理”の仕事はある。最近では、外部の会計事務所などにアウトソーシングするところも増えているようであるが、会計帳簿の作成は法律で義務付けられている・・・。
 そこで、日々の取引を記録して、会計帳簿を作成し、決算をする。その動機は、義務だから・・・。利益が出ていれば、税金対策に知恵を絞ることもあるだろう。しかし、これでは、守りのために経理をしているに過ぎない。
 経理には、“攻めの経理”がある。経営者の意思決定をサポートし、未来を創造していくために大切な情報を提供していくための経理である。小生が、未来会計と呼んでいる領域の経理は、まさにそうである。
 まさに、渋沢栄一がいうところの「論語と算盤」である。論語とはその事業を成り立たせている基盤の考え方(=理念やフィロソフィー)であり、算盤とはその考え方を具現化するために必要な利益の確保(=計数管理)をいう。つまり、経営の両輪なのだ。
 例えば、経営者の仕事をし易くするために、次のような事を常に考えて経理を行う。
 ① 必要最小限利益をどうやって確保するのか?
 どうすれば、売上を伸ばし、利益率を高めることができるか。固定費の無駄を常になくす意識をもつ。
 ② どうすれば効率的な資金繰りの仕組みができるのか?
 銀行はじめ取引先との交渉力を磨く。金利を1~2%下げるだけでも違う。また、資産等の回転率(在庫管理や売掛・買掛管理、投資等など)を高めるだけでも、資金は廻るようになる。
 ③ 企業価値を高めるためにはどうすればいいのか?
 資産と負債・資本のバランスを考え、内部留保の充実と自己資本比率の向上を常に考えて、経理を行う。
 経営者の視点で、経理を考える。これが、“攻めの経理”である。
 本来、数字とは正直なもので、ごまかせないものだ。だから、経理には事実を正しく把握する力がある。把握した事実を、次の打つ手にいかに活用するか。経営に活かす数字力を問われるのである。確実に業績を伸ばし、成長し続ける社長には必ず経理の達人(プロ)が寄り添っている。京セラの稲盛さんがいうように、「正しい会計が分からんで、正しい経営ができるのか!」は、実に名言である。
 事前のリスク計算をきちんと行う未来会計は、「“攻めの経理”を担う人にとって習得すべき重要な考え方であり、計数管理の手法である」と考える。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.5.9)計画

”考える言葉”シリーズ(H28.5.9)計画
 
2016年5月9日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-15)
 
計画

 小さい頃から、“計画”を立てることが大好きだった・・・。なぜか、“計画”を立てていると、それだけで心が弾むのである。小生にとって、未来を思い描くことそれ自体が夢や希望に満ちた行為だからであろう。
 小中学校の頃は、夏休みになると40日間の過ごし方について“計画”をしっかり立てるように指導を受けたと思うが、それが楽しくてしょうがなかった。思い描いているだけで、やる気が出てきて、“計画”が出来上がったときには、もう夏休みを一度体感したような気分になっていた。
 職業会計人(税理士や公認会計士)になることを決意して、故郷の会計事務所に就職して、初めて担当を任され、経営者の方と話しをした時のことを、今でも鮮明に覚えている。
 「社長のところの経営計画書を良かったら見せて頂けますか?」
 「経営計画?そんなのないよ・・・」
 「経営計画書がなくても、経営はできるのですか?」
 「・・・」返事ないまま、会話は途切れてしまった。その後、他の経営者にも尋ねてみたが、似たり寄ったりの反応であった。
 企業経営に不可欠なはずの経営計画書が、中小企業の現場にはない・・・。驚きと同時に、すごく新鮮な発見をしたような気分になったのを覚えている。また、本来あって然るべきものがない、とてつもなく大きなマーケットを発見したような気がした。
 今から、40年近くも前の話である。今思うと、当時、まだ右肩上がりで全体の経済が底上げされていた時期であったし、業界ごとに儲かる仕組みがあって、独自性がなくても共存できた環境であったのであろう・・・。
 今や、格差社会であり、淘汰の時代である。自立して、独自性を発揮できなければ、生き残れない、つまり未来はないのである。そんな健全な危機感をもった経営者が、嬉しいことに、随分と増えている。つまり、“計画”をつくるお手伝いができる経営者層が年々増加しているということだ。
 今、経営者が向き合っている環境(グローバル化、人口減少、世代交代等々)は、複雑で、多様化し、難しい問題である。年間廃業社数は、約29万社(そのうち、後継者不在の理由で約9万社)に上るという。
 一方で、急成長している企業の話も聞く・・・。成長企業の特徴は3つ、①独自の経営観を持っている、②高付加価値な領域を確立している、③人材育成に熱心である。
 やはり、「“計画”なくして成長なし。成長なくして存続・発展なし」である。

 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 4.25)誠実

”考える言葉”シリーズ(H28. 4.25)誠実
 
2016年4月25日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-14)
 
誠実

 初期の段階の“考える言葉”シリーズを整理していると、次の一文に目が止まった。「人に対して“誠実”であるか」・・・。
 これは確か、安岡正篤先生の『人生の大則』という本に紹介されていた「大和的生活法」(=日常的な生活における基本となる考え方と過ごし方)の一つとして示唆された内容であったと思う。
 人に対して思いやりがなく、不誠実な人間は世間から信用されない。つまり、「あいつはちゃらんぽらんだ」となると、どんなに能力があっても相手にされなくなってしまうのだ。
 ピーター・F・ドラッカーは、真摯さ(=integrity of character)という言葉で「経営者の条件」として掲げ、“誠実”であることの重要性を次のように述べている。
 「人間性と真摯さは、それ自体では何事もなしえない。しかしそれらの欠如はほかのあらゆるもの(仕事上の能力や強みなど)を破壊する」と・・・。つまり、その人間の人格の統合、価値観に関わることであると捉えているのである。
 では、“誠実”とは何をいうのか?少し、考えてみたい。
 “誠実”とは、「私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること」「いつわりなくまめやかなこと」とある。無私、真心、真摯、律儀、忠実、至誠、篤実などが類似語として挙げられる。
 もう少し、具体的に“誠実”な人の特徴を考えてみよう。
 ① 正直である、うそをつかない。
 ② 約束を必ず守る。
 ③ 言行一致で一本筋が通っており、裏表がない。
 ④ 面倒見が良く、打算がない。
 ⑤ 間違いに対して、素直に謝罪する。(言い訳をしない)
 ⑥ 結果に対して責任をとる。
 ⑦ 他人の心情を察して、親身に行動できる。
 ⑧ 仕事に対して真面目に取り組む。
 ⑨ 美辞麗句、調子のいい言葉を使わない。
 ⑩ 人を見て態度を変えない。
 「自分自身と人に対して、いつも“誠実”であれ!」(ニーチェ)という言葉があるように、“誠実”とは自分自身に対しても問われることである。
 自分が大事にしている“誠実”と何か?自問自答してみよう!

 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 4.18)壁

”考える言葉”シリーズ(H28. 4.18)壁
 
2016年4月18日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-13)
 

 
“壁”(wall)とは、家の四方を囲うもの、または室と室の隔てとなるものをいう。つまり、空間を区切るもの。その効用は、守りかな・・・?
 私たちは普段から壁に囲まれた空間に身を置くことによって、安らぎを感じ、生きている。外から自分のオフィスや家に戻り、お茶やコーヒーを飲んで、ひと時のくつろぎを覚えるのも、そのせいであろう。
 今回、考えてみたい“壁”は、空間を区切る物理的な機能をもったものではなく、私たちの心の中に生じる精神的な、意識の“壁”について、である。どんな心の“壁”があるのか、整理してみたい。
 ① 自我の壁
 自我とは、自分と他人を分ける働きをもっている。そこから生じる自己防衛的な本能や他との比較において優位性を保とうとするプライドが生じる。見栄や虚栄心、相手によって態度を変える行為などの弊害をつくる。
 ② 習慣の壁
 人間は、習慣の動物である。一定の行動のパターンが身についてしまい、多くの日常的な行動は無意識化されたものになっている。毎日の小さな習慣の繰り返しが、慢性的な病気を引き起こしたり、偏狭的な心の状態をつくり出したりしている。
 ③ 価値観の壁
 人それぞれ自分の価値観をもっている。それは、思考の枠組みであり、思考や行動を限定している。また、世間を図るときの物差しとなっている。それが、他の思考や行動の可能性を阻害してしまっている。
 ④ 恐怖の壁
 戦う相手が強すぎたり、困難な事態に陥ったり、状況が悪すぎたり、未知なことに遭遇したりしたとき、心が恐れを抱き、怖気づく。「失敗したら・・・」という不安が心によぎり、一歩を踏み出す勇気を失ってしまう。
 今、多くの企業が自らの未来を描けないでいる。過去の成功体験が通用しないことへの焦り・・・。新たな成長戦略を描こうと模索をしているが、妙案が浮かばないのである。
 その原因は、過去の延長線上に未来を描くことができないというパラダイムシフトしている環境のせいだといえなくもないが、環境や他人のせいしていても状況は一つも進展しない・・・。あらゆる限界はすべて、自分自身の心の“壁”がつくっているからだ。
 軽やかで、柔軟な心で、自分の“壁”と向き合ってみたいと考える。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28. 4.11)ソリューション営業

”考える言葉”シリーズ(H28. 4.11)ソリューション営業
 
2016年4月11日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-12)
 
ソリューション営業
 
 先週のIG幹部会における研修テーマの一つとして取り上げられた“ソリューション営業”について考えてみたい。
 国内市場が成熟化する過程で、プロダクトアウト(商品ありき)からマーケットイン(顧客ありき)の志向へシフトする必要性が叫ばれてから久しい。その一つの解決策として提案され、ブームになったのが、“ソリューション営業”だったような気がする・・・。
 “ソリューション”とは、課題解決という意味であるが、“ソリューション営業”とは顧客企業の課題の解決方法を提示しながら、そこに自社の商品やサービスの販売を組み込んで提案するという営業スタイルである。
 時代に合った素晴らしいモデルだと思う。だが、「言うは易く行うは難し」である。いくつかの壁がある。
 先ずは、全体的問題の掌握力。顧客企業の部門を超えたビジネス全体の問題をどうやって掌握するのか・・・。部分だけでは捉えることができない全体像をどうやって把握できるのだろうか。
 次に、当事者意識である。他人の問題を真に自分の問題として考えることができる価値観を持ち合わせることができるのであろうか・・・。
 さらに、“ソリューション営業”を関係性の思考から考えると、次のように定義できる。「顧客と“価値ある関係性”を構築するための提案型営業」であると・・・。ここでいう、“価値ある関係性”とは信頼である。
 つまり、相互信頼関係が構築できるかどうかである。このように、“ソリューション営業”を定義してみると、その本質は信頼である。信頼できる人であるかどうかをお互いに見定めることができるかである。“ソリューション営業”が成功するか否か、それは終始一貫、信頼がテーマとなる。
 企業の経営計画を策定するお手伝いをしていると分かるが、目標の数値化は簡単にできる。だが、数値重視の計画は必ずと言っていいほど、頓挫する。画餅と化すのである。何故か?経営者の思いや魂(=365日の生き様)が欠落しているからだ。
 信頼し合うということは、お互いの思いや魂に、それを価値観と置き換えてもいいと思うが、共感し合うことであると確信する。このように考えていくと、“ソリューション営業”は、テクニカルな営業レベルではなく、経営計画や事業計画策定のはじめから、一体となって関わり、価値観を共有し合ってはじめて成果につながるものだと考える。
 揺るぎない信頼関係を構築できなければ、反って仇となる恐れがある。肝に銘じでおきたい。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.4.4)新人

”考える言葉”シリーズ(H28.4.4)新人
 
2016年4月4日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-11)
 
新人

 IG会計グループは、第1四半期の合宿(3月31日~4月1日)を終えて、第2四半期がスタートしたばかりである。
 今年の新卒採用者4名も参加しての合宿だったので、研修ルームも手狭になった感じであった。新陳代謝で、少し平均年齢も下がり、いい意味での緊張感も生まれ、有意義な2日間になったと思う。労働市場がシュリンクしている状況で、前途洋々の新卒者を4人も確保できたのはラッキーだと思う。さらに、中途採用ではあるが、有資格者2名(CPA)も加わるので、俄然、気合も入ってくる・・・。
 少子高齢社会が進む中、若い人材の希少性が懸念されているが、企業経営における人材の採用と育成は、重要な経営課題として押しかかってくるだろう。現に、人材の確保ができず、店舗を閉めたとか、事業そのものを撤退したという話も聞く。
 人材確保の問題も然ることながら、採用した人材をいかに育成し、定着させるかを、
もっと真剣に考えるべきではないだろうか。2~3年もしないうちに、辞めてしまうというケースが意外と多いという。
 新卒であろうと中途であろうと、就職(転職)する者にとっては、「期待と不安」が入り混じった心境であろう。その期待を膨らませ、不安を解消してあげられる環境を、どう整えてあげたらいいのだろうか?3つのキーワードを考えてみた。
 ① 自立できる環境
 精神的、経済的自立である。精神的には、主体性の確立。自己責任で物事を考え、周囲に影響力を与えることができるような考え方・価値観を養ってもらうことだ。経済的な自立、豊かさの実感も大切であろう。
 ② 成長できる環境
 帰属することによって、将来への可能性を膨らませることができるような環境であること。日々新たな発見があり、チャレンジ精神を醸成させてくれるような環境である。
 ③ 貢献できる環境
 貢献とは、自らの仕事を通じて、「世のため、人のため」になることだ。社会の役に立っていることが実感できれば、誰だって嬉しい気分になれる。そんな環境を整えてあげれば、自己研鑽に励むはずである。
 IG理念は、仲間一人ひとりの可能性を信じ、互いに切磋琢磨して、自己実現できるよう、組織を進化させていくことを切に願って、つくったものである。その理念への共感から“新人”研修は始まる。
 IG式目標管理を自分の習い性にできたとき、IGが期待する人材となる。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.3.28)杞憂

”考える言葉”シリーズ(H28.3.28)杞憂
 
2016年3月28日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-10)
 
杞憂

 “杞憂”とは、無用の心配をすること。取り越し苦労。中国の古典(列子)に由来する諺で、「杞の国に、天が崩れ落ちたらどうしたらいいか心配して、寝ることも食べることもできない人」がいたという・・・。
 「現代人は、ストレス社会の中で生きている」とよく言われる。ストレスとは、外部環境からの様々な刺激(ストレッサー)によって自分の身体や心に負荷がかかり、「歪み」が生じることをいうのであるが、そんな中、“杞憂”に陥っている人が意外と多いのではなかろうか。
 “杞憂”の原因は、不安(=anxiety)、つまり、心配や恐れの感情である。では、人はどんなときに不安に陥るのだろうか?考えるに、人は自分でコントロールできないものに対して、不安を感じているのである。
 さすがに現代人には、杞人のように「天が崩れたら」という不安を抱える人はいないと思うが、複雑化した環境とその変化の激しさなどに翻弄され、コントロール不能な状況に置かれ、“杞憂”状態の人がいるようだ。
 では、現代人が抱える“杞憂”の対象とは何だろうか・・・?多くは、次の二つから生じているのではないだろうか。
 一つは、人間関係。ストレスの第一原因に、人間関係を挙げる人が多いという。特に、職場におけるネガティブな上司との問題、思いやりのない職場環境など。また、家庭においても夫婦や親子の会話ができないという問題もあるようだ。
 もう一つは、未来。過去の延長線上に未来が描けない時代である。過去の成功体験がすべて否定されてしまうような変化が起きている。不確実な未来は、どう動いていくのであろうか・・・(予測不能)。
 いずれも、本質は、思い通りにならないことに対する心の在り様である。不確実性が高く、コントロールできにくいもの、つまり、コントロールできない度合いが強ければ強いほど、不安は大きくなり、“杞憂”の原因となっていくのである。
 要するに、コントロールできないことをコントロールしようとして「歪み」を自らつくっている。だとすれば、自らがコントロール可能なことへ専念したほうが理に適っている。それは、何か?自分自身である。つまり、自分自身をどう変えることが“杞憂”から解放されるのか・・・。「レジリエンス」という言葉が注目されている。復元力、回復力、弾力、強靭さという意味であるが、環境への適応性だろう。
 思いやりと感謝の心を持って、「仮説~実践~検証」の自己革新プログラムを主体的にやり続けること、それが“杞憂”から解放される最良の手段であると考える。

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.3.14)ナンバーワン

”考える言葉”シリーズ(H28.3.14)ナンバーワン
 
2016年3月14日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-09)
 
ナンバーワン

 
最近、“ナンバーワン”という言葉をよく見聞する。(小生の意識が、その言葉に敏感になっているのかもしれない・・・)
 一昔前には、「“ナンバーワン”でなくとも、オンリーワンでいいではないか・・・」という風潮があり、そんな歌も流行ったが、逆戻り?の感がある。その背景には、何があるのだろうか?
 一言でいうと、格差社会の到来であろう・・・。
 バブル崩壊(1991年)前までは、日本は貧富の差が少ない国として知られ、国民の大部分も中流階層としてのアイデンティティを持っていたのだが、それが崩壊し始めており、ワーキングプア(働く貧困層)やネットカフェ難民、また最近では下流老人(貧乏老人)などのキーワードで象徴されるような現象が起きている。
 また、企業レベルでいうと、もっと厳しい淘汰が生じている。あらゆる業界において再編・統廃合が進み、どの業界においても1位か2位しか生き残れないという危機感が充満している。
 もちろん、人生も経営も勝負の連続である。当然、勝ち負けがあり、その結果として格差が生じるのは世の習いである。また、競争があるからこそ、進化するのである。ゆえに、絶対的な強さを誇る“ナンバーワン”を目標に掲げ、努力することは、至極当然のことである。
 考えるべきは、「なぜ、“ナンバーワン”なのか?」「“ナンバーワン”になったら、何ができるのか?」であろう。つまり、手段であって、目的ではない・・・。
 “ナンバーワン”の強みは、一つにブランド力であろう。そして、規模の経済も働き利益体質が強化される。そして、自然に成長できる基盤ができるのも、強みであろう。
 それらの強みを生かして、何をなすべきなのか?そこに、真の目的(=存在の意味と価値)がある。
 先ずは、社員満足を高めてあげることができるかどうか。経済的な豊かさも然ることながら、働きがいや生きがいを提供できるようにしたい。そして、顧客満足の追求を怠らないこと。つねに、イノベーションのリスクを背負うことだ。さらに思考すべきは、社会全体の進化にどんな貢献ができるのであろうか。
 “ナンバーワン”になるということは、生存の必要条件であるが、それだけでは社会性を満たすことにならない。影響力を持てば持つほど、環境への貢献と責任という課題としっかりと向き合うことが大切である。
 その上で、“ナンバーワン”になることを自覚し、目指したいと考える。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.2.29)チャンス

”考える言葉”シリーズ(H28.2.29)チャンス
 
2016年2月29日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-08)
 
チャンス

 「“チャンス”の女神に後ろ髪はない」という西洋の格言がある。 “チャンス”が来たときに、それを“チャンス”だと思わないと、通り過ぎてから気づいても手遅れで、後悔しか残らない・・・。良く、耳にする格言の一つである。
 確かに、事業を大きく成功させている人たちは、ビジネスモデルの独自性も然ることながら、時流をしっかと捉えている。
 千本倖生氏も、『挑戦する経営』(経済社)という著書で、次のように述べている。
 『どんなビジネスにも「今が参入のタイミングだ」というポイントが必ずある。開いたと思ったらすぐに閉じてしまうこの窓を決して逃さないことだ』 つまり、優柔不断だと“チャンス”を逃してしまうということである。
 確かに、チャンスに強い人は、いつもチャンスをつかんでいるし、下手な人は、いつも逃してしまい、後悔をしている。では、その差はどこで生じるのであろうか?少し、考えてみよう。
 (1) 「人生の目的」をもって生きている
 「やる」と決めていることがあるので、いざ“チャンス”が目の前にくると、すぐに飛びついて行動できるようになっている。また、価値ある「人生の目的」が“チャンス”を引き寄せているともいえよう。
 (2) チャレンジ・ゾーンに身を置いている
 “チャンス”を掴む人は、つねにチャレンジ・ゾーンに身を置いているので決断が早く、すぐに行動に移れる。一方、決断の遅い人は、慣れ親しんだ快適ゾーンにどっぷり浸かっているので、“チャンス”を見逃してしまう傾向がある。
 (3) 「捨てる」勇気をもっている
 一つの可能性に賭けるということは、ほかの可能性を「捨てる」ということでもある。その勇気を問われることがある。選択の決断である・・・。変化の激しい今日、過去の成功体験にしがみついていると、未来の失敗の要因になってしまうことだって起こり得る環境である。
 「機を見るに敏」という言葉がある。仕事においても、「これは“チャンス”だ!」と思ったら、つかまなければならないし、人間関係においても、「人生にとって重要だ!」と思える人とは、しっかりと手を組む必要もあるだろう。
 IGグループが提唱する未来会計とは、「“チャンス”を掴み、自らの手で未来を創造する」ためのサービスである。
 経営計画とは、“チャンス”をものにするための台本づくりだといえよう。

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.2.22)活性化

”考える言葉”シリーズ(H28.2.22)活性化
 
2016年2月22日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-07)
 
 活性化

 
Ja‐BIG主催の『未来会計実践塾(第1回定例会)』(2月17~18日)が、いよいよスタートした。
 この塾の最大の課題は、徹底した“学後の実践”にある。そして、業界革新の先駆的な役割を担い、会計人の“社会的インフラ”としての質的な価値を高めることをミッションとして掲げている。そのために達成すべき具体的な数値目標が、「未来会計の領域で年商1億円の事業化」である。
 現在の参加事務所数は、30社。すべてが達成できた30億円の需要の創出となり、200名を超える雇用創出につながる。未来会計で提供するサービスの内容は、時代のニーズであり、時流であると考えると、今後もどんどん参加者が増えていくであろう。測り知れない市場の誕生が期待される。
 もちろん、変革には、つねに「期待と不安」がつきまとう。どちらかというと、不安のほうが大きい・・・。
 ① 過去の成功体験を捨て切れるのだろうか?
 ② 強烈かつ持続的なリーダーシップを発揮できる人はいるのだろうか?
 ③ 人材の“活性化”は可能だろうか?
 『実践塾』は、実践によって生ずる壁(=問題)を共有化し、輝く衆知を集めて解決していく場である。「抱えている問題は、何か?」「それらを解決する方法は、何か?何が不足しているのか?」「誰が、いつまでに、それらを実行するのか?」「誰のサポートを必要とするのか?」等々を、グループ討議してまとめていく。
 それから、『実践塾』は、未来会計サービスの実践事例を持ち合い、発表し、共有化する場である。「①顧客開拓のルート、②成約できた決め手、③提案した内容、④有効的な解決手段・方法、⑤成果・貢献」などを、まとめて各人に発表してもらった。
 今回やってみて、嬉しかったのは、場の“活性化”を肌で感じることができたことである。さすが、名乗り出て、集まってくれた精鋭である。グループ討議の内容も、前向きな意見が飛び交っていたし、実践事例の発表もよそに先駆けてやってきた先進事務所の事例だけあって、多くの気づきをもらえたと思う。
 人の集まる場が“活性化”する、その要因は何だろう?場の風土の良否も当然考えられるが、はやり、場を構成するメンバー、一人ひとりの主体性の発露ではないだろうか。組織変革とは、環境の激変に遭遇したとき、メンバーの一人ひとりが主体性をもって自らを能動的に変革していくエネルギーである。
 その主体的エネルギーの集合が、場を“活性化”していくのである。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.2.15)変革

”考える言葉”シリーズ(H28.2.15)変革
 
2016年2月15日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-06)
 
変革

 この時期の恒例となっている、IG会計グループ主催の新春セミナー(長崎、宮崎)を終えたところである。今回の講演テーマは、『変革へのリーダーシップ~心を奮い立たせる人材になろう』・・・。
 長崎会場(約200名の参加者)では、㈱日本M&Aセンターの分林保弘会長にも登壇して頂き、『あなたの会社は“成長していますか?”~仕組み経営で勝つ~』というテーマで、激動の経済環境の中で成長し続けるために、どんな仕組みを構築し、経営していけばいいのかを熱く語って頂いた。『分林保弘の「仕組み経営」で勝つ!』著を参照にして頂きたい。(氏の友情出演に感謝!) また、セミナー後の懇親会も大変盛り上がり、ご参加頂いた皆様に改めて感謝です!
 さて、“変革”について、少し考えてみたい。
 “変革”とは、一言でいうと新陳代謝である。「今のままでいいではないか・・・」と慣れ親しんだ“快適ゾーン”に留まろうとする“古い自分”と、「リスクは大きいが・・・」ワクワクドキドキする“チャレンジゾーン”へ軸足を移そうとする“新しい自分”との戦いだといえよう。
 新陳代謝といえば、生命の維持に不可欠な活動である。人間の細胞は一般に大人で約60兆個あると言われているが、新陳代謝が正常に機能していれば、人間の身体は約3ヵ月経過すると、まったく新しい細胞に生まれ変わってしまうそうだ。
 「何故、こんなことが可能なのか・・・?」と問うのは、愚問である。私たちの基本的な生命活動が、何の理屈もなく、間断なく行われている・・・。その自然の力というか、摂理(providence)に驚かざるを得ない。
 私たち人間も、大自然の一部である以上、すべてにおいてその摂理に従わざるを得ないと考える。頭や心を働かせることによって身につけた能力や価値観も一生において役立つものなど一つもない・・・。すなわち、諸行無常なのである。
 “変革”について、このように考えると、過去の成功体験や個人の考えに執着して、それらを捨てようとしないのは論外である。特に私たち企業人は、大自然の摂理に伴って生じる変化(=進化)に対し、積極的に貢献しようとする意思が問われるのでないだろうか・・・。
 「変化はコントロールできない。できるのは、その先頭に立つだけである」(P・F・ドラッカー)という言葉がある。乱世のリーダーは、自ら“変革”の担い手、チェンジ・リーダーにならざるを得ないと考える。
 “変革”に必要なのは、タイミングと成長し続けることへの強い意志である。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.2.8)準備

”考える言葉”シリーズ(H28.2.8)準備
 
2016年2月8日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-05)
 
準備

 NBM(第15期③)を終えて、長崎へ戻ったところである
 NBMとは、NN構想の会主催の『新ビジネスモデル(NewBusinessModel)研究会』の略称。2003年に会の活動の一環としてスタートしたが、けっこう好評で第15期目とロングランを続けている。
 活動の目的は、未来会計(経営者の意思決定をサポートすることを目的とした会計の体系)を事業化することによって業界革新を推し進めることにある。「過去ではなく、未来を語れる会計人」を多く輩出し、会計人の社会的インフラとしての役割の質を時代のニーズに応えられるよう、自己革新を呼び掛けている。
 期を重ねる度に、場の質も自然と高まり、若くて優秀な人材が集うようになり、グループ討議や全体討議の内容も驚くほどに進化している。ほんとうに多士済々で、衆知が集まる場となっている。
 主催者としては、これからもずっと場のレベルをあげていけるように運営していきたいと考えているのであるが、一番大切なことは万全な“準備”であると思う。やはり、“準備”を整えて行うのとそうでないのとでは、得るべき結果が全然違うのである。
 では、“準備”とは何か?「結果を得るための原因をつくること」だと定義したい。そして、“準備”とは、心の持ち方、整え方だと思う。
 セミナーで未来会計の効用を話すとき、経営計画がなぜ必要なのかを説明する下りで、「原因と結果の法則」を引用して次のような話をしている。
 「原因には必ず結果があるというが、原因と結果はストレートに結びついていない。経営とは、あるべき姿(結果)を実現するために、持てる経営資源(原因)を自らの意思で環境に条件付けするところに意味がある」と・・・。
 まさに、経営において“準備”をするとは、自らが志すところに基づいて計画をつくることであり、決心を固めるということである。どんな状況が起きようと動じない心構えというのは、そんな“準備”から生まれてくるのだといえよう。
 逆に、“準備”を怠っている(計画ができず、迷っている)企業をみていると、大切な経営資源を他から条件づけられてしまい、「そんなはずではなかった・・・」と後悔し、人のせいにしてしまっていることが多い。
 もう一つ大切なことは、“準備”ができたら、結果が出るまでやり続けることである。継続しているうちに偉大な「原則」に出逢い、気づかされることがある。それを習い性にすることだ。
 “準備”とは、未来からの逆算であり、勝利の方程式を確立することである。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.2.1)機会費用

”考える言葉”シリーズ(H28.2.1)機会費用
 
2016年2月1日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-04)

機会費用
 
 今年度第1回目のIG全体会議(1月29~30日)を終えたばかりである。会議というよりも、自己研鑽の場と考えている。
 各部署・各人ごと、自らの目標に対しての確認と検証を徹底して行い、全体の場で自らの気づきを発表する。当然ながら、手厳しい質問や意見が飛び交う。いい加減な検証をしていると、立ち往生となること必定だ・・・。
 真摯さが伝わらない人間が一人でも混ざっていると、場全体の空気がよどむ。メンバーの一人ひとりが希少な経営資源そのもの、その自覚が欲しいと思う。何人かの発表を聴いていて、そんな思いが頭の中をよぎると同時に、“機会費用”という言葉がふっと浮かんだ。
 “機会費用”(opportunity cost)とは、選択されなかった選択肢のうちで最善の価値のことである。希少性(使いたい量に対して使える量が少ないこと)によって迫られる選択に際して生じる。「そのことをすると、他のことがどれだけ犠牲になるか」計算するものを“機会費用”と呼ぶ。
 ある選択を行うことで失った(選択しなかった)ものの価値・・・。“機会費用”というのは見えない費用のことであるが、経営の意思決定を行う際に考慮すべき、非常に大切な概念であると考える。
 例えば、人材の採用には、“機会費用”のリスクがつねに伴う。しかも、一度採用を決めたらそう簡単にやめてもらうわけにはいかない。(もちろん、就職活動をしている側においても、選択の結果の“機会費用”を背負うであるが・・・)
 中小企業では、付加価値の高い仕事があるのも関わらず、人手不足や能力不足がゆえにそのチャンスを逸してしまったという話をよく耳にする。すなわち、“機会費用”が生じているのである。
 人材における“機会費用”は、一つは採用時の選択ミス、もう一つは採用後の育成の仕方と適材適所によって生じると考えられる。さらにもう一つ付け加えると自己革新の機会を設けているかどうかであろう。
 「日常業務を社員ができる範囲でこなしているだけの時は、単なる作業でしかない。全く異なる環境に飛び込み、もう一段の飛躍のために絶対に成功させねばならない使命を背負った時に初めて人は、大脳が活性化し始める。組織も同じだ」(孫正義)
 どのような環境を選択するか、その人や組織の“機会費用”に大きな影響を与えるであろうことを示唆している。人生は、「選択」の繰り返しの結果、つくられていくものだと思う。“機会費用”について、正しい認識をしておきたいと考える。

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.1.25)運

”考える言葉”シリーズ(H28.1.25)運
 
2016年1月25日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-03)


 「
事業が成功するか否かは、“運の強さ”に左右される!」という考えがあるが、我々はどう反応したらいいのだろうか?
 人生はすべて「塞翁が馬」という諺があるように、人生って自分の意志で思うようにならないことがあることは事実である。この世に生まれたことだって自分の意志ではないし、その境遇を選べた訳でもない・・・。
 じぁ、“運”に任せて、「ケセラセラ~!」と気楽に、“運任せ”で生きるかというと、どうも合点がいかない自分がいる。それどころか、自らの手で“運命”を打開しようと、もがき、苦しんでいる自分がいる。
 そこで改めて考えてみた。そもそも、“運”って何なのだろうか・・・?
 “運”とは、その人の意思や努力では“どうしようもない巡り合わせ”を指す。そして、結果に対しての原因がうまく説明できないときに、私たちはよく「運が良かった!」とか「運が悪かった!」とか表現することがある。
 世の中には、『「原因」と「結果」の法則』(ジェームス・アレン)なるものが存在しているという。「私たちの心の中の“思い(原因)”が、私たち自身の“環境や運命(結果)”を創り出している」と・・・。
 小生は、「未来会計~自らの手で未来を創ろう!」という経営のあり方を経営者の方々に推奨し続けている。それは、経営の意思を明確にして、その実行のための仕組みづくり(「仮説~実践~検証」というサイクル)の重要性を説いている。
 この根底には、一つに「経営は、未来からの逆算である」という考え方がある。更にいうと、「原因と結果の法則」を経営に上手く活かそうという考えである。孫子の兵法の中に、「勝敗の行方は戦う前に決まっている。勝つための準備を整えた者が勝ち、そうでない者が敗れているのである」という有名な言葉がある。
 経営計画とは、まさに得るべき結果を出すためのシナリオづくりである。「あるべき姿(結果)」を描き、「現状」との差を捉える。その差を埋めるために何をすべきなのかを真剣に考える・・・。そのなすべきことが目標である。
 未来会計の真髄は、「結果を得るための原因をつくること」、つまり「準備を万端に整える」ところにある。それは、「自らの手で“運”を引き寄せる経営」といっても過言ではないだろう。
 “考える言葉”シリーズでも何度となく引用している言葉、「人生の価値ある目的を持った時から、価値ある出逢いが始まる」(ヘーゲル)。
 “運”とは、その人の心の持ち方に大きく左右されるのではないだろうか・・・。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.1.18)実行

”考える言葉”シリーズ(H28.1.18)実行
 
2016年1月18日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-02)

実行

 
IG会計グループ主催の「後継者塾(第4期生)」は、第9講目(1月15~16日)を終えたところである。
 今回のテーマは、経営戦略。講師は、「戦略参謀」システムの開発者であり、「軍師の会」を主宰している若山恵佐雄税理士である。積雪の青森から馳せ参じ、熱弁を奮ってくれた。(友情に感謝・・・)
 戦略的な思考は、経営の本質を“実行”に移すために必要不可欠なものと心得る。
 では、経営の本質とは何か?「経営とは、真理と一体となった営みをいう」(経営人間学講座)。つまり、つねに経営の目的(「なんのために」)を自らに問い、その達成のために「正しい見方、考え方」を心がけ、“実行”に移すことである。
 「戦略が意図を“実行”に変え、たんなる多忙さを仕事に変える」という言葉があるが、まさにマネジメントにおける“実行”の前提となるのが経営戦略だといえよう。
 「組織は戦略に従う」という名言があるが、戦略は組織の“実行力”によって保障されるのではなかろうか・・・。
 『経営は“実行”』(L・ボシディ&R・チャラン著)の中で、“実行”の責任を担うリーダーがとるべき7つの行動を掲げているので紹介をしたい。
① 自社の人材や事業を知る
実行力のない企業の経営者は、実務に疎いものだ。(現場主義の徹底)
② つねに現実を直視するように求める
現実直視を社内のあらゆる対話の目標とし、その風土をつくる。
③ 明確な目標を設定し、優先順位をはっきりさせる
  目標は全体として簡潔に、そして直接語る。
④ 最後までフォローする
実行力欠如の最大の原因は、最後までフォローされないところにある。
⑤ 成果を上げた者に報いる
業績と報酬がきちんと連動していない企業が少なくない。
⑥ 社員の能力を伸ばす
自らの持つ英知を次世代のリーダーに伝える。
⑦ 己を知る
多様性の組織を率いる精神的な強さ(本物、自覚、克己心、謙虚さ・・・)が必要。
 “実行”を企業文化にするには、計画性のある経営(=経営の意思×仕組み)の基盤づくり、すなわち未来会計の実践が必要となる。(ぜひ、「将軍の日」へ!)

 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H28.1.11)創意工夫

”考える言葉”シリーズ(H28.1.11)創意工夫
 
2016年1月11日(月)
”考える言葉”シリーズ(16-01)

創意工夫

 1月9~10日、恒例となった“やすらぎ伊王島”(リゾート施設)に泊り込んで、IG会計グループの「平成28年度・行動計画発表会&新年会」を行なった。
 今年度は、『Next Innovation~次なる革新!』という中期ヴィジョン(H27~31)を掲げてから2年目に入る。それを受けて、今年の基本方針は『変革へのリーダーシップ~心を奮い立たせる人材になろう!』である。
 小生は、冒頭で次のような挨拶をした・・・。
 「変革とは、新陳代謝を促進させるという意味である。現状維持は衰退と同じ・・・進化に対するしっかりとしたフィロソフィを確立しよう。今こそ、IG理念の一つである業界の先駆的役割を担う気概を持とう。
 リーダーシップとは、組織を動かす力のこと。一人ひとりが経営者マインドを醸成し、自らの心を奮い立たせ、他の人の心を奮い立たせることができる人材へと成長しようではないか・・・」
 それを受けて、各部門や各個人の発表が始まる・・・。
 発表会のスケジュールは、例年通り、グループ全体の売上目標(ベース、増収、スポット)の確認を行い、次に各種委員会の活動方針と担うべき成果の発表。そして、各部門と各個人の目標へと移る。各人の発表の内容は、次のとおりである。
① 今年選んだ言葉(キーワード)
② 目指すべきゴール(定量目標)
③ 四半期ごとになすべきこと(達成すべき目標と手段)
④ 一年後のあるべき姿(定性目標、変化した自己のイメージ)
 「選んだ言葉(キーワード)」には、一人ひとりの“創意工夫”見て取れて嬉しい。最近推奨した書物、例えば『挑戦する経営』(千本倖生 著)や『分林保弘の「仕組み経営で勝つ!」、また“考える言葉”シリーズの題材をもとに選んだ、自分が一年間大事にしていきたい思いのエッセンスである。
 小生が選んだ言葉は、「苦しみ抜き、考え抜け!」である。そこから生まれてくるものが自分にとっての本物であり、過去を振り返ってみると、そうやって身につけたものしか残っていないような気がする。
 いばらの道だからこそ、“創意工夫”が生まれ、非凡が生じるのだと思う。非凡な経営者の悲痛な心の叫び声が聞こえるようになったところから、真の経営者としての器が磨かれてくるような気がする。
 一つひとつに“創意工夫”を重ね、飛躍の年にしたいと考える。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2016
 

”考える言葉”シリーズ(H27.12.21)ほめる

”考える言葉”シリーズ(H27.12.21)ほめる
 
2015年12月21日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐49)

ほめる

 
書棚を整理していると、2~3年前に購入した『人を動かす2』(D・カーネギー)という本が目につき、読み直していると、自分のリーダーとしての至らなさに改めて気づかされる。
 例えば、「人を変える八原則」(PART4)の第一番目に「まず“ほめる”」という原則がある。これが意外とできていない。意外というよりむしろ、そう簡単に“ほめて”いいのかという信念めいたものがある。
 若い頃、ゴマすり野郎の無責任男を主役にした映画が流行ったこともあったし、「豚もおだてりゃ木に登る」という言葉もあるように、「“ほめる”=茶化すこと」のような感じだったし、また“ほめ言葉”に対する照れくささもあるのだろう。
 だが、この本を読むともっと“ほめる”べきだと考えさせられた。
 D・カーネギーはいう・・・。
 「批判的で、ネガティブな言葉は、暗くて陰気な雰囲気をつくる。相手は気分が重くなり、うなだれ、肩を落とすことになる。結果として、相手のネガティブな心理的・生理的反応と闘わざるをえなくなる」
 「会話を正直な、心からの“ほめ言葉”ではじめることだ。相手はずっと素直に聴いてくれるだろうし、防衛的になられることも抵抗されることもずっと少なくなる」
 まさにその通りだと思う。だが、あいにくなことに「人が他人をみるとき、欠点や悪いところのほうが、長所やいいところよりずっとよく目につくし、重大にみえる。ことに道徳的・倫理的な面については、その傾向が著しい」という。
 つまり、相当意識して努力をしないと、“ほめる”どころか“貶す”方向へ走ってしまう傾向があるということだ。(並では、リーダーは務まらない・・・)
 人間には、ミラーニューロン(Mirror neuron)という人に「共感」をもたらす脳細胞が存在しているという。これのおかげで私たちは他人の行動を理解し、意図を解釈し、次の行動を予測できるのだという。
 良好な人間関係を保ち、より生産的な職場環境をつくっていくためには、元来、人類が備えている「共感」という機能をもっともっと鍛え上げる必要があるのであろう。その第一の努力が“ほめる”という行為ではないだろうか・・・。
 「一人に三つ」というルールを紹介している。「好きになれない人がいたり仕事のやり方がなっていないと思う人がいても、それをすぐに口に出さず、まず相手のいいところを最低三つ発見する・・・」
 人のいいところに注目すれば、人間関係は必ずいいほうへ向かう!

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.12.14)モチベーション

”考える言葉”シリーズ(H27.12.14)モチベーション
 
2015年12月14日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐48)

モチベーション
 
 「どうすれば社員の意欲を引き出せるのだろうか?」という話題を耳にする機会が増えている。“モチベーション”の問題は、いつの時代でも経営における中心的な課題の一つである。
今回は、“モチベーション”について考えてみたい。
 “モチベーション”とは、動機づけと同義であり、「目標を掲げ、その達成のために自分や他の人の意欲(やる気・その気)を引き出すこと」だと考えたい。その意欲が持続し続けることが最高の“モチベーション”である。
 多様性の時代環境の中で、個人プレーから組織プレーへの関係性思考が企業経営でも重要視されるようになった。つまり、リーダーシップのあり方である。リーダーシップと“モチベーション”は密接な関係にある。
 関わる人たちの意欲を引き出すことができないリーダーは、リーダーとして失格の烙印を押されてしまうであろう。しかし、他の人をその気にさせるのは簡単ではない。昔から「馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」という諺があるように、飲む気のない馬に水を飲ませるのは至難の業である。
 かといって、断念してしまっては何も変わらない。リーダーとしての役割を担うことによって分かったことがある。それは、自分の意欲は、他人の意欲を引き出すことと不可分の関係にあるという事実である。つまり、高い“モチベーション”の持続性は相互作用によって成り立っているのである。
 では、人間の“モチベーション”を高める要因とは何であろうか?
1. 強烈なヴィジョンを描き、共有すること。
2. 各人の“モチベーション”要因を理解し、切磋琢磨すること。
3. つねにお互いの貢献意欲・強みを確認し合うこと。
4. 結果を共有し、フィードバックすること。
5. 全体の成果を共有し、喜び合うこと。
以上、リーダーシップという観点から“モチベーション”の課題を考えてみたが、最高
の“モチベーション”のあり方は、“セルフ・モチベーション”ではないだろうか・・・。
 IG会計グループが創業の当初から取り組んで大事にしてきたのは、まさにこのテーマである。“セルフ・モチベーション”の高い主体的な人材をいかに育成し、組織化するか・・・。そのための仕組みづくりが『IG式目標管理システム』として組織文化を培っているといえよう。
 IGには、相互の主体的価値を尊重し、切磋琢磨するという文化がある。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.12.7)議論しない

”考える言葉”シリーズ(H27.12.7)議論しない
 
2015年12月7日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐47)

議論しない

 『D・カーネギー人を動かす2』(創元社)という本がある。著名な本だから知っている人も多いと思うが、そのなかに「信頼を築く十原則」(PART3)という内容が紹介されている。
 「十原則」とは、次の通りである。
1. 議論しない
2. 「あなたは間違っている」と決して言わない
3. 間違いを潔く認める
4. 親しみをこめて話しかける
5. 共感を得る
6. 手柄をゆずる
7. 人の身になる
8. 気高い精神に訴える
9. 物語を共有する
10.対抗意識を刺激する
 信頼とは、相手と心が通い合い、繋がることであり、人を動かす力の源泉である。「十原則」を頭の中で反芻していると、本を読まなくとも内容がほとんど浮かんでくる。ただ一つだけイメージがすぐに湧いてこなかったのが、「1.議論しない」である。
 職業柄か、どちらかというと議論癖がある小生にとって、なぜ「議論しない」ことが信頼につながるのか、今一つイメージが湧かなかったが、読んでみると納得・・・!
 「人と議論しても、あなたが得るものはほとんどない。議論してもたいていは双方が、自分のほうが正しいという確信を深めるだけなのだから。あなたは完全に正しいかもしれない。だが議論が何ももたらさなければ、完全に間違っていても同じだ。・・・」
 生きていれば毎日のように衝突が起きる。だが、議論からは何も得られないことを知るべきである。関係性が良くならなければ、生産的になり得ないのが人間である。
 もう一つ、良くないと分かっていながら、つい言ってしまうのが「あなたは間違っている」という一言・・・。「人の間違いを指摘するのは、敵をつくるだけである」 その通りだと思う。感情的に反応し、防衛的になるだけである。
 どうすれば、「議論しない」「人の間違いを指摘しない」ような、生き方ができるようになれるのか・・・。お互いが信頼し合うことによって、シナジー効果が生れ、より大きな生産的な場が生れることを知るべきである。自己主張
よりも相手を尊重するほうが、長い目でみればより生産的なのである。
    
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.11.30)ヴィジョン

”考える言葉”シリーズ(H27.11.30)ヴィジョン
 
2015年11月30日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐46)

ヴィジョン(Vision)

 この時期、恒例の『次年度行動計画書』作成のためのIG合宿(2泊3日)を終えたばかりである。
 『変革へのリーダーシップ~心を奮い立たせる人材になろう』という次年度の基本方針を受けて、各部門としての行動指針と業績目標の決定、そして個人目標まで落とし込んでいく知的作業が2日間続く。そして最終日に、全体発表を行い、討議する。
 リーダーシップや奮起の素材となる、また『行動計画書』の内容にも大きな影響力を持つ“ヴィジョン”について考えてみたい。
 「“ヴィジョン”とは、未来のものだ。無限なのだ」(スティーブン・R・コヴィー)という言葉に、いつも共感を覚える。“ヴィジョン”の描き方一つで未来には無限の可能性が広がっていることを示唆してくれる素晴らしい言葉である。
 その意味においても、リーダーにとって、“ヴィジョン”はすべてである。自らを奮い立たせ、リスクを恐れず、前へと駆り立てるのは“ヴィジョン”の持つ力である。また、周りの人をその気にさせ、付き従わせるのも“ヴィジョン”の持つ力であると考える。
 “ヴィジョン”の持つ力を前提に、“ヴィジョン”を描くことの効用について整理したい。
① 使命観や責任感が醸成され、不退転の決意が生まれる
② 進路・方向性が明確となり、選択と集中ができる
③ 組織やチームの結束力が生まれ、衆知を集めることができる
④ 未来の可能性が広がり、全員が夢や志をもてるようになる
⑤ 経営資源を引き寄せる力が働き、磐石経営が可能となる
 では、そのような力を発揮する“ヴィジョン”はどこから生まれるのであろうか。
 まず、目的から始めることである。「何のために」という目的意識を持つと、未来を洞察する力が生じる。
 そして、洞察力が働くようになると、それに基づく構想力が生まれる。ここでいう、構想力とは現実を直視することによって、現実を変革していく“ヴィジョン”がイメージ化されることをいう。
 あとは、その“ヴィジョン”を持って、揺るぎない行動力を突き動かすことができるかどうかである。その役割を担うのが、戦略と戦術・・・。その詰めさえ間違わなければ、“ヴィジョン”の力がいっそう際立ってくると考える。
 「“ヴィジョン”とは未来のものであって、無限・・・」 この言葉を信じて、自分自身を制限する過去ではなく、無限の可能性を与えてくれる未来へ向かわせる“ヴィジョン”を真剣に描いてみたいと考える。

 
    Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.11.23)虎穴

”考える言葉”シリーズ(H27.11.23)虎穴
 
2015年11月23日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐45)

虎穴

 
「虎穴に入らずんば虎子を得ず(不入虎穴、不得虎子)」(後漢書)。
 「危険を冒さなければ、大きな成功は得られない」という意味で使われているが、中国に古くから伝わる諺で、後漢の班超が匈奴との戦いで危機に陥ったとき、部下に言った言葉からだという。
 英語では、「Nothing venture、nothing have(何の冒険もしなければ何も得られない)」という言葉があるそうだ。
 昔から大好きな故事の一つで、学生の頃は、麻雀で相手の当り牌を掴んだとき「虎穴に入らずんば・・・」とつぶやきながら勝負したときのことを思い出している。(今思うと、浮き沈みの激しい麻雀をしていたような気がする・・・笑)
 今やまさに、リスキーな時代である。リスクを避けては、通れない経営環境にある。
つまり、背負うことを恐れ、避けることによって生じてくるリスクがある。つまり、「虎穴に入らずんば・・・」という覚悟が、つねに問われる時代だといえよう。
 小生は、「虎穴に入らずんば・・・」という故事の意味は、「決意の強さ」を表現しているのだと考えている。つまり、「何か事を為すとき、その人の強い決意が大きな成功をもたらすのだ」と信じている。
 講演などで成功の秘訣をきかれると、必ず、次のように答えている。
 「やると決めた以上は何事においても、“覚悟を決めて成果が出るまでやり続けること”です」と・・・。
 新たなことにチャレンジすると、必ずといっていいほど、窮地に追い込まれる場面に遭遇する。本来、そこからがホントの勝負なのだ。窮地に陥ったときこそ、自分を信じ、思い切った決断をする、これができるかどうかなのだ。
 “虎穴”に入る覚悟を決めたとき、なぜそう決めたのか?そのときの目的の意義を反芻しながら、不退転の気持ちを強化させる。そうすると、様々な手段や方法が浮かび上がり、いけそうな気がしてくるから不思議だ。
 成功する人と失敗で終わる人、その差は何か?一言でいうと、決意の強さではないだろうか。つまり、「“虎穴”に入らずんば・・・」である。価値ある目標を定めた以上は、どんな状況におかれようと、成し遂げる覚悟であろう。
 世の中って不思議なもので、「人生は心一つの置きどころ」という言葉があるが、本当にそうだと思う。自らの心にあることしか、出逢わないのである。
 「“虎穴”に入らずんば・・・」という強い決意こそが、大きな成功をもたらす秘訣である。自らの選択を信じて、貫き通す心を大事にしたいと考える。
 
    Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.11.16)奮起

”考える言葉”シリーズ(H27.11.16)奮起
 
2015年11月16日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-44)
  
奮起

 この時期になると、IG会計グループは『次年度行動計画書』作成のための合宿(11月26~28日)の準備で忙しくなる。
 毎年決まりのパターンであるが、10月下旬から11月初旬にかけて、代表(小生)が次年度の「基本方針」を定め、発表する。それを受けて、各分社・部門長は自らが率いるグループの「行動指針」を決める。そして、幹部会において中期計画の進捗状況を検証しつつ、次年度の大枠を決定するのである。
 さて、次年度(H28年度)のIG基本方針は次の通りである・・・。『変革へのリーダーシップ~心を奮い立たせる人材になろう』 である。「心を奮い立たせる」つまり、“奮起”を促すあるいは“奮起”したくなる状況をいかにつくっていけるかを思考し、行動する人材を育成する年にしたいのである。
 あらゆる業界や企業も今や、「慣れ親しんだ快適ゾーン」から「事業機会溢れるチャレンジゾーン」へと軸足をシフトしないかぎり、成長はおろか、存続すら難しい時代環境である。故に、「心を奮い立たせる」、自他共に“奮起”したくなるようなリーダーシップが求められるのである。
 「この人とだったら、なんでもやれそうな気がする!」と思い、感じるような人と出逢ったことはないだろうか・・・・・。小生は、そんな出逢いを何人もの人としている。心が安らぎ、落ち着く。同時に、何か新たな“奮起”のエネルギーが沸いてきたのを覚えている。決してカリスマという感じではないが、人をその気にさせてしまう不思議な存在である。今風にいうと、その人の持つ総合的な人間力だろうか・・・。
 小生の好きな『老子』の中に「上善は水の如し」という言葉がある。「水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低いところへと流れていく」という意味合いがある。ここから学ぶべき2つの視点がある。
 第一は、柔軟性。主体性を持ちながら、相手の出方に応じていかようにも自らの体勢を変えていくという、そんな柔軟性である。相手を受け入れながら、自らも成長していく力である。
 第二は、謙虚さ。成功の罠が傲慢と慢心・・・。傾聴力や共感力、相手との共通項を見出す力があり、コミュニケーション力が備わっている。
 水がないと、生物は生きていけない。そんな大きな存在であり、働きをしているにも関わらず、柔軟さと謙虚さを兼ね備えた人をみると、思わず心の中で脱帽してしまう。そして、そうありたいと“奮起”する心が沸き立つのである。
 お互いの主体性を尊重しつつ、奮起し合う組織をつくりたいと考える。
 
   Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.11.9)リスク

”考える言葉”シリーズ(H27.11.9)リスク
 
2015年11月9日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-43)
  
リスク

 
「21世紀の世界とは、変化の激しい、リスキーな時代である」といわれて久しい。内外の情勢を観ていても、まさにその通りで、経営の舵取りの難しさを実感されている経営者も多いことであろう。
 「経営における“リスク”とは何か?」を改めて整理してみたい。
 私たち職業会計人の専門領域の一つに企業会計がある。その会計とは、本来、「計算をする」という意味であるが、「何を計算しているのか」というと、「“リスク”を計算している」のだというのが、小生の持論だ。
 会計には大きく、過去会計(=制度会計)と未来会計(=意思決定会計)の領域があると考える。
 過去会計は、過去の経営活動の結果をまとめ、利害関係者への報告を目的としている。利害関係者への“リスク開示”をきちんとすることによって社会的な信頼関係が生まれるわけだ。一方の未来会計は、経営者の意思決定をサポートするための会計であり、意思決定に伴う“リスク”を事前に計算することによって、安心して「“リスク”を取りにいける状況」をつくり出すことに意義がある。
 今の経営の困難さは、現状に留まることができない環境に起因している。つまり、変化に適応できるように自己革新するか、または自らが変化を起こし、その中心的な役割を担うか、その勇気を問われているのである。
 「“リスク”を冒さざるを得ない」(受動的リスク)というのではなく、「“リスク”を取りにいく(take)」(能動的リスク)という決断であり、それに伴う“リスク”を自らの責任で背負う覚悟である。
 そのためには、大義が必要だ。
 自分のことばかりを考えている人は無難なところに留まろうとするであろうし、“リスク”を避けようとするであろう。しかし、世の中全体のことを考えて生きている人は、どうすれば世の中がもっと進化するであろうか考える。だから、「“リスク”を取る」という勇気が生まれ、何かをやってくれそうな気迫が漂うのである。
 ここでいう“リスク”とは、「あるべき姿-現状=差」をいう。あるべき姿(大義)をもって生きている人は、その差(=問題すなわち“リスク”)をどう埋めるかをつねに思考し、行動するであろう。つまり、彼らにとっての“リスク”とは、自らが掲げた目標のことである。ゆえに、必ず実行し、達成するまでやり続ける覚悟ができているのだ。
 そして、小生がいう未来会計とは、大義に生きる人が背負おうとしている“リスク”を事前に計算し、必ず達成できるように支援したいと想い、念ずる会計である。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.11.2)シニア移住

”考える言葉”シリーズ(H27.11.2)シニア移住
 
2015年11月2日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-42)
  
シニア移住
 
 
今春開業した北陸新幹線の恩恵で賑わう古都・金沢で、日本M&A理事総会(10月30日)が開催された。
 新幹線かがやき507号(東京~上野~大宮~長野~富山~金沢)で、約2時間半の旅だ。車窓から見える北アルプスの雄大な眺め、そして日本海に達して、富山に近づくと立山連峰が続く山並み・・・、途中トンネルが多いのが少し気になったが、心が和む素晴らしい景色である。
 自宅に戻り、週刊朝日を手に取ると「“シニア移住”にやさしい街」特集の一つとして、金沢の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」を運営している「シェア金沢」が全国の福祉関係者から注目されているという記事があった。
 小生が思考している「農業城下町構想」と重なるところがあり、“シニア移住”に関しては大変関心がある。だいぶ以前に、大企業に長く勤務し海外を飛び回っていた人が、定年後、田舎の町に住み移り、晴耕雨読の生活を楽しんでいるという話を聞いて思いついたのが「農業城下町構想」だ。
 アメリカでは、CCRC(Continuing Care Retirement Community)という高齢者を継続的にケアするシステムが広がっているそうだ。
 まだ福祉の支援を受けていない自立した高齢者が移り住み、自然と親しみつつ、それぞれが定年前のキャリアを街づくりに活かし合いながら、コミュニティつくりに貢献して過ごす空間である。
 小生の「農業城下町構想」は、地域農業の事業化(地域の活性化と人材の多様化)と中小企業で働く人たちの老後プラン(老後保障をすることによる人材の確保)のマッチングモデルである。お互いに人手不足を解消し、新たな成長戦略を描ける機会をつくりたい。それに、2050年問題を抱えている医療や介護のモデルも加われば、大変豊かな地方創生の一つのあり方が見えてきそうな気がしている。
 自然や人とのふれあいの中で、老後の生きがいをどのように確立させていくかが大きな課題となるであろう。つまり、第一に生きがいの確立、そして自然環境の豊かさがあって、人を中心とした地域とのふれあい・・・。
 日本の田舎は、何処にいっても緑と水が豊富で、心の和む自然環境がある。問題は地域に根ざした人間関係を大切にできるかどうかであろう。良くも悪くも、お互いの顔がよく見えるのが田舎である。
 ただ、町で仕事をしていても田舎暮らしでも、人間関系の本質は一緒・・・。他者への貢献を第一義に考え、行動する人は、つねに生きがいを感じる人である。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.10.26)クチコミ

”考える言葉”シリーズ(H27.10.26)クチコミ
 
2015年10月26日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-41)
  
クチコミ

 
今年も、NBM(第15期)がスタートした。会場は、例年通り、おなじみのクロス・ウェーブ(船橋)。有難いことに、今年も満席(定員40名)である。先ずは、各地から集まって頂いた参加事務所の方々に、心から「感謝!」です。
 NBMとは、NN構想の会主催の『新ビジネスモデル(New Business Model)研究会』の略称である。2003年に、NN活動の一環としてスタートしたが、15年も続く“ロングラン”(long run)となっている。
 大々的なPR活動もしていないのに、ロングランを続けられるのは、一重に常連さんの熱い支持があってのことである。有難いのは、自分のところの若くて、優秀なスタッフの人たちを送り込んでくれるだけでなく、先生ご自身も何度も一緒に参加してくれてグループ・リーダーを買って出てくれる・・・。
 実は、それだけではない。同業者の仲間に“クチコミ”までしてくれて、新規参加事務所を増やしてくれるのだから、主催者冥利に尽きる。だから、心のなかは「感謝!感謝!感謝!・・・」のオンパレードなのだ。
 顧客ロイヤリティ(CustomerLoyalty、CL)という言葉がある。顧客が特定の企業や商品・サービスに対して持つ高い忠誠心のことをいうのであるが、事業を継続していく上で、大切な要素となっている。
 昔、良く飲みに行っていた頃、「行きつけの店」というか「ひいきの店」をそれぞれ持っていて、お互いに紹介し合い、梯子となる。自分の「行きつけの店」に入るといつもの場所に座り、決まりの注文をする・・・(アウンの呼吸で、品が出てくることだってある)。連れてきた仲間を大将やママに紹介をして、延々と店自慢をして、悦に入っている。もちろん、勘定はぜんぶ自腹を切るのである。
 今思うと、まさに顧客ロイヤリティである。自らが常連であるだけでなく、まさに“くちこみ”をしてくれるのである。マーケティングよると、忠誠者にも二通りあって、“クチコミ”でお客さんを紹介してくれるレベルの人を伝播的忠誠者というらしい。もちろん、単に忠誠者よりもランクが高い顧客である。自らの体験を感動的に伝えたくなる、そんなサービスを創造し、提供できたならば、必ずや事業はうまくいくだろう。
 NBMの特徴は、一方的に講義を聴くのではなく、参画型の研修である。用意された質問に対して、グループ討議を行い、グループあるいは個人ごとに考えをまとめていき、全体の場で発表し、考え方や情報を交換し合うのである。人間は何でもそうだと思うが、主体的に関わったときに感動的な体験を味わい、“クチコミ”をしたくなるのであろう。“クチコミ”戦略には、そんな演出も必要だと考える。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.10.19)粘り

”考える言葉”シリーズ(H27.10.19)粘り
 
2015年10月19日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-40)
  
粘り

「結果が出るまで、“粘り”強く、やり続けること!」 講演などで成功の秘訣を聞かれると、必ずそう答えている自分に気づく。
学生の頃、「自分は、“粘り”強さ、しつこさが身上だ」というと、「おまえ、余り“しつこい”と失恋(しつこい?)するぞ」といわれ、「いや、“しつこい”ってことは質が濃くなる(質濃い)ってことなんだよ」と、言い返したものである。
さて、冗談はさておき、“粘り”の大切さについて考えてみたい。
日常的な、ルーチン化された仕事ばかりをしている分には、そうでないと思うが、何か新しいことへ挑戦しようとすれば、必ず壁にぶつかり、悩み、惑い、試行錯誤することが多いのではないだろうか。
そんな時、“粘り”ほど、有効な手段はないのではなかろうか・・・?自らの経験でもそうだが、粘り強く、やり続けていることが、自らの思考と行動を広げ、深めてくれる機会となるからだ。その結果、得られた成功体験は一つの宝となる。
「成功するには、成功するまで決して諦めないことだ」(アンドリュー・カーネギー)という言葉があるように、仕事を成功させる人に共通な特徴の一つに“粘り”強さがある。ハウステンボスの黒字化を一年でやってのけた澤田秀雄さんもそうだ。再建を引き受けるときの交渉もそうであったが、その後の改善・改革のプロセスにおいても、実に“粘り”強い経営を展開している。だから、いろいろなアイデアが尽きないのである。
では、“粘り”の本質とは何だろう?
① 主体的である
粘り強い人は、つねに主体的である。自分の意志で、何事も選択をしている。それ故に、目の前に立ちはだかる壁(悩み、惑いなど)に対して能動的に働きかけることができ、必ず乗り越えることができると確信しているのである。
② 二律背反(対立や矛盾)を受け入れる
世の中は二律背反、だから成長できる。それに立ち向かってこそ考える力を養うことができると信じている。「Aを取るか、Bを取るか」の択一ではなく、AとBの統合を粘り強く考えようとするのである。
③ 目的意識を持つ
目的意識が明確であるから、一つの手段に捉われることなく、目的達成に必要な最良の手段を“粘り”強く試行錯誤し続けることができる。
「結果を出すことを決意し、“粘り”強くやり続ける」 “粘り強さ”を身上から信条として意識したいと考える。

  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.10.13)一期一会

”考える言葉”シリーズ(H27.10.13)一期一会
 
2015年10月13日(火)
 ”考える言葉”シリーズ(15-39)
  
一期一会

 “一期一会”とは、茶道の心得として昔から広く伝わっている日本のことわざである。
 「一期」とは、仏教語で、人が生れて死ぬまでの間の意。「どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきこと」をいうそうだ。一生に一度だけの機会。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意と、考えられる。
 それから、「袖振り合うも多生の縁」という故事がある。どんな些細な出逢いでも、深い意味があるのだから、大事にしようという趣旨だ。いずれも、仏教の世界観から生まれた故事・ことわざだと推測する。一言でいうと、「出逢いの妙」を表現しており、同義と考えてもいいだろう・・・。
 小生の母は、趣味が高じて茶道を教えているが、茶室の床の間には“一期一会”と書かれた掛軸が飾ってあったのをみて、「なるほど、“一期一会”か!」と妙に納得したのを思い出す。ずっと後になって、その意味を辞書で調べる機会があったが、その時に感じた通りの内容だったので、その言葉に日本の文化を感じた。
 “一期一会”の由来は、千利休の茶道の流れから生じて、茶会の心得として浸透していったのだろうと思うのであるが、ある本で次のような紹介があって、驚いたことを覚えている。 「“一期一会”は井伊直弼の『茶湯一会集』にある言葉です」 江戸時代末期に井伊直弼が、自身の茶道の一番の心得として用いたことから、広く使われるようになったそうだ。「安政の大獄」の首謀者であり、「桜田門外の変」で暗殺されるという人物像とのギャップを感じたからだ・・・。
 今思うと、時代の大きな変革期において、「自らの使命とは、何か?」を思考し、自らの信念を貫いた結果なのだろうと思うようになった。水戸藩士の暗殺密謀の噂を聞いても動じることがなかったのもそのためであろう。
 改めて考えるに、“一期一会”は大事にしたい言葉である。どんな出逢い(人や場など)でも、最初の出逢いは“一期一会”かもしれない。でも、その“一会”に真心を込めてお付き合いした相手ほど、その後のつながりができて、深い関係性が生れているではないか。
 今身近にいる家族や友人、知人、職場などの仲間はすべて、最初の“一期一会”を
大事にしたからこそ、長く続いている関係なのである。そう考えると、初めて会う人にはいつもオープンマインドで接し、誠心誠意を尽くし、その出逢いの妙に感謝したいと思う。
 縁起とは、因縁生起。因縁によって万物が生じ、起こるという。過去を省みて、未来を思う、そして現在を大切に、真摯に生きたいと改めて考える。
 
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.10.5)共存

”考える言葉”シリーズ(H27.10.5)共存
 
2015年10月5日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-38)
  
共存

 チャレンジには、少なからず自己犠牲が伴う。なぜなら、自らが慣れ親しんだ快適ゾーンを捨てざるを得ない状況が生じるからだ。
 仕事においても、そうだ。環境の変化が激しい今日、つねに新しい、未来の仕事をつくることへのチャレンジをしておかない限り、未来が描けなくなる。そのとき、最大の敵となるのが今抱えている仕事、つまり、日常業務なのである。
 現状における、自らの存在のベースであり、生活の糧として機能している日常業務と、どう折り合いをつければいいのか・・・。いろんな考えや思惑が生じる。当然のことながら、「迷い」が生ずる。
 以前に、「優れた経営者とは、現状に甘んじることなく、つねに問題(リスク)をつくりだしている人のことである」という話を聞いたことがあった。何も問題が浮かばないことこそ、真の問題だという。蓋し、名言である。
 経営者とは、つねに未来へのヴィジョンを描き続けることができる人である。その意味において、ここでいう問題とは日々に解決を迫られる目先の問題ではなく、「あるべき姿と現状との差」をいかに埋めるかという本質的な問題であるといえよう。
 多くの人たちが、日々の多忙やリスクを避けたいという理由から、「短期の楽観、長期の悲観」から脱却できないである。まさに、これがバブル崩壊後、ずっと日本を覆いつくしている問題の本質なのである。
 難しい問題の核心にはつねに、「二律背反性」ともいえる対立・矛盾する考え方がある。つまり、こちらを立てればあちらが立たないという二項対立の関係である。「Aを取れば、Bを捨てざるを得ない」という、どちらかを切り捨てるというやり方をすれば、手っ取り早い解決にはなるのだが、根本的な解決にはなっておらず、もぐら叩きをやり続けるしかないのである。
 では、どうすれば根本的な解決を導くことができるのか?対立ではなく、“共存”を考えるのである。「あるべき姿」と「現状」を対立ではなく、“共存”関係で捉えるのである。「現状」とは、過去に何を思考し、行動したかの「結果」である。つまり、「現状」をしっかりと把握することによって、「結果」の「原因」が見えてくる。
 そうすると、「あるべき姿」を実現するために、どのような原因を取り除き、またどのような原因を整えればいいのか、明らかになってくるのだ。つまり、「あるべき姿」と「現状」をいかにバランスよくするか、つまり、“共存”させていくかが課題となる。
 「迷い」は未来の源泉である。択一による性急な結論ではなく、粘り強く“共存”の道を思考すべきである。 
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.9.28)人間関係

”考える言葉”シリーズ(H27.9.28)人間関係
 
2015年9月28日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-37)
 
人間関係
 
 『IG後継者育成塾(第4期第7講)』(H27.9.25~26 in福岡)を終えたばかりである。『リーダーで組織は生まれ変わる』というテーマに基づいて、二日間じっくりと経営の本質について考えて頂いた。
 組織の重力となるべきリーダー(後継者)にとって最大の課題は何か・・・?それは、何といっても“人間関係”を、どう構築するかであろう。しかし、“人間関係”で悩んでいる後継者は意外と多いのである。しかも、驚くべきことに、現社長である父親との意見の対立、そして古参幹部との“人間関係”がしっくり行かないという悩みが圧倒的に多いのである。
 “人間関係”における悩みの原因は、大きく二つあると考える。
 一つは、組織風土の問題。良い組織の成立条件が欠落しているのだ。理念・目的が明らかにされておらず、浸透していない。ゆえに、働く人間の貢献意欲を引き出し切れていない。その結果、“人間関係”に必要な良好なコミュニケーション機会が生まれていないのである。
 もう一つは、後継者の価値観レベルの問題。知識教育に偏っていて、価値観学習をしていないので、真の主体性が確立されておらず、自分にとって都合が悪いことはすべて環境のせいにしてしまい、“人間関係”を構築できないでいるのである。
 組織と個人という視点から原因を二つに分けてみたが、共通していえるのは、いずれも「何のために」という目的思考の欠落にある。仕事の目的を特定しないまま、手段ばかりに気が入ってしまっているので、お互いの関係性が見えず、よって主体性も発揮することもできないのである。
 “人間関係”が組織の生産性に大きく影響しているのは、ドラッカーの指摘するところでもある。
 「“人間関係”の能力をもつことによって、よい“人間関係”がもてるわけではない。自らの仕事や他との関係において、貢献を重視することによって、よい“人間関係”がもてる。こうして“人間関係”が生産的となる。生産的であることが、よい“人間関係”の唯一の定義である」(『経営者の条件』)。
 “人間関係”は、ハウツーやテクニックに左右されるのではない。仕事の場において、お互いがその目的を理解し、貢献し合う考え方を培うことによって生産的な場は生まれ、よい“人間関係”が生じるのだという・・・。  非生産的な場には、必ず“人間関係”の乱れがある。生産性は組織の存続に関わる問題である。“人間関係”の問題は、個人にだけ委ねるのではなく、組織全体の問題として考えるテーマだといえよう。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.9.21)自覚

”考える言葉”シリーズ(H27.9.21)自覚
 
2015年9月21日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-36)
 
自覚

 
2000年からスタートしたNN構想の会、やり続けているうちに16年になる。会を重ねるごとに、次のような質問を受ける機会が増えるようになった。
 「どんな思いからNNの活動をやり続けているのか?その動機は何か?」
 質問する側もいろいろな意図があってのことだと思うが、質問を受ける小生にとっても一言で表現できるほど単純ではない。やり始めた初期の段階と今とでは、やはり動機も思いのレベルも相当違う・・・。
 自分のやりたいこと、好きな仕事に専念しているうちに、それに関連する様々な出逢いが生じ、一つの場が生まれる。その場に感謝し、場のレベル向上のために頑張っているうちに、いつの間にか周囲の人から引き立てられ、その立場を演じている自分に気づかされる。どちらかというと、強烈な意図があってというよりも、自然の流れの中で、その役割を演じているうちにその気になっている自分がいるのだ。
 それにしても何故、やり続けているのか・・・?それは、“自覚”であろう。“自覚”とは、読んで字の如し。自らを悟(=覚)るということだ。つまり、「この役割は、自分が演じなくて誰が演じるというのか!」という、自分自身の問題意識なのである。
 「やり続けている動機は何か?」という問いの答えは、一言でいうと「“自覚”でしょうね!」ということになる。だが、“自覚”に至るまでのプロセスは上記の通りである。“自覚”に至ると、思いや動機のレベルが明らかに変わる。使命観や責任観ともいえるものだろう。
 もちろん、やりたいこと、好きなことをしているという意味においては何ら変わりはないのだが、この場に関わっていてくれる人たちがどのような成果を得ているのか、またその場が環境に及ぼす影響力は如何ほどのものなのだろうか等々、自分を超えた全体の様子が気になってくるのである。恐らく、それが“自覚”なのだと思う。
 「“自覚”とは、その人のパワーの源泉である」ともいえる。日蓮上人は、自らを上行菩薩の生まれ変わりであると“自覚”し、「法華経の行者、日蓮」という使命観に目覚めたという。そして、その“自覚”をもって自らの生涯を通して演じきったのである。
 ずい分以前に読んだ書籍の中に、『「原因」と「結果」の法則』(ジェームス・アレン著)という本がある。その本の一節に、「私たちは、自分の考えているとおりの人生を生きている」とある。また、「人間は思いの主人であり、人格の製作者であり、環境と運命の設計者である」とある。
 どんな“自覚”を持つのかによって、私たちは自らの環境を呼び寄せているである。そして、自分の思う通りの人生を演じている。自作自演、それが人生なのである。

 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.9.14)NN大会

”考える言葉”シリーズ(H27.9.14)NN大会
 
2015年9月14日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐35)

NN大会

 本当にお陰様で『NN構想の会・第16回全国大会』(9月10~11日)を、今年も椿山荘(東京)で開催することができた。
 大会の常連さんは勿論、初めて参加頂いた方々にも、NN構想の趣旨を理解して頂いた上で、16年以上もやり続けていることへのねぎらいや激励の言葉を頂戴し、改めて覚悟を決めた二日間であった。(感謝!)
 さて、今年の大会テーマは『“生産性の向上”~会計人よ、賢く働こう!』である。
 一過性ではない、構造的な変化(パラダイムシフト)が起きている今日、もはや、朝から晩までがむしゃらに働けば成果が出るという時代ではない。「マネジメントとは、組織をして生産的にならしめるもの」(P・F・ドラッカー)という言葉があるが、「賢く働く」ということは、いかに自らの仕事をマネジメントできるかどうかであろう。
 大会一日目は、千本倖生氏を招いての基調講演『これからの時代の経営思想』から始まった。氏が、稲盛和夫氏を説得して、第二電電(DDI)を創業したのは31年前(1984年)、その後もイー・アクセスやイーモバイルを創業し、日本の通信業界に風穴をあけた風雲児として有名だ。
 以前に『挑戦する経営~千本倖生の起業哲学』(経済界)という氏の著書を読んでいたので、凄い人がいるものだと感心し、尊敬をしていたが、生の講演は淡々とした口調ではあるが、聴く人を魅了してしまう迫力がある。幾多の苦難を乗り越えてきた実業家の実践に裏付けられた一語一句だからであろう。
 「いかに賢く会社を立ち上げ、運営するか・・・。そのためには、世界がどう動いているか、時代を読むキーワードに関心を持とう」 「企業はミッションを達成したとき、腐敗が始まる。大改革のメスを入れる、凄さを伴った心意気が必要だ。・・・階級社会を壊す。現場に足を運ぶ・・・」 「進化には、健全で、強烈な競争相手が必要だ」 「稲盛さんと私の遭遇、そして“一緒にやろう”という決断がなかったら、今のKDDIはなっただろう」 「始めた以上はやり続けること・・・。いばらの道、千尋の谷を飛び越えると、三倍の強化が生れる」
 パラダイムシフトの時代を生きる、私たち企業人にとって大切な心意気や目標設定やディシジョンメイキング、さらに実行の大切さを示唆して頂いた講演であった。そして、人生の運とは「人との出逢い」と「その後の関係性の構築」によって動いているのだと感じさせられた一日だった・・・。改めて、千本倖生氏に感謝の意を表したい!
 講演のあとに続く、パネルディスカッション、情報交流パーティ、そして二日目の分科会の内容については、次回に紹介したい。

  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.9.7)会計

”考える言葉”シリーズ(H27.9.7)会計
 
2015年9月7日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐34)

会計

 
東芝の不正会計が社会的な話題となっている。
 いわゆる粉飾決算である。過去にもカネボウや山一證券の巨額粉飾、そしてライブドアでは堀江貴文氏は逮捕され、上場廃止に追い込まれた・・・。そうそう、アメリカではエンロンの粉飾が発覚し、その後、倒産。ざっと思い浮かべても、意外と不正会計に手を染める経営者が多いのに驚かされる。
 粉飾の手口は、複雑そうに見えても、大きくいうと「売上の先取り」「費用の先送り」そして「全くのでっちあげ」と3つのパターンに分けることができよう。でも、組織ぐるみでやられると、その道のプロである監査法人といえども、見抜けないのだろうか・・・。
 さて、なぜ、経営者は粉飾の罠に嵌ってしまうのだろうか?粉飾とは、見栄えがいいように装うということであるから、見栄と責任逃れからであろう。きっかけは業績の悪化から資金難に陥ることを恐れてのことだろう。しかし、“会計”処理において、他人の目をだませたとしても、自分をだまし続けるわけにはいかない。だましても、業績は良くならないのである。
 “会計”には、企業の利害関係者へ報告をすることを目的とした制度会計(=報告会計)とは別に、経営者の意思決定をサポートすることを目的とした管理会計(=意思決定会計)という領域がある。これは、経営のための“会計”である。
 IGグループでは、後者の“会計”領域を未来会計と呼び、その領域を事業化するためのビジネスモデルをMAS監査と名付け、20年前から税務と並ぶもう一つの事業の柱として展開している。
 私たちは、「未来会計とは、経営者の意思決定をサポートし、持続可能な未来を構築するための“会計”の体系(Manegement Accunting System)」と定義している。“会計”の本質をリスク計算と捉え、それをベースに目標管理を徹底して実行できる組織風土を培っていくお手伝いである。
 “会計”の目的をそのように考えると、“会計”は経営に役立つようにシステム化し、日常における“会計”処理は、「正確かつ迅速」であることがモットーとなる。そして、そのようにして作成された“会計”データをベースに経営判断をし、決定されたことを実行に移せるように計画を立てる。そして、結果の検証を行い、次の計画へとフィードバックしていくのである。その徹底で、80%以上の会社が黒字化できている。
 京セラの稲盛和夫会長がいう、「“会計”が分からんで経営ができるのか」という“会計”とは、まさに未来会計のことである。
 他人の目を気にする前に、自らの経営改革のため、正直な“会計”を考えよう!

  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.8.31)角度

”考える言葉”シリーズ(H27.8.31)角度
 
2015年8月31日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15‐33)

角度

 
アルバムを眺めていると、その人の魅力的な表情を瞬間にとらえているような一枚の写真に出逢うときがある。実に絶妙なシャッターチャンスだと思うと同時に、アングルというか、捉える“角度”がいい・・・。
 プロのカメラマンの特徴は“角度”の捉え方にあるというが、私たちの人生や経営においても、“角度”の捉え方によって思考や行動が大きく変わる。
 例えば、会計学を実務に活かすときもそうである。どのような“角度”で会計学を見るかによって活かし方が変わってくる。つまり、税務署への申告を目的とした会計と、経営者の意思決定のサポートを目的とした会計では、会計システムの構築や処理の仕方が変わってきても当然である。
 「会計がわからんで経営ができるのか」というフレーズで有名でもある『稲盛和夫の実学~経営と会計』という本の中で、氏が次のようなエピソードを述べている。
 自分が経営の立場から予想したものと実際の決算の数字とが食い違うので、「それは、なぜか?」と問うが、「会計的にはこうなる」という教科書的な返事しか戻ってこない。「6年でダメになる機械を法定耐用年数の12年で償却費計上するのか?」「儲かっているのに、税金や配当を支払うのに借金をするという。儲かったお金はどこにあるのか?」 経営の基本にしっかりと寄り添ってこそ会計の本質ではないかと・・・。
 さすがである。「売上を最大に、経費を最小に」「値決めは経営である」「土俵の真ん中で勝負をする」「勘定合って銭足らず」などの考え方をベース、“角度”にして、経営に役立つ京セラの管理会計システムを構築していったのである。
 人生も同じだと思う・・・。「人生は出逢いである」といわれるが、どのような“角度”で出逢うのかによって、その後の関係性のありようが大きく変わってしまうという経験を多かれ少なかれ、持っているのではなかろうか?
 社内でも起こる人間関係の軋轢・・・。どんなに嫌な相手、その人にも愛し合う家族があり、友人の輪がある。ちょっと“角度”を変えてみると、その人のいい所が見えてきそうな気がする。
 職場という組織(全体)は、それを構成しているメンバー(部分)の集合体である。部分と部分との関わりという“角度”だけに執着してしまうと、食い違いばかりが目に付いてしまう。だが、全体という“角度”からお互いの関係性を見直してみると、何かもっと大きな計らいがあっての出逢いを感じることができるのではないだろうか。
 「人間は一本の葦にすぎない。・・・だが、それは考える葦である」 有名なパスカルの言葉である。捉われず、いろいろな“角度”から考えていきたい。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.8.24)定石

”考える言葉”シリーズ(H27.8.24)定石
 
2015年8月24日(月)
 ”考える言葉”シリーズ(15-32)

定石

 “定石”とは、囲碁で昔から研究されてきた最善とされる、決まった石の打ち方をいう。
経営にも、“定石”がある。例えば、新規事業を立ちあげ、成功に導くための最上とされる方法・手順がある。つまり、成功するための基本的な考え方である。
 今、多くの企業が自らの成長戦略を描けないで四苦八苦している。その原因は、ハッキリしている。ご多分に漏れず、どの業界においても長期的かつ構造的な変化に見舞われているのである。
 この苦境から脱却するためには、「未来は過去の延長線上に描くことはできないという現実」を受けとめ、「自らの大変革を断行する!」という決意・覚悟が求められよう。つまり、過去の成功体験を捨てる勇気である。
 その上で、自社の成長戦略をいかに策定するか・・・。経営とは、「環境との戦い」である。戦う以上は、勝つことが大前提である。どうすれば、勝てるのか?ここにも、“定石”となる考え方がある。
 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」 これは、孫子の有名な兵法である。業界で起きている環境変化、その本質は何であるか?そこで、自らの存在価値を高めるために何をなすべきか?
 1.自社の強み・弱みを徹底して分析する
 2.強みを生かし、独自性を発揮するために何をすべきか
 3.時流を見極め、ドメインの再構築を行う
 4.「市場×流通チャネル×商品・サービス」を自社の強みから徹底して見直す
 5.明確な目標設定をする(目的~信念~行動)
 6.戦略実行のための組織体制を整える(組織は戦略に従う)
 この思考パターンは、成長戦略を策定するときの考え方の基本といえる。つまり、
経営における“定石”の一つである。
 最近、「戦略は内容ではなく、実行力の差である」といわれる。全くその通りで、この“定石”も実行に価値を置くべきであると考えている。
 Ja‐BIGの提供している未来会計サービスは、まさにそこに重点を置いて構築され、改善改革を重ねてきたサービスの体系である。経営者の意思決定の全行程(仮説~実践~検証)にしっかりと寄り添い、実行するための勇気とヴィジョンを持ち続けてもらう、未来を創造するための最高のサービス、すなわち“定石”だと確信している。
 変化の時代の“定石”は、過去の成功体験を捨てることから始まる・・・。 
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.8.17)言葉の力

”考える言葉”シリーズ(H27.8.17)言葉の力
 
2015年8月17日(月)
 “考える言葉”シリーズ(15‐31)

言葉の力

 
最近読んだビジネス書に、確か、次のようなエピソードが紹介してあった。
 素直に「ありがとう」と感謝を表現できる人には、秘められた自信が感じられ好感がもてる。一方で、「すみません」と謝罪ばかりしている人を見ると、卑屈で自信のなさを感じ、悲しい気持ちになる・・・。ハーバードの学生は、「ありがとう」(“Thank you”“Thanks”)を頻繁に口にする。一方で、「すみません」(“Excuse me”“I´m sorry”)は、本当に謝罪するときだけだという。著者は、日本語の「すみません」は便利だが、曖昧。だから、「ありがとう」9割に対して、「すみません」が1割。9対1のルールを心がけているそうだ・・・。
 小生は、著者の弁を理解しつつも、「すみません」の持つ微妙なニュアンスは捨て難いと思っている。「お互い様」というか・・・。
 「あっ、すみません!」というと、相手が「いえ、こちらこそ、すみません!」と返す。このやり取りには、良くも悪くも「人生、お互い様ですから・・・」という人間関係の本質を掴んでいるような気がするのだ。
 以前に読んだ『百歳からあなたへ』(松原泰道 著)という本の中に、次のような言葉があったことを思い出した。
 「ありがとう」は、「有ること難し」と書く。容易でない、稀有、めったにないということ。つまり、その厳粛感を受け止めよう・・・。「すみません」は、人生の恩返しの決済が済んでいないことへの確認だという。たくさんの人のお世話になって生きている、そのお礼返しが済んでいないという心の痛み、敬虔な気持ちの表現だという・・・。
 著者の松原泰道師(1907~2009)は、65歳のとき書かれた『般若心経入門』がベストセラーとなったをきっかけに世間デビューされたそうで、口の悪い友人に「おまえ、定年後から、のこのこ出てきたな」と言われたという。だが、それから101歳で死去されるまでに、百冊に及ぶ書物を著したのだから凄いの一言。
 小生も10冊以上購読させて頂いているが、仏教や人生等のエッセンスを平易な言葉で表現されているのに、いつも驚かされる。
 「どんな小さな仕事でも、真心を込めてやっておくと、後になって必ず芽を吹いてきます」という・・・。「“心の中に床の間”を設け、“杖ことば”を掛けて心を養おう。床の間とは“考える場”であり、“間”には“めぐり合わせ”という意味がある」という・・・。
 老師100歳からの心境は、心に響き、“言葉の力”を感じざるを得ない。
 「すみません」は、過ちを犯したとかではなく、「人生の恩返しの決済が済んでいない」という確認・・・。敬虔な気持ちでいると、いつも賢くなれる、有難い話である。
 
  Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.8.10)読書

”考える言葉”シリーズ(H27.8.10)読書
 
2015年8月10日(月)
 
“考える言葉”シリーズ(15-30)
 
読書

 趣味の一つに“読書”がある。
 いつの頃からだろう・・・?趣味を訊ねられると、「“読書”と旅行」と反射的に応えていたし、それにゴルフが加わって、今がある。だから、自分にとって“読書”は大切なものであるし、そのための時間を確保し、楽しみながら励行している。
 読書といえば、今でも忘れない思い出がある。学生の頃、指導教授のご自宅を訪問する機会を得たときのことである。
 母屋の離れにある教授の書斎をのぞかせてもらったら、壁全面の床から天井までの書棚それから部屋を区切るように書棚が配置され、びっしり書籍が並んであって、その読書量に圧倒され、教授にはなれないと断念(?)。と同時に、“読書”を趣味だというのもおこがましいと、一時慎んだ時期があった・・・。
 最近、書棚を整理しながら気づいたことがある。一つは、同じ本を2~3冊購入してしまっていること。しかも、その本に限って完読していないのである・・・。それにも拘らず、なぜ、また買ってしまうのか?
 次の気づきは、読んだはずの本の内容が浮かんでこないのである。気になって開いてみると、けっこう線を引いている箇所があり、その時の気づきを空白の箇所に書きなぐってもいる。それにも拘らず、なんで忘れているのであろうか?
 さらに、懐かしくなって読み直していると、以前の時は読み流していた箇所に意識が止まり、その意味を反芻している自分がいるのだ。何か新しいことを学ぶために“読書”をしているにも拘らず、その時に自分の意識レベルでしか捉えきれてなかったのだろうか?
 小生は、どちらかというと熟読タイプである。購入時は、関心あるテーマで選び、その本の「目次の構成」「まえがき」「あとがき」に目を通し、目新しさや面白さを感じたら迷わず購入する。
 読み始めたら、単元ごとに一気読みをして、線を引きながら再読し、言葉や文章の意味を考える。そして、自分の問題に置き換えて、言語概念化し、気づきをその本の空欄に書いている。
 どちらかというと、経営本が圧倒的に多いので、仕事に直結した気づきが多い。やはり、大切なのは“読後の実践”である。職業柄、周囲に実践のプロが多いのは大変助かる。質問を投げかけると、「なるほど!」と思える内容が戻ってくるので参考になり、有難い。
 目覚めたら、すぐに読む本を準備して寝る。ある人から教わった良き習慣である。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.8.3)転機

”考える言葉”シリーズ(H27.8.3)転機
 
2015年8月3日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15-29)

転機

 先だっての『IG後継者育成塾・第4期⑥』(7.24~25in福岡)で基調講演をして頂いた坂本光司教授(法政大学大学院)は、「日本で一番大切にしたい会社」の著者としても有名である。
 そのとき、坂本先生から頂戴した『モノづくりで幸せになれる会社となれない会社~下請メーカー18社の転機』(坂本光司、林公一編著・日刊工業新聞社)は、“転機”に立たされた下請けメーカーが脱下請け・自立化経営にパラダイムチェンジする戦いを取材し、リアルに描いた名著である。
 小生とは置かれている立場や業種も全然違うが、“転機”という面では同じで、どのように思考し、行動すればよいのか、またやり続けることの重要性を改めて感じさせられたので紹介したい。
 本書によると、バブル崩壊以降の20年間で約30万もの工場が国内から消えたそうで、それは率でいうと40%もの大幅な減少なのだそうだ・・・。
 “転機”をチャンスと捉え、幸せになれた企業の特徴は、変化によって生じる問題を一過性のものと捉えず、構造的な変化・問題として捉え、対応したところにある。つまり、眼前で起きている変化をどう捉えるかによって、対応が全然違ってくるのである。
 構造的な変化(ほとんどがそうであるが・・・)であるならば、外部環境に依存せず、自己革新の断行しか打つ手はないのである。つまり、自分の生き方や経営の考え方・進め方を変えることしかないのである。
① 自らの理念や強みをベースに独自性を発揮する。
② 過去の延長線上ではなく、未来のあるべき姿から逆算する。
③ 脱下請け・自立化を志向する(オンリーワン企業)。
④ マーケットインの思考で、商品やサービスを見直す。
⑤ 現状に満足せず、つねにイノベーション思考を怠らない。
⑥ 値決めができる市場を創造する。
⑦ 覚悟を決めたら、成果が出るまでやり続ける。
⑧ 人との出逢いを大切にし、関係性を深める。
⑨ 人本主義の経営を貫く。
⑩ 「モノからコト」へシフトし、新たな価値を創造する。
自らの目的を明確にし(理念、ドメイン、ヴィジョン)、信念を貫く。それが揺るぎない
行動へとつながり、快活な企業へと変身していったのである。
 “転機”をチャンスの変える醍醐味が、この本のなかにある。ぜひ、一読を!

 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.7.27)つながり

”考える言葉”シリーズ(H27.7.27)つながり
 
2015年7月27日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15-28)

つながり

 
いい仕事をしようと思うならば、その基本として“つながり”を大事にする必要があると感じている。
 “つながり”とは、関係性あるいは絆と置き換えてもいいだろう。
 どんな職業でも一流といわれ、成功をなした人は、運の強さを口にする。そして、それは「出逢いとその後の関係性の有り様、つまり、“つながり”を大事にしてきたことが大きく影響している」と、強く感じているようだ・・・。
 職場においてもそうだ。場を共にしている仲間たちの“つながり”が深く、強いと、場の環境は明るく、エネルギッシュになる。つまり、帰属意識や仲間意識が醸成される結果、生産的になり、仕事の質が大変良くなるのである。
 では、いい仕事をしている人たちは、“つながり”を大事にするためにどのような心がけをしているか、考えてみたい。
① 自他非分離の思考を信じている
 「出逢った相手は自分である」 出逢うべくして出逢う。利害得失を越えた何らかの“つながり”を信じている。ゆえに、良好な人間関係が生まれ、お互いに感謝しあう関係性が生まれる。
② 有意義で、印象的な時間を共有する
 仕事は勿論のこと、それ以外でも会食や家族ぐるみのつき合いなど有意義で、印象的な時間を共有すると、お互いの距離が縮まり、“つながり”も一層深くなる。
③ 相手に関心をもち、真摯に傾聴し、質問をする
 当然のことであるが、「人は自分に関心を持ってくれる人に関心を示す」ものだ。先ずは、相手のことを良く知ろうと心がけることだ。相手の話に傾聴し、心に残る質問を心がける。
④ 相手への貢献を優先する
 “つながり”が自分自身の存在のベースであると考えているので、その存在を支えてくれている相手への貢献を優先するのは至極当然であるという信念をもって生きている。だから、お互いがそういう価値観で結び合うのである。
⑤ 志を共有する
 これは、絶対にはずせない条件である。志がお互いを引き寄せ合っているのであり、“つながり”の機軸をなしているのである。絆の強さがそこにある。
 “つながり”を大事にするということは、テクニックが通用しない世界であって、ものの考え方や価値観を磨くことが求められる世界であるといえよう。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.7.20)質問力

”考える言葉”シリーズ(H27.7.20)質問力
 
2015年7月20日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐27)

質問力

 
どんな仕事でも、他人に助言する立場にいる人であれば、“質問力”を磨く必要性があると感じている。
 税理士という職業のベースである税務という専門領域は、どちらかというと解答力が問われる職業である。なぜなら、すべての解答が法律で定められており、制度の中に解答がある。その解答を迅速かつ正確に探すことができるのが優れた税理士だからである。だからこそ、解答力を磨くのに労を惜しまなかった・・・。
 “質問力”を磨く必要性を感じ始めたのは、もう25年ほど前に中小企業の経営計画を策定するお手伝いを本格的に始めたときからである。
 熱心に時間をかけて策定したはずの経営計画が画餅になってしまう。なぜだろう?
そんな疑問に対して、考えた挙句、頭に浮かんだのが“質問力”であった。
 会計事務所主導でやってしまうと、どうしても過去のデータを分析し、予測をやってしまう・・・。これが失敗の原因だと気づく。なぜなら、その経営計画には、経営主体である社長の想いが反映されてなかったのである。
 「どんな会社にしたいのか?そのために何をなすべきなのか?」 社長に寄り添い、社長の想いを引き出せるような良い質問を投げかけることもせず、数字合わせをやってしまった・・・。これではノルマに過ぎず、その気になれるはずなかったのである。
 ここでいう“質問力”とは、相手の考えや想いそして行動を引き出す力と考えていいだろう。これができるようになると、経営計画の質はグッと良くなることは請け合いである。経営計画を策定する目的は、なすべきこと、つまり目標を明確にして、その気になってもらうことである。
 “質問力”を高めると、次のような効果が生まれる。
① 相手の考えや想いを確認できる。
② 相手に気づきを与えることができる。
③ 相手のモチベーションを高めることができる。
 経営計画の要諦は、一言でいうと、目標設定の良否に尽きるといっても過言ではない。しかし、目標は他人から与えられるものではなく、自らの意思で決めなければならない。なぜなら、人間は自分で決めないかぎり、その気になれないからである。
 “質問力”は、人間関係の基本のような気がする。相手に関心を持って、相手の話をよく聴く。そして、自然と出てくる相手への質問が相手の気づきやその気を引き出してくれる。当然ながら、お互いに感謝の気持ちが生じる。
 “質問力”で関係性が良くなると、人間は生産的になれる。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.7.13)寛容

”考える言葉”シリーズ(H27.7.13)寛容
 
2015年7月13日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐26)

寛容

 
“寛容”とは、広辞苑によると「①寛大で、よく人をゆるしいれること。咎めだてせぬこと。②善を行うことは困難であるという自覚から、他人の罪過をきびしく責めぬこと。キリスト教の重要な徳目。③(tolerance)異端的な少数意見発表の自由を認め、そうした意見の人を差別待遇しないこと。」とある。
 “寛容”な人とは、愛と豊かさに溢れた人のことで、一流といわれる人物には“寛容”という徳を備えた人が多いという。「寛」という名を授けられた日本人男性が意外と多いが、そんな想いを託されたのだろう。
 土光敏夫氏は、「権限はすべて譲っても、責任だけ残るのが社長だ」という言葉を残されたが、蓋し名言である。「サルも木から落ちる」が如き、油断や怠慢から生じた部下の失敗に対しても責任を問われる・・・。どれほどまで、人として“寛容”でいられるのであろうか。
 もともと、tolerance(“寛容”と訳す)の語源には、「耐える」、「我慢する」という意味があるそうだが、一流の人物が備えている“寛容”とは、その次元を超えた「相手を受け入れる心のひろさ」だと考えたい。
 人(経営者)にとって“寛容”を試されるのは、どんな時だろう・・・。
① 部下や他人の失敗を許せるか
② 意見の対立があったとき
③ 不可解なことに直面したとき
④ どうしても許せない相手がいるとき
⑤ コミュニケーションが円滑に行かないとき
⑥ チームプレーが必要なとき
⑦ 人種や文化等の多様性を受け入れようとするとき
では、“寛容”であるためには、どう自らを処したらいいのだろうか・・・?
“寛容”とは、他人の出方に左右されることではなく、とことん自分自身の心の有り様
だと考える必要がある。“寛容”であるか否か、すべて自分の課題として向き合うべきだろう。
 「言うは、易し」である。だが、実際に“寛容”であり続けることの難しさを誰もが感じているに違いない。つい、打算、傲慢や慢心、忘恩、復讐心、虚栄心など自己中心的な態度をとってしまう・・・。
 「世の中は、無常と無我」(釈尊)、つまり関係性においてしか成立していない。自他非分離こそ、自己を生かす道・・・。“寛容”でありたいと考える。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.7.6)気高さ

”考える言葉”シリーズ(H27.7.6)気高さ
 
2015年7月6日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐25)

気高さ

 
先週、IGグループの上半期合宿を実施した。青少年の家(日吉)に泊まり込んでの合宿は何年ぶりだろうか・・・。オープニングで何を話そうかと思い巡らしているときに、ふっと浮かんだのが“気高さ”である。
 今期は順調な滑り出しで、利益倍増という業績の良さなのだが、バブル的な要素がないのか・・・。IG理念の考え方に基づいた、地に足が着いた思考と行動の結果なのか、自問自答してみる必要を感じたからである。
 IGグループの特徴は、目標管理の徹底にある。組織を構成する各メンバーの主体性を尊重し合い、相互依存の関係性を重視して、衆知を集める。そして、個人の限界を超えた貢献性を追及するところにあると考える。
 そのベースとなる検証システムが、日々の業務日報、部門単位での週末のミーティング、そして月末・月初の全体会議である。まさに、「仮説~実践~検証」の仕組化である。この考え方は、「問題解決の基本プロセスであり、どんな企業においても通用する真の問題解決モデルである」と考えている。
 ドラッカーが提唱した目標管理を自ら実践し、その経営的価値の重要性を多くの中小企業へ伝道することは、IGグループの使命だと想っている。
 さて、本日のテーマについて考えてみたい。
 “気高さ”、つまり、「気高く生きる」ということは価値ある使命観に目覚め、それを実現したいと強く想い、チャレンジし続ける生き様、そのプロセスではないだろうか。合宿で何を話そうかと考えたとき、“気高さ”という言葉が浮かんだのはそのためであろう。
 “気高さ”とは、品格、気品とある(広辞苑)。人間は、どのような人に対して“気高さ”を感じるのだろうか・・・。自己保身や利益を度外視してでも、他者に対して尽くそうとする姿をみて感動する。やはり、無私の心だろう。
 「なにごとも、使命観がないと、あかんな」・・・。松下幸之助氏の有名な言葉として知られているが、仕事で悩み抜いた末の悟りだという。私たち企業人にとっての“気高さ”とは、自らが関わる仕事に対する使命観そのものではなかろうか。
 仕事に対する使命観とは、他者への貢献について考えることである。そして、世のため人のために尽くすという生き方が自らの心を養い、磨き、その人の“気高さ”の土台となっているのであろう。
 「すべての人間は、本質的に“気高さ”への欲求を持っている」という。確かに、その本質に気づき、自らの心がより高次の目的に目覚めたそのときから、“気高さ”への欲求を持った多くの人々と出逢うから、人生は不可思議だ。
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.6.29)Ja‐BIG

”考える言葉”シリーズ(H27.6.29)Ja‐BIG
 
2015年6月29日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐24)

Ja‐BIG

 
“Ja‐BIG”は、全国の中小企業に未来会計を普及するために設立された会計人のネットワーク組織である。 “Ja‐BIG”(Japan Bright Intelligent Group Network)には、次のような想いが込められている。
 「輝く衆知で関係性を構築し、世のため人のために貢献しよう!」
 設立して一年が経ち、参加事務所の戸別訪問を行っている最中であるが、“Ja‐BIG”の近況についてまとめておきたい。
  現在、参加事務所(45件)のメンバー約100名が 『MAS担当者・養成講座』 に参加し、研修中であるが、5月末時点での実態調査の結果、MAS監査の契約総件数は587件、年間総売上は486,181千円である。
 『養成講座』開始後の8ヶ月で新規契約115件が取れ、受注単価も10%上昇傾向にある。数字に関して、いろいろな捉え方があると思うが、“Ja‐BIG”の立上げが成長の刺激要因になっているように思える。
 戸別訪問をしていて、感じたことが2つある。一つは、人材不足。年商一億円を狙うのであれば、2~3人の先行投資が欲しいところである。次に感じたのは、組織体制の問題である。抜本革新をせず、旧体制のままで、つまり及び腰でつまみ食いをしているような感じである。(そうじゃない組織は成果を出している・・・)
 会計業界は、税務を中心とした制度会計(過去会計)という60年以上続いている慣れ親しんだ快適ゾーンがある。其処で、食えないわけではない・・・。故に、事業機会溢れるチャレンジゾーンである管理会計(未来会計)の領域へ軸足そのものをドンと移す勇気が湧いてこないのである。
 いずれの問題も、トップの覚悟さえ決まれば、今だったら解決方法はいくらでもありそうだ。なぜ、未来会計を事業化する必要があるのか?トップが理念を変え、信念を変え、そして行動を変えることができれば、結果は必ず変わっていくのである。
 パラダイムシフトが起きている中、多くの企業が新たな成長戦略が描けないでいる。会計事務所といえども、例外ではない。こんな時こそ、「われわれの使命は何か?」という経営の本質への質問を自らへ投げかける必要がある。
 “Ja-BIG”の使命は、まさにそこにある。“Ja-BIG”が全国の中小企業へ普及しようとしている未来会計は、自らの手で未来を創造するために必要な「論語と算盤」(渋沢栄一翁)を「何を為すべきか」という目標設定のプロセスで、経営者と共にしっかりと考え抜き、悩みを解消させるための会計の体系である。
 “Ja-BIG”が目指す理想と現状との差は大きい。ゆえに、やりがいを感じている。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.6.22)成長戦略

”考える言葉”シリーズ(H27.6.22)成長戦略
 
2015年6月22日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15-23)

成長戦略

 
最近ずっと、『将軍の日』の満員御礼状態が続いている。
 「激しく成長していなければ、激しく落ち込む時代」(中西輝政教授)・・・。これはパラダイムシフトが起きている21世紀世界の特徴だと言われているが、まさに「自らの新たな“成長戦略”を描くことができなければ淘汰されてしまう」という、健全な危機感が経営者に浸透してきた証拠であろう。
 とは言うものの、慣れ親しんだ快適ゾーンにどっぷり浸かってきた思考習慣があり、いざ新たな“成長戦略”を自分で描こうとしても、どこから手をつけたらいいのか戸惑ってしまうのが実情のようだ。
 つねに、「迷ったら原点!」である。企業の原点は、経営理念だと考える。「何の目的で事業をしているのか?」「わが社の存在意義は何か?」「社会へどう貢献していこうとしているのか?」等々、改めて問い直してみる必要がある。
 事業で最も重要なバイタリティーは、経営理念である。停滞した事業を立て直し、好転させるために、先ずやるべきことは経営理念の見直しであると考える。自らが掲げる経営理念においてしか、価値の独自性は生まれてこないのである。
 市場の成熟化やコモディティ化が叫ばれている経済環境の中で、手段や方法をどんなに追いかけても、停滞した状況は一つも変わらない、つまり現状打開は難しいだろう。
 自らの“成長戦略”を描き、持続可能な未来を創造したいと願うのであれば、マネジメントの本質である考え方を徹底して踏襲すべきである。
 第一に、経営理念とヴィジョンを明確にすること。
 第二に、それを具体的な事業としてプランニングすること。
 第三に、そして「仮説~実践~検証」の経営サイクルの仕組みを確立し、実行のためのリーダーシップを発揮すること。
 もちろん、ベースとなる考え方は理念にある。理念を徹底して見直し、それをベースにして何をなすべきかを考え抜くことである。
 いくつかの成長著しい企業を具体的に思い浮かべてみよう・・・。どんな理念を掲げ、どんなビジネスモデルを構築しているか。また、どんなプロセスでそれらを実行し、検証しているのだろうか・・・。深く関心をもって、観察すると、卓越した違いが見えてくるはずである。
 目先のニーズに追われ、自らをコモディティ化してはならない。現状維持は脱落である。今こそ、価値ある“成長戦略”を描くことに専念しよう!
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.6.15)完璧

”考える言葉”シリーズ(H27.6.15)完璧
 
2015年6月15日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐22)

完璧

 
大辞林によると、「“完璧”(中国の故事。「璧」は宝玉。きずのない玉の意から)とは欠点や不足がなく、非常に立派なこと(さま)をいう」とある。
 「“完璧”だ!これじゃ、文句をつけようがない・・・」 そんな誉め言葉を頂戴した経験がないだろうか・・・。しかも、仕事に手厳しく、滅多に誉めてくれない人から「完璧だ!文句をつけようがないよ」と評価されるような仕事ぶり・・・。
 お客様からの苦情の相談を受けたとき、ふと頭に浮かんだのが“完璧”という言葉だ。そう、“完璧”であれば、誰からも文句をいわれる筋合いはないはずである。だとすれば、苦情を言われるということは、“完璧”なサービスではなかったという証ではないかと考えるべきだろう。
 そう捉えるほうが苦情を自分の課題として受け止めることができるので、自らの反省材料となり、向上心に火をつけることができる。“完璧”を目指す第一歩が始まるのだと思う。
 そんなことを考えていると、以前に読んだ『ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則』の書き出しの一行を思い出した。
 「良好(Good)は偉大(Great)の敵である」 つまり、「偉大な企業がめったにないのはまさに、ほとんどの企業がそこそこ良い企業になるからだ。ここに、大部分の企業の問題がある」という。
 及第点で甘んじてしまい、満点(=“完璧”)を目指そうという考えが、残念ながら欠落しているのである。
 仕事とは、世のため人のために仕えるという意味である。自らの仕事を天職だと思えて、その目的を深く信じているのであれば、“完璧”を追求することは当然のことだと思えるであろう。
 小生は、“完璧”の拠り所として『ドラッカーの5つの質問』をつねに大事にしている。
 ①われわれのミッションは何か? ②われわれの顧客は誰か? ③顧客にとっての価値は何か? ④われわれにとっての成果は何か? ⑤われわれの計画は何か?
 ドラッカー曰く、「何事も満足することなく、すべてを見直していかなければならない。だが最も見直しが求められるのは、成功しているときである。下向きに転じてからでは遅い」
 “完璧”とは、テクニックの良し悪しではない。価値観、ものの考え方のレベルなのである。真摯さをモットーに、「真・善・美」を追求し、仕事の質を高めていくことを心がけていきたいと考える。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.6.8)場

”考える言葉”シリーズ(H27.6.8)場
 
2015年6月8日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐21)"


 
今回は、“場”の持つエネルギー(力)について考えてみたい。
 バーナードは、「組織を協働行為の体系」と定義し、「その成立条件は①目的の共有、②貢献意欲、③コミュニケーションの3つ」であると述べている。これは、まさに“場”という概念を絶妙に表現している。
 私たちは、個人の限界を超えようと欲するとき、組織をつくる。その組織に人々が集い、協働の精神を持って働きはじめたとき、生産的な“場”が生まれる。つまり、全体と部分との相互作用から自然発生してくる、“場”のエネルギーである。
 “場”とは、良くも悪くも出逢いと関係性を演出するところである。つまり、その人の運を左右するところである。だから、「良い“場”」との出逢いは、その人に良運をもたらせてくれる。
 「良い“場”」の条件をもう少し具体的に考えてみよう。
① 独自性の高い目的・理念、方向性や使命観をもって自己組織化された場所
② 参加者の一人ひとりがコミットメントし、積極的に参加している場所
③ 開放的(オープンマインド)な場所
④ ハウツーに走らず、物事の本質に関する対話ができる場所
⑤ 二項共存的で、互いの個性を活かし合える場所
⑥ 実践事例が積み上がっていくような場所
⑦ 闊達な意見交換がなされ、相互作用し合えるような場所
⑧ 高い目標を掲げ、つねにチャレンジし続ける場所
⑨ 真摯さに溢れている場所
⑩ 現状に止まらず、イノベーション思考の場所
 良い“場”をつくるためには、「“場”が何をしてくれるかを期待するのではなく、一人ひとりが主体性を持って参加すべき」である。
 エイブラハム・リンカーン(第16代アメリカ合衆国大統領)が、次のような言葉を残してくれているという。
 「誰かが大いなる成功を収めたということは、他の誰もが成功できる、という証明である」
 ほんとうに、共感できる言葉である。パラダイムシフトが起きている今日、そういう先駆的な役割を担いたいと切に想う。
 そんな“場”をつくり、協働の精神を培っていけば、より速く、より大きく革新の輪を広げていけると確信している。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.6.1)決断力

”考える言葉”シリーズ(H27.6.1)決断力
 
2015年6月1日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15‐20)

決断力

 あらゆる失敗の最大の原因は何だろうか?それは、“決断力”の欠如、優柔不断さではないだろうか・・・。
 職業柄、経営の崖っぷちという状況に居合わせる場面がある。まさに、トップの“決断力”を試される瞬間である。「伸るか反るか」の局面であるから、当然のためらいが生じる。だが、トップとして決断から逃げるわけにはいかない・・・。
 経営とは決断の連続である。優柔不断さは、トップにとって致命的欠陥であり、組織の存亡に関わる重大な問題だといえよう。それゆえに、自らの“決断力”を磨き上げる努力を怠ってはならないと考える。
 “決断力”とは、考える力とそれを実行に移す勇気である。経営において決断を迫られる状況は、次の二つに大別して考えることができよう。
(1) 戦略的な“決断力”
 組織の取るべき進路・方向性を見定めるための大局的な決断力。パラダイムシフトが起きている環境において、未来のあるべき姿をどう描くか・・・。ドメインの再構築を含め、イノベーション的な決断を迫られる。理念・目的という原点に立ち返り、「何のために存在するのか?」という目的思考が問われる。
(2) 戦術的な“決断力”
 眼前の敵(問題)にどう対処すべきか、という局所的な決断力。問題の見極めが重要となる。次の4つの質問が有効だ。
① 問題点は何か?(つまり、問題の所在をはっきりさせる)
② 問題の原因は何か?(原因をはっきりさせると解決策が明らかになる)
③ 解決策は幾通り考えられるか?(衆智を出し合う)
④ 最も望ましい解決策はどれか?(実行可能な解決策を絞り込む)
 “決断力”の欠如とは、主体性の欠如と置き換えてもいいのではなかろうか。問題への無関心さ、他人への依存、失敗への恐れ、判断力の低下、ストレスによる無気力感、疲れによる集中力の低下等々。
 だから、上記の二つの視点からつねに問題と向き合い、自らの主体性を磨き上げることが“決断力”の向上につながるのである。それから、勇気。決断の価値は、それを下すのにどれだけの勇気が必要であったかによって決まるという。勇気とは、自らの信念を貫き通そうとする強い心意気のことである。
 経営そのものが難しいのではない。自らの“決断力”の欠如が経営を難しくしているのだと考えてみよう。やることを明確にすれば、物事はシンプルである。

 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.5.25)エッセンシャル思考

”考える言葉”シリーズ(H27.5.25)エッセンシャル思考
 
2015年5月25日(月)
 
”考える言葉”シリーズ(15-19)

エッセンシャル思考

 
飛行機での移動中、読んでいて面白いと思った『エッセンシャル思考~最小の時間で成果を最大にする』(グレッグ・マキューン 著)を紹介したい。
 エッセンシャル(essential)とは、「本質的な、必要不可欠な」という意味である。著者は、多くの優秀な人たちが本質を見失うことの代償を払わされて、生きているという。つまり、「自分で優先順位を決めきれずに、他人の言いなりになってしまっている」という。
 “エッセンシャル思考”とは、「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方・・・。つまり、本当に大事なことを見極め、最高のパフォーマンスを発揮することが可能となる生き方である。
 著者は、“エッセンシャル思考”のコアとなる考え方さえ身につければ、そのやり方は習慣化できると断言している。
 “エッセンシャル思考”の基礎となる考え方は、次の3つである。
 ① 「選択」・・・やると決める。選択とは行動である。与えられるものではなく、つかみとるものだ。
 ② 「ノイズ」・・・大多数のものは無価値である。重要な少数が瑣末な多数に勝る(80対20の法則)
 ③ 「トレードオフ」・・・何かを撰ぶことは、何かを捨てること。トレードオフとは、戦略的かつ慎重に選び取るべきもの、「自分はどの問題を引き受けるのか?」である。
 さらに、著者は「“エッセンシャル思考”とは、人生のクローゼットを整理するしくみのことだ」と述べ、人生のあらゆる場面で、仕事や用事を正しく「減らす」ための確固たるルールが必要だとし、そのルールの要素として3つの技術(見極める、捨てる、しくみ化する)を細かく紹介しているが、その内容については割愛する・・・。
 さらに要約すると、“エッセンシャル思考”とは「本質を知り、本質を生きる」ということである。つまり、シンプルで意味のある生き方をする・・・。それを習慣化すると、「迷わない、流されない、日々が楽しくなる」という恩恵を授かるのである。
 ふと、頭に浮かんだ本がある。以前に読んだ、D・カーネギーの『道は開ける』という名著だ。「悩みを克服し、いかに充実した人生を送るか!」 悩みの多くは、杞憂・・・。「砂時計の砂が一粒に一刻を刻むように、一度に一つの仕事を片付けるしかないのが人生」、である。「一日という区切り」を意味ある生き方にするしかないのである。
 IG式目標管理システムは、まさに“エッセンシャル思考”を実践するための「体系」であり、「しくみ」だといえよう。さらに、その推進に精進したいと考える。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.5.18)主体性

”考える言葉”シリーズ(H27.5.18)主体性
 
2015年5月18日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐18)
 
主体性

 “主体性”の確立は、IGグループにおける人材ヴィジョンの根幹をなすべき究極の課題である。ゆえに、考える言葉”シリーズの常連テーマでもあり、幹部会など社内研修の折も、つねに気になるのが“主体性”である。
 “主体性”について考えるとき、3つのキーワードがある。それは、① 選択、② 責任、③ 信頼 だと考える。その一つひとつについて吟味してみたい。
① 選択
 人生は、選択(判断)の連続であるという。つまり、その時々の善し悪しの判断と選択、その結果の積み上げが人生である。その選択が、自らの意思であったかどうかが問われるといえよう。また、その選択の基準となるのが、その人の持っている価値観であり、人生観である。(人間学を学び、磨いているかどうか・・・)
② 責任
 選択には、行動が伴う。そして、行動を起こせば、必ず結果が生じ、その責任が問われる。結果に対して、良くも悪くも自己責任で向き合えるかどうかが、“主体性”である。あらゆる結果に対して、自らの責任を問う姿勢は自らの“主体性”にフィードバック機能を働かせるという意味おいても重要である。
③ 信頼
 自らの選択と責任の取り方が、他者から共感・共鳴されるかどうか・・・。つまり、他者との良好な信頼関係の構築に繋がるかどうかである。仮に、“主体性”を発揮できたとしても、他者からの信頼が得られないとしたら、持続的な成果は期待できないであろう。信頼関係の構築には、“主体性”の質が問われるのである。
 “主体性”の本質は、自らの選択と責任である。それらの質が高ければ高いほど、他者との信頼関係の絆が深くなるのだと考える。
 思うに、確立された“主体性”には、レベルの高低、つまり、レベル(次元)の違いがあるといって良いだろう。
 人間は、上に立てば立つほど、レベルの高い“主体性”を求められる。それは、関わる人たちに対する影響力の大きさからである。万人から共感される、ものの考え方とは何か?その人が持っている哲学(レベルの高い人生観)であろう。
 このように考えると、“主体性”の確立とは、自分の磨き方、生き方である。
「出逢った相手は自分である!」という自他を分離しないという統合の価値観は、様々な気づきを与えてくれる。『経営人間学講座』を20年間学びながら、“主体性”の確立こそが、その本質的なテーマだ、と改めて、気づかされる。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.5.11)事なかれ主義

”考える言葉”シリーズ(H27.5.11)事なかれ主義
 
2015年5月11日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐17)

事なかれ主義
 
 組織の中に慣れ親しんだ快適ゾーンが確立されてくると、“事なかれ主義”の誘惑にさらされるという。その内、それが組織の文化や常識となり、それらのリスクを疑うことすらしなくなる。
 組織が健全であり続けるためには、高い水準の仕事の成果が必要である。そのためには、事業機会溢れるチャレンジゾーンへ踏み込む必要があるのだが、失敗を嫌うのか、誰もがそのチャンスに気づかない振りをしてしまうのだ。まさに、マネジメントが機能不全に陥った状態であるといえよう。
 パラダイムシフトが起きている環境の中で、現状維持などあり得ないのである。新たな成長領域を見出していく努力をしないかぎり、存続・発展は困難であると考えたほうがよい。
 前回の“考える言葉”シリーズで、「優れたトップほど、たくさんの失敗談をもっている。・・・優れたトップは、失敗から学ぶ姿勢がいい」と述べたが、ドラッカーが次のようなことを述べている。
 「信用をしてはならないのは、決して間違いを犯したことのない者、失敗をしたことがない者である。そのような者は、無難なこと、安全なこと、つまらないことにしか手をつけない。成果が打率であるとことを知らないならば、横並びを成果とし、弱みがないことを強みと誤解する。そのようなことでは、組織の意欲を失わせ、志気を損なう。人は優れているほど多くの間違いを犯す。優れているほど新しいことを行うからである」
 IGグループ創業以来の31年間を振り返ると、つねに変化の連続だったような気がする。出来つつある安定的な基盤に安住しようという気もなく、内心冷や汗をかきながらでも、いつもチャレンジしてきた・・・。その気持ちは今も変わらない。
 「業界において常に先駆的役割を担い、品質の高い知的サービスを通じて企業の繁栄に貢献する」というIG理念に恥じぬように心がけて仕事をしてきたからであろう。また、創業の比較的はやい時期から導入し、システム化した『IG式目標管システム』の効用が主体性の高い人材育成に功を奏しているからだと確信している。
 優れた仕事ぶりとは、一過性で終わってはならない。長期的で、多様な仕事で成果を生んでいく必要がある。ドラッカーがいうように、成果の打率を高めていけるような仕事ぶりである。
 ましてや、変化の激しい今日、“事なかれ主義”のような考え方で高い水準の仕事をメンテナンスしていけるはずがない。失敗を恐れず、チャレンジ精神を培っていきたいと思う。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.5.4)フィードバック

”考える言葉”シリーズ(H27.5.4)フィードバック
 
2015年5月4日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐16)

フィードバック

 生産的な人、即ち仕事のできる人は、“フィードバック”機能に優れているという。
 “フィードバック”とは、結果に応じて原因を調整することをいう。つまり、仮説を立てて、実践し、その結果を検証した上で、当初の仮説を調整し、より良いものにつくり変えていくことをいう。
 プロには、仮説の達人と呼ばれる人がいるが、実は“フィードバック”機能が人一倍優れているのである。というよりも、仕事における“フィードバック”の重要性を誰よりも認識しているのだ。
 ドラッカーも“フィードバック”の重要性について、次のように述べている。
 「意思決定の前提を検証するために必要な“フィードバック”の仕組みをつくらなければならない。決定後の状況が想定どおり進展することは少ない。最善の意思決定さえ思わぬ障害にぶつかり、あらゆる想定外の事態に遭遇する。しかも、最も優れた意思決定さえ、結局は陳腐化する。したがって、結果からの“フィードバック”がないかぎり、期待する結果を手に入れ続けることはできない。・・・・・」
 経営とは、まさに意思決定の連続である。然も、トップの行う意思決定の多くは未知への挑戦である。リスクを恐れず、機会を優先する勇気を問われる・・・。優れたトップほど、たくさんの失敗談をもっているという。ある意味、優れたトップの宿命だといえよう・・・。では、なぜ彼らは失敗に潰される事なく、生き残ってこられたのか?それが、“フィードバック”の効用だと考える。
 優れたトップは、失敗から学ぶ姿勢がいいのである。つまり、“フィードバック”を通じた学習力がずば抜けて凄いのだと思う。自らの失敗を認めて反省し、自分自身のあり方を改めていく姿勢、その“フィードバック”機能が素晴らしいのだと思う。
 このように考えると、“フィードバック”の本質は“真摯さ”ではないだろうか。つまり、目的に対する一貫性・・・。目的に対する貢献と責任を自らのバックボーンとし、結果と真摯に向き合う。そして、自らの失敗を素直に認め、自己革新をやり続ける姿勢こそが要求される。
 そして、“フィードバック”の効用として次の点を掲げることができよう。
① 仮説の精度が高まっていき、意思決定の必然性が高まる。
② 継続学習の風土が培われ、人材育成の場となる。
③ 「仮説~実践~検証」という経営サイクルが確立され、未来創造型の経営基盤が確立される。
変化に適応するためにも、“フィードバック”機能が必要とされる時代である。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.4.27)IG理念

”考える言葉”シリーズ(H27.4.27)IG理念
 
2015年4月27日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐15)

IG理念
 
  IGとは、知的集団(Intelligent Group)の略称で、「衆智を集め、世のため人のために、良い仕事をしよう」という想いを込めて、そう呼んでいる。つまり、「個人の限界を超えた社会貢献をしたい」という想いである。
 そして、IGグループが掲げている“IG理念”の内容は次のとおりである。
一.業界において常に先駆的役割を担い品質の高い知的サービスを通して企業の繁栄に貢献する
一.我々相互の主体的価値を尊重し互いに切磋琢磨する
一.全人類の自己実現のために衆智を集める
 創業当初につくったもので、一歩を踏み出したばかりで、期待と不安が入り混じっていたのだろう、多少の気負いもあったと思うが、あの当時の想いが脈々と続いて今日があるような気がする。
 この“IG理念”のキーワードは、変革のリーダー的役割、プロ人材の育成とネットワーク化、自己実現のステージ創りである。
 昨年、創業30周年を迎えたとき、“IG理念”を反芻しながら、私たちの歴史を振り返ってみたが、この理念の下、離合集散を繰り返しながら、IGグループとしての組織風土や文化が培われたのだと確信できる。
 創業の頃、お金も人脈もなかった私たちにとって、高邁かつ不遜な理念であったが心の支えになったことは事実である。食うために皆でがむしゃらに働いたが、“IG理念”があったからこそ、一丸となって、がむしゃらに働いてこられたのだと思う。
 「なぜ理念が必要なのか、どんな効用があるのか?」と、よく訊かれることがある。次のように考えている。
① 自らの存在意義を明確にできる(目的の共有、協働意識、結束力など)
② 自らの取るべき進路(方向性)を明確にできる(あるべき姿、自己革新、ベクトルの一致など)
③ 自らの価値基準(物差し)を明確にできる(個性の統合、価値の創造、トレードオフの解消など)
 創業30年という年月は、企業にとって、一つの大きな節目である。次世代をどう描いていくのか・・・。IGグループにとって、今年は「Next Innovation」を中期ヴィジョンに掲げた新5カ年計画のスタートの年である。“IG理念”の考え方をどのように進化させていくかを問うべき5ヵ年ともいえよう。
 「信ずるものがあるからこそ、がむしゃらに働ける!」 それを有難いと考える。 

Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.4.20)継続

”考える言葉”シリーズ(H27.4.20)継続
 
2015年4月20日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐14)

継続
 
 「継続は力!」という言葉がある・・・。確かに、そう実感できる。
 小生が講師をさせて頂くセミナー等でも「あなたの成功の秘訣は何か?」と聞かれると、「覚悟を決めて、成果が出るまでやり続けること!それ以外の妙案は知らない」と応えている。
 “継続”とは、何かをやろうと決めたら、それをやり続ける意思の強さである。つまり、思う気持ちの強さだといえよう。例えば、挨拶や清掃でも、早起きでもいい、やろうと決めても、それを徹底するという本気の思いがない限り、単なるスローガンで終わり、成果が出ないまま、途中で辞めてしまうことになるだろう・・・。
 では、“継続”のベースとなる、やり続ける意思の強さ、思う気持ちの強さとは何から生じるのであろうか?
 一言でいうと、目的意識である。つまり、「何のために?」を問い、目的を明確にしておく必要がある。目的が明確になると、心の迷いがなくなる。ヴィジョンが鮮明に描けるようになるので、なすべきことにブレがなくなる。つまり、信念が生まれる。その信念がゆるぎない行動へと結びつくのだ。そして、その行動が成果を生むのである。
 この「目的~信念~行動」が循環化する「思考と行動の原理」は、何かを成し遂げた人であれば、誰もが体感している真理である。
 それから、もう一つ大切なことがある。それは、“継続”を支えるための仕組みづくりである。
 20数年前から、IGグループが自ら実践し、他へもオープンにしている『IG式目標管理システム』は、まさにそのための仕組みづくりだといえよう。
 先ず、「何のために?(目的)」を問う。そして、あるべき姿(ヴィジョン)を明確に描き、現状との差(=問題)を捉え、その差を埋めるために具体的な目標を掲げ、その達成のための最適な手段を選び、行動へ結びつける。
 この考え方を「仮説~実践~検証」という経営サイクルの仕組みとして確立させ、各人が習慣化できるように組織風土を醸成していくのである。一人ひとりが自らの主体性が培われていくことを実感できるようになれば、自己変革をやり続けることができる人材として成長し、“継続”力が身につく。
 いうまでもないが、“継続”とは、同じことを繰り返すことではない。日々、創意工夫が必要で、進化こそが本質である。よく、螺旋階段に例えられることがある。同じことを繰り返しているように見えて、実は確実に高さは変わり、見える景色も変わっている。
 何かを成し遂げようとするとき、やはり、“継続”は力であり、進化なのだ。
  
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.4.13)エコマート

”考える言葉”シリーズ(H27.4.13)エコマート
 
2015年4月13日(月)
”考える言葉”シリーズ(15-13)

エコマート
 
 2015年1月、すべての企業が繋がる電子請求書のプラットフォームの普及を目的に設立された「一般社団法人 エコマート」について紹介をしたい。
 資源の無駄遣い、CO2などの環境問題等で社内におけるペーパーレス活動が叫ばれて久しいが、本気で取り組んでいる企業は意外と少ないのではないだろうか。社内におけるペーパーレスが進まない理由はいろいろ想定できるが、小生がもっと気になっていたことが外にある。それは、企業間のやりとりで発生する契約書、請求書、領収書などのペーパーレス化が遅々として進んでいないという現状だ。取引先・関係先の合意、足並みが揃わない限り、難しいという観念であろう・・・。 
 村上勝照氏(インフォマート 代表取締役社長)から“エコマート”構想を耳にしたときは、驚嘆した。
 「1社で難しい試みなら、みんなで一緒に実現すればいい・・・」という。そのための社会的インフラが、「電子請求書プラットフォーム」である。“エコマート”は、その普及活動を担い、すべての請求行為の電子化に貢献しようというわけだ。
 “エコマート”の挑戦は、社会的な意義が大きい。それは環境への貢献だ。ペーパーレス化によって、CO2の排出抑制効果が生じる。紙の原料となる木は、CO2の吸収源である。紙の使用料の減少で伐採が減れば、CO2削減につながる。また、紙の焼却処理、コピーによる電気の使用、資源のムダなど、いろいろと考えられる。また、企業への意義も大きい。なんといっても、事務処理の減少で時短・コスト削減効果がある。それに伴って、自計化が推進され、月次決算の早期化なども期待できる。
 電力・ガス・水道や通信系、運輸、金融、不動産などのインフラ系企業の参画をはじめ、システム会社や公益・公共的な団体への働きかけが鍵となるだろう。もちろん、一般企業への地道な啓蒙活動も大切だ(ここは、会計人をネットワークしているJa‐BIGの出番であろう)。
 これから、ビジネス社会の慣習や常識との戦いがはじまる。困難が伴う戦いになると思うが、“エコマート”の活動は時流である。時代の後押しがあるとすれば、あとは関わる人の問題だ。先日、初の理事会が開催され、理事・監事と運営委員の面々が一堂に会する機会があったが、目的意識をしっかり持って仕事をされてこられた方々ばかりであった。
 時流であり、信念を持った人々が集う事業は、強運を引き寄せるという。運を引き寄せたい方、ぜひ、次のホームページを一読願いたい!
 
www.ecomart.or.jp (一般社団法人エコマート)
 
 Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.4.6)格付

”考える言葉”シリーズ(H27.4.6)格付
 
2015年4月6日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐12)
格付
 
 今回、柳澤賢仁税理士(東京)からの提案で、「一般社団法人 日本中小企業格付機構(JSBR)」の立上げに参画させてもらった。
 バブル崩壊後だから、もう20数年前からだろうか、ムーディーズ、S&P、フィッチなど“格付”機関の存在を知ったのは・・・。その後、エンロンの破綻、サブプライムローンの問題や国(国債)の“格付”などでニュースとなり、何かと物議をかもし出す、傲慢で、いかがわしい存在としか思っていなかったのだが・・・・・。潰れずにあるということは、世の中から必要とされているからであろう。また、近年では中小企業の“格付”取得も静かなブームとなっているという。これを機に、中小企業における“格付”の意義と有用性について再考してみたい。
 JSBRにおける“格付”の目的は、中小企業の商取引に安心と信頼を実現するために、財務健全性に関し、職業会計人と共同で、信用“格付”を行うものである。その有用性について、“格付”を受ける側と行う側の両面から考えてみよう。
 先ず、“格付”を受ける中小企業にとっての有用性とは何か・・・?
① “格付”に基づいた誠実なリスク開示を行うことによって、外部環境との良好な関係性の構築ができ、様々な商取引の優位性を確保できる。(PR効果)
② “格付”により、自社の実力を正しく知ることができ、内部環境における自己変革の方向性を見定める機会ができる。
  次に、“格付”を行う側の職業会計人にとっての有用性とは何か・・・?
① 粉飾などがない、信頼性の高い財務諸表を作成することができる。
② 企業に対する問題発見能力が高まり、提案型サービスができるようになる。
③ “格付”を良くすること自体を仕事として提案できる。
 時代の大きな変わり目を迎え、事業承継問題をはじめ、様々な経営課題に直面している中小企業にとって、独自性のある成長戦略を描けるかどうかは、最優先すべき課題である。そのためには、孫子いわく、「彼(てき)を知り己を知れば百戦危うからず」である。
 また、中小企業のゴーイングコンサーンを下支えする「社会的インフラ」としての役割を担う職業会計人にとって、“格付”向上は、自らの業務を評価してもらえる指標になると考える。
 関心がある方は、ぜひ、下記の「日本中小企業格付機構」のホームページを開いてみよう。(入会特典については、問い合わせ要)
http://jsbr.org/kangaerukotoba/
  
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.3.30)M&A国際会議

”考える言葉”シリーズ(H27.3.30)M&A国際会議
 
2015年3月30日(月)
”考える言葉”シリーズ(15‐11)
M&A国際会議

 
この時期の恒例で、楽しみの一つとなっている、日本M&Aセンター主催の「M&A国際会議」へ今年も参加(3月18~22日)。
 この催しは、1994年の上海を皮切りに、世界の経済的主要都市を舞台として毎年行われており、今年が第21回目の開催になるという。開催の趣旨は、日本M&A協会の理事会員となっている職業会計人一人ひとりにグローバルな視点やセンスを養ってもらい、日々の仕事に役立ててもらうことにある。
 さて、今年の舞台はシンガポール!マレー半島南端、赤道直下に位置する島国で、
一年を通じて高温・多湿な気候である。日本各地から、直行便で概ね5~6時間ぐらいのフライトで、チャンギ国際空港へ到着する。
 会場は、マリーナベイ・サンズ。5年ほど前に建設された、3つの高層ビル(高さ200m、57階建て)を屋上で連結した構造で、その屋上にはプールもあり、シンガポールを一望できる展望台としても有名な観光スポットである。世界最大のカジノを中心に、ホテル(2,561室)、コンベンションセンター(12万㎡)、ショッピングモール(7万4千㎡)、美術館、シアターなどを含んだ複合リゾートとなっており、その中で一日中楽しめる空間だ。
 “M&A国際会議”へは、今年も400名近くの参加があり、とに角、盛況で勢いを感じる。もちろん、分林会長や三宅社長はじめ日本M&Aセンターの面々も気合が入って当然だ。馴染みの理事会員の方々も多く、和気あいあいとした中で有益な情報交換もできて嬉しい・・・。
 シンガポールに在住し、日本企業のアジア進出をサポートされている方々の講話を拝聴すると、これからの日本は、アジアという地域を無視して成長戦略を描くのは難しいのではないかと実感する。
 建国50年を迎えたシンガポールの経済発展の凄まじさは、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域、10カ国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア)の経済発展の可能性を象徴しているような気がする。それに中国やインドを加えると、21世紀世界はアジア中心の時代へとなるに相違ない。
 もう一つ、3日間過ごして驚いたのは物価の高さ!恐らく、世界一でなかろうか?小生の家内も秘書の久保君も、「購買意欲が湧いてこない!」と嘆いていた。
 さらに驚いたのは、帰国した翌日(23日)に、シンガポール建国の父であるリー・クアンユー元首相(91歳)が死去したとのニュース・・・。哀悼の意を表したい。
  
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.3.16)勇気

”考える言葉”シリーズ(H27.3.16)勇気
 
2015年3月16日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐10)
勇気

 小さい頃から“勇気”を試される場面に遭遇した経験は、多かれ少なかれ、誰にでもあることだと思う。そんなとき、どんな“勇気”を奮い立たせてきたのだろうか・・・。
 恐怖心、不安、羞恥心、倦怠感、虚栄心、疑惑、執着心など・・・。何か、自らの意志を貫こうとするとき、これらネガティブな感情を克服し、一歩を踏み出すための“勇気”を奮い立たせる必要がある。
 “勇気”を語るとき、昔からよく引き合いに出されるほど有名な言葉がウィンストン・チャーチルの次の名言であろう。
 「金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、“勇気”を失うことはすべてを失う」「“勇気”がなければ、他のすべての資質は意味をなさない」・・・。
 “勇気”とは、自らの信ずるところを貫き通す覚悟の決め方である。
 経営をしていると、いろいろな場面で試されるのが“勇気”であろう。誰もが一度や二度ならず自らの“勇気”を試される状況に立たされて、冷や汗や、武者震いを経験したに違いない。
① 革新をやり続ける勇気(変化への適応、イノベーションへの挑戦)
② 仕事を任せる勇気(手離れさせる不安)
③ 取引先を選択する勇気
④ 権限委譲の勇気(執着心)
⑤ 泣いて馬謖を斬る勇気(信賞必罰)
⑥ それまでの努力を捨てる勇気(撤退、見切り千両)
⑦ 出処進退の勇気(後継者の選定、M&Aなど)
他にも、いろいろな場面で“勇気”が試されるであろう。
 経営者の大変さは、組織全体の課題を自分の課題として受け止め、整理整頓せざるを得ないという立場からくる。つねに、気力を充実させておく必要があるのだ。
 ニーチェの言葉であるが、「自分をだめだと思ったり、人に対して憎しみを覚えたりしたときは、疲れている証拠だ。そういうときはさっさと自分を休ませなければならない」と。確かにそうだ。疲れている状態を引きずって、“勇気”が湧いてくるはずがない。
 ある人はいう、「リーダーにとって大切なのは、胆識である」と。ここでいう、「胆識とは、見識に“勇気”が備わった状態」のことだそうだが、同感だ。信念が伴った知識が見識で、それを実行に移すのが勇気である。
 トップリーダーの決断、“勇気”には、往々にして孤独が付きまとうことが多い。それは、大衆迎合しないという“勇気”であり、それがトップの仕事である。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.3.2)先延ばし

”考える言葉”シリーズ(H27.3.2)先延ばし
 
2015年3月2日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐09)
先延ばし

 確定申告の時期といえば、多くの会計事務所にとって超繁忙期である。「陣中見舞いの差し入れ、何が欲しい?」と聞かれると、「時間!」と応えるほどに、何かと気ぜわしく、殺気立っている。 
 ただ、どんなにバタバタ、気ぜわしくしてようと申告の法定期限までに完了してしまうから不思議だ。もちろん、期限後など言語道断、終わらせてしまわなければ信用ものだから、当然なのだが・・・。
 そこで、いつも疑問に思うことがある。どんな状況であろうと、期限になると終わるのであれば、期限の前倒しが可能ではなかろうかという疑問である。どんな仕事でもそうであるが、期限になったから自然に終わるなんてことはあり得ないのだ。そこに必ず「終わらせる!」という本人の意思が働いているはずである。だったら、期限の前倒しだって、本人の意思があればできるのではないか?
 だが、現実はそうならない。前倒しどころか、何だかんだと言って“先延ばし”をしてしまう傾向が強いのだ。そこで、「なぜ?」という疑問が生じる。
 すぐにやらず、“先延ばし”をする、何らかの理由が存在するのであろう。
 ① 面倒なこと、嫌なことと、向き合うのを避けている。
 ② 忙しい、つまり時間がないことを口実にしている。
 ③ 計画を立てるが、日課として実行に移さない。
 ④ 暇だから、いつでもできると思う。
 ⑤ 人間関係の煩わしさを避けている。
 ⑥ 眠い、だるいなど体調の悪さを言い訳にして明日に延ばす。
 ⑦ 誰かがやってくれることを期待している。
 ⑧ 行き詰っているのに、その事にしがみついている。
 少し、考えてみても、けっこうな理由が思い浮かんできた。他にもあるのだろう・・・。
 では、“先延ばし”の対策はどうだろうか? 
 明白なのは、「何も行動しないのに、何かが成し遂げられるということは、絶対にあり得ない」ということである。“先延ばし”によって、事態が悪化することはあっても、好転することはあり得ないということを自覚すべきである。
 “先延ばし”の理由をいろいろ述べでみたが、要は「やるか、やらないか」の決断の問題であり、“けじめ”のつけ方なのだ。
 「“先延ばし”は、今の時間からの逃避!」 そう考えると、じつにもったいない話だ。
日々けじめをつけた積極的な行動においてしか、叶う成果は得られないのである。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.2.23)自己欺瞞

”考える言葉”シリーズ(H27.2.23)自己欺瞞
 
2015年2月23日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐08)
自己欺瞞
 
 東京駅の本屋で何気なく手にした一冊の本、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート 著)を紹介したい。
第1刷発行(2006年11月5日)だから、ロングセラーとなっている、アメリカで書かれた物語形式の啓発書である。「何気なく・・・」と書いたが、恐らく 「人間関係のパターンを変えれば、うまくいく!」というサブタイトルに惹かれたのだろう。
「箱」とは、“自己欺瞞”(Self‐Deception)のことである。
「人は、自分の感情(他の人のために貢献したいと思う良心)に背いたときに、自分への裏切りを正当化するために、「箱」に入る。すなわち、“自己欺瞞”に陥る・・・。そうすると、周りの世界を自分を正当化する視点で見るようになるから、現実を見る目が歪められるようになる。つまり、自分自身の問題に気づかなくなり、すべてを他人のせいだと考えてしまう。
人は、箱に入ってしまうと、その自分を正当化するために、他人の粗探しばかりするようになり、周りの人たちまでも箱の中に入るようにしむけてしまい、互いに自分を正当化する集団へと化してしまう。そして、共謀して、互いに箱の中にいる口実を与え合うようになる・・・」
ざっと、こんなストーリーである。“自己欺瞞”の恐ろしさは、感染するところにある。
こんな人間関係の組織で生産的な行為がなされるはずもない。生産性の向上を期待するどころか、まさに、組織存亡の危機である。
稲盛和夫氏は、かなり以前から「仕事の成果=考え方×能力×熱意」であり、その中でも最も重要なのは、「考え方」だと示唆されている。能力や熱意の高低は、百かゼロであるが、「考え方」はプラスにもマイナスにも百になるから、危ないという。
ここでいう「箱」とは、“自己欺瞞”というマイナスの「考え方」であり、その人の判断基準をなす価値観といえよう。
“自己欺瞞”という価値観は、自分自身への裏切りを正当化するための道具としてしか、他人を扱おうとしないのであるから、良好な人間関係など築けるはずもないのである。マイナス効果で組織に打撃を与えること、必至である。
どうすれば、この「箱」から脱出できるのだろうか・・・。
いろいろと書いてあるが、一言でいうと『経営人間学講座』で学ぶ、自他非分離の思考(自分と他人を分離しないという考え方)、つまり統合の価値観のことが書いてあるといえよう。
“自己欺瞞”から脱却し、人間の本質に立ち返れ!ということだが・・・。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.2.16)棚卸し

”考える言葉”シリーズ(H27.2.16)棚卸し
 
2015年2月16日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐07)
棚卸し
 
 Ja-BIG主催の『MAS担当者 養成基本講座③「経営の本質」』(2月13~14日)を終えたばかりである。
変化の多い時代環境では、たんに効率性の追求だけでは成果は望めない。創造性や変革を実行するリーダーシップが求められる。つまり、「何のために」という目的や根本を問う本質思考ができるリーダーが必要となるのである。今回は、ピーター・F・ドラッカーやマービン・バウアーなどの経営思想をベースに「経営の本質」について、じっくりと考えてもらった二日間だったと思う。
さて、話題は変わるが、本講座後の補講で『トヨタ流5Sの進め方』(講師 石井住江コンサルタント)を学ぶ機会があり、腑に落ちたので少し紹介をしたい。
トヨタ流5Sの凄さを一言でいうと、下記の通り使う言葉の定義づけがしっかりしているので本質思考(物事を深く考える力)が身につき、主体的な人財の育成につながることであろう。
① 整理:現状の把握(あるべき姿と現状との差)
② 整頓:問題点の費目別区分け
③ 清掃:問題点の見える化と役割分担(ムダの削減)
④ 清潔:財務データの検証による進捗管理(ルールづくり)
⑤ しつけ:ルールの定着化・継続性
石井講師の話を聴きながら、頭に浮かんだのが“棚卸し”である。流れがよく似ているのである。ここでいう“棚卸し”とは、小生が定期的に行っている自分自身の仕事に対する進捗管理(整理・整頓)のことである。
日々の業務の進捗状況は毎日チェックを行っているが、最低月に一回はまとまった時間をとって、仕事全体からの見直し、つまり“棚卸し”を行っている。今抱えている仕事の一覧表を作成し、あるべき姿から要・不要を再確認し、捨てるものは捨て、残すものについては優先順位の見直しを図る。
“棚卸し”の効用は、抱えている業務の整理整頓がつくのは勿論であるが、心の整理(置き所)ができることである。どんなに多忙なスケジュールであろうと、それが「為すべきことを為すため」に重要であることが確認できれば、腹が決まるというか、エネルギーが湧き出てくるのを感じることができるのである。
やはり、人間には、深く考えるための時間が必要なのだと思う。ハードに働き、立ち止まって内省するための時間・・・。
IG主催の『将軍の日』は考える一日、“棚卸し”のための大切な時間だと確信する。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 
 

”考える言葉”シリーズ(H27.2.9)未来会計

”考える言葉”シリーズ(H27.2.9)未来会計
 
2015年2月9日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐06)
未来会計
 
  『“未来会計”の真髄』というテーマで、3会場(東京、長崎、宮崎)で講演をする機会を得た。
この講演の内容の骨子は、概ね次のとおりである。
① “未来会計”が求められる時代背景とは何か?
② “未来会計”とは何か?(定義、目的、仕組み)
③ “未来会計”にはどのような効果があるのか?
“未来会計”とは、「経営者の意思決定をサポートするための会計の体系(Management Accounting System)」と定義することができよう。
どの会場においても、色々な場面で頷き、熱心に聴講して頂いた経営者の方々がおられたので、“未来会計”に対する経営者の方々の反応に手応えを感じることができた。
さて、今回の講演でもっとも共感・共鳴して頂いたのは、次の内容だったのではなかろうか・・・。(頷きが一番多かった)
「運を引き寄せる経営をしよう~出逢いと関係性を演出する!」という見出しで、小生がいつも大事にしている、次の言葉を紹介する場面である。
「人間は価値ある目的を持ったその時から、その人の人生のあらゆる出逢いが価値あるものになっていくのである」(ヘーゲル)。
つまり、自らが選んだ価値ある目的そのものが、その目的を実現するために必要なあらゆる出逢いを引き寄せているのだという実感である。
事業を成功させている人は、みな運の強い人である。運とは、出逢いなのである。そして、その運は、その後の関係性をどう築いていったかによって動くのである。このように考えると、経営の目的を実現するために策定する経営計画とは、「出逢いと関係性を演出するためのシナリオづくりである」と考えるべきであろう・・・。
人生でも経営でもそうであるが、目的がはっきりしている人の心には、強烈な信念が宿っている。だから、その人の行動には揺るぎがないのである。その人の欲する結果を引き寄せて当然だ。
まさに、“未来会計”の真髄が、ここにある。小生の座右の銘の一つに、「人生は心一つの拠り所」(中村天風)という言葉がある。本当に、人生は自分自身がどう思って生きるかによって決まるのである。
トップの想い(理念)が、その組織の風土を形成し、その場を共有するすべてのものに影響を与え、組織の運命を決めていく・・・。それが、“未来会計”の効用である。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27.2.2)ルーズ

”考える言葉”シリーズ(H27.2.2)ルーズ
 
2015年2月2日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐05)
ルーズ

   全員参加の経営会議での気づき・・・。
分社・部門や委員会ごとに検討した内容を、各リーダーが発表し、全員で討議するための時間がある。いつも感じることであるが、そのときの発表の内容が場を活気づかせたり、暗い雰囲気をつくったりするという事実だ。
つまり、発表内容の差が場の雰囲気をガラッと変えてしまうのだ。「同じ条件下でやっているはずなのに、なぜ内容の格差が生じるのだろうか?」と考えていると、ふっと頭に浮かんできた言葉が、“ルーズ”・・・。
ずいぶん前までは、「あいつは、××に“ルーズ”だからなぁ・・・」と、良く使っていたような気がする。お金、時間、約束、性格等に“だらしのないさま”をいうのである。なんで、“ルーズ”という言葉が急に甦ってきたのだろうか・・・。
この際、経営や仕事に対する“ルーズさ”という観点で考えてみよう。ここでいう、“ルーズ”という意味は、「やるべきことをキチンとやらないこと、手抜きあるいは慢心」と捉えてみよう。これは、経営や仕事にとって致命的だ。
①    良くない状態を放置している(赤字、債務超過、不良在庫や債権など)
②    納期や支払期限を守らない
③    場当たり的で、計画性がない(経営計画をつくっていない)
④    人材育成を怠っている(後継者や幹部の不在)
⑤    トップをはじめ、自己革新ができていない(読書や勉強不足)
⑥    現状に妥協し、正しさや可能性を追求しようとしない(理念や目的の欠如)
⑦    安易に価格競争に走り、イノベーションをしない(品質の低下など)
⑧    考え抜くことをしていないため、つねにトレードオフが生じている(システム思考)
⑨    5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)ができておらず、生産性が低い
⑩    社内ルールを守らない人間が放置されている
⑪    内外共に関係性が築けず、生産的でない(関係性思考)
⑫    真摯さに欠けている(正直さや誠実さの一貫性)
⑬    決断をしない、できない(問題の先送り)
⑭    ・・・・・
⑮    ・・・・・

思いつくままに書き並べてみたが、もっとありそうだ。つけ加えてみよう。自分の“ルーズさ”を検証してみると、経営や仕事の悪化は、“ルーズ”の一言に尽きるのではないか。良くも悪くも、やはり、自分自身の問題なのである。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27. 1.26)グローバル化

”考える言葉”シリーズ(H27. 1.26)グローバル化
 
2015年1月26日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐04)
グローバル化 
 
 新春恒例の第121回“全国経営者大会”(1月20~22日:帝国ホテル)へ参加。大会のテーマは『未来への選択!2015年の世界と日本~正念場を迎えるアベノミクス、国家と企業の成長戦略』であった。
常連の大前研一氏や桜井よしこさんらをはじめ、「iPS細胞」の山中伸弥教授など多くの著名人が講師を務め、「未来に対して、どんな選択があるのか?」を それぞれの切り口で語ってくれた。余談であるが、小生も分科会で『未来会計』をテーマに単元を持たせて頂いた。このテーマは、IGグループの新春セミナー (2月3日・長崎)でも講演する予定である。
さて、本論に入ろう。今大会の基調的なテーマは、一言でいうと、“グローバル化”への対応であろう。“グローバル化”とは、国の境界がなくなり、世界が一つの場になるということである。それに伴う環境の変化とスピードに対して、どう適応するのか?
大きな課題は、異なる文化や価値観を統合できるのか・・・。イスラム国のような過激な価値観あるいは国家間の歴史的なトラウマなどの問題を克服し、真のコ ミュニケーションができるのだろうか。経済においては、お互いの地域特性を生かした互恵的な関係は生まれやすい。一方、政治となればそうはいかない。人 種、宗教、文化、資源、それに伴う国家的な縄張り意識など、対立的な要素が多い・・・。
“グローバル化”の本質は、二つあると考える。
一つは、多様性。“グローバル化”が進むことによって、様々な考え方、価値観を持った人々で場が構成され、それぞれの個の特殊性が際立つことである。
もう一つは、普遍性。一方、“グローバル化”が進むと、グローバル・スタンダードという考え方が生じる。つまり、共通の文化やルールの形成である。
一見、対立するようにみえる概念が同時に進行する。これが、“グローバル化”の本質だといえよう。
このような時代環境化で、経営の舵取りをする私たち経営者にとって、「なすべき課題とは何か?」を考えよう。二つの対応がある。
先ずは、その影響力を考える。“グローバル化”(多様性&普遍性)が、組織に及ぼす影響とは何か?そして、その影響を活かすために何をすべきなのか?
次に、主体的な働きかけである。つまり、“グローバル化”した社会をより住みやすい環境にするために、貢献できることは何か?
いずれにしても、自己革新が大きな課題となる。“グローバル化”が進めば、進むほど、分離ではなく、統合の価値観が強く求められる時代になると考える。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27. 1.19)理念経営

”考える言葉”シリーズ(H27. 1.19)理念経営
 
2015年1月19日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐03)
理念経営

先週末(16~17日)、IG後継者育成塾(第4期③)を終えたところである。2015年に暦も改まり、気分一新してのスタートだ。
「なぜ経営計画を立てるのか?」(講師・高山範雄氏)というテーマの講演後、準備された「経営計画に関する5つの質問」に基づいて、“理念”、あるべき姿、戦略、事業ドメイン、経営者の役割など、二日間に亘り、グループ討議をやってもらった。
成熟化した市場の中で、多くの経営者が厳しい経営の舵取りを迫られている。そんな中、“理念経営”の重要性が盛んにいわれているが、その一方で「理想で、飯は食えない・・・」という声も耳にする。
経営者にとって優先すべきなのは、「理念」なのか?「利益」なのか? よく耳にする議論なのだが、結論からいうと「目的」と「手段」の違いという視点から考えてみると、自ずと解が見えてくるのではなかろうか。
さて今、多くの企業が抱えている課題として、市場のコモディティ化がある。つまり、商品などの機能や品質の均質化が蔓延し、他社との差別化ができないのである。これが価格競争を招き、デフレの要因となっており、企業にとっては利益を出せない体質となっているのだ。
このように考えると、個性の喪失こそが、企業体質を弱体化させている真の原因である。そして、そのことが、“理念経営”が注目される背景でもある。
“理念”とは、組織が存在する理由を示すもので、自らの組織の社会的機能や役割を語るときの拠りどころとなるものでなければならない。「何のために事業をしているのか、どんな組織を目指したいのか、どんな価値を創造したいのか・・・」を描けるようなものでないといけない。
人間は個人の限界を超えるために組織をつくる。組織の本質は協働である。その協働のベースに“経営理念”が確立されている必要がある。なぜならば、組織の成立条件である①目的の共有(ベクトルの一致)、②貢献意欲(動機づけ)、③コミュニケーション(場の価値観の共有)の拠りどころとなるからである。
企業の独自性は、自らが渇望し、信じた“理念”から生まれる。その独自性が企業の付加価値(=利益)の源泉であるとしたら、“理念”なき経営に真の利益は在り得ない事となる。
今や、能力とやる気だけで利益を稼げる時代ではない。“理念”が企業の独自性を引き出し、その独自性の結果として、利益が生み出される時代なのだ。
“理念経営”こそが、利益の源泉であり、利益の活かし方を教えてくれるである。
 
Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H27. 1.12)実行

”考える言葉”シリーズ(H27. 1.12)実行
 
2015年1月12日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐02)
実行
 
 “やすらぎ伊王島”(リゾート施設)に泊り込んで、IG会計グループの「平成27年度・行動計画発表会&新年会」を行なった。
発表会のスケジュールは、例年通り、グループ全体の売上目標(ベース、増収、スポット)の確認を行い、次に各種委員会の活動方針と担うべき成果の発表。そして、各部門と各個人の目標へと移る。各人の発表の内容は、次のとおりである。
①    今年選んだ言葉(キーワード)
②    目指すべきゴール(定量目標)
③    四半期ごとになすべきこと(達成すべき目標と手段)
④    一年後のあるべき姿(定性目標、変化した自己のイメージ)
人数が多くなると、一人ひとりの発表時間を短縮せざるを得ないが、それぞれの目標設定(=選択)の背景にある考え方や意気込み、“実行”のプロセス、達成後の成長イメージなどを楽しみにして聴くようにしている。
各人の発表に対する傾聴のポイントは、「“実行”の体系」の有無。つまり、最後までやり続ける覚悟と、それを支える“実行”の土台が確立できるようなシナリオになっているかどうか・・・。
先ず、「一年後のあるべき姿」は、組織ヴィジョンとベクトルが一致する方向で描かれているか?(協働関係のベース)
次に、下記の三つの具体的な目標は、「一年後のあるべき姿」を保証する内容になっているか?(あるべき姿と現状との差を自覚しているか?)また、それぞれの目標間にトレードオフはないか?
①    能力アップ、② 業務改善、③ ものの考え方・習慣
そして、これらの目標の一つひとつについて、どのような方法・手段で、いつまでに“実行”しようとしているのか?そのプロセスで想定できる弊害は何か?その対処方法についてはどうだろう?
“実行”を前提に考えると、全体と部分の関係性、“実行”プロセスの段階での変化への対応など、考えて、考えて、考え抜くための材料は尽きない。準備の段階で、それら一つひとつに衆知を集めることを怠らないことだ。
“実行”できないことへの言い訳(環境の厳しさや時間不足など)は、ぜんぶ捨て去ってしまおう!今や、“実行”の差が勝敗を決める時代である。全員が“実行”できるように、質問をし、分析をし、絶えずフォローすることによって、“実行”の土台づくりをする一年にしたいと思う。新ヴィジョンを実現するためにも・・・。

Ja-BIG(JaBIG)@2015
 
 

”考える言葉”シリーズ(H27.1.5)何々

”考える言葉”シリーズ(H27.1.5)何々
 
2015年1月5日(月)
“考える言葉”シリーズ(15‐01)
何々
 
 「よぉし、これだ!」と、妙に納得をして目覚めたはずの元旦の朝・・・。「今年は、とにかく“何々”を徹底してやり続けよう!」というフレーズなのだが、肝心な、その“何々”の内容を思い出せないでいる・・・。
IGグループのH27年度・基本方針は、『生産性の向上~賢く働こう!』である。
このテーマに関連して、夢の中で、いろいろと“創意工夫”を重ねていたようだ。その中のアイデアの一つに、大いに確信を持てた“何々”があったはずのだが、それが何であったか、特定できないでいる・・・。
いま書きながら、ふっと浮かんだ言葉が“創意工夫”・・・。ひょっとしたら、これが“何々”の正体だったのかも知れない。とりあえず、そういうことにしておこう。
そこで、年頭において、“創意工夫”という言葉について少し考えてみたい。“創意工夫”とは、今までになかった新しい発想をし(創意)、それらを実行するために様々な手段や方法を試すこと(工夫)をいう。
人間って不思議なものだ。同じ環境で、同じ仕事をしているにも関わらず、一年もすれば、生産性に差がついてしまうことが多い。その原因の一つが “創意工夫”の差だと考える。
仕事に対する日常の心がけが違う。
  1. 何のための仕事か?(目的意識)、
  2. 今のやり方でいいのか?(問題意識)、
  3. どうすれば皆の協力を得られるか?(最善意識)、
  4. どうすれば生産的であり得るか?(生産性向上)
とにかく“創意工夫”を惜しまないのである。
  “創意工夫”の狙いどころは、次の5点だ。
  1.     品質の向上(顧客満足の追求)
  2.     疲労の軽減(作業の効率)
  3.     時間の短縮(提供のスピード、残業の撤廃)
  4.     経費の削減(予算管理)
  5.     協働のシステム化(価値観の確立)
 さて、年頭において、いま抱えている仕事 の棚卸しをしてみよう。
    抱えている日常業務でやり方を変えようとしている仕事は、どれぐらいあるだろうか?
    新たな仕事の確保は、どれぐらいできているだろうか?
    今年、手離れさせようとしている仕事は、どれぐらいあるだろうか?
これら一つひとつの事に関して、どんな“創意工夫”がなされたのだろうか・・・。
もちろん、各人一人ひとりの“何々”があっても良いと思う。「今年は、“何々”を徹底してやり続けよう!」・・・。
それぞれの“何々”を考えて、ぜひ生産性の向上に努めてもらいたい。

Ja-BIG(JaBIG)@2015
 

”考える言葉”シリーズ(H26.12.22)創造的解決

”考える言葉”シリーズ(H26.12.22)創造的解決
 
”考える言葉”シリーズ(14‐48)

創造的解決
 
私たちが日常的に抱え込んでしまっている問題の多くは、慣れきった思考や行動の様式にひそむ病理であると考えてみよう・・・・・。
どんな職場にも、もぐら叩きのような仕事をしている人たちがいる。目の前に生じる問題の対処に追われ、机上には仕掛かり中の仕事が山積み状態で、本人のストレスも相当なものだろうと推測できる。
なぜ、このような事態が生じるのか?原因を一言でいうと、習慣病。人は誰にでも慣れ親しんだ快適ゾーンがある。そこへどっぷりと浸かったままでいると、いつも事後的に問題と向き合わざるを得ない体質になってしまうのである。
つまり、その自身の体質こそが問題の真因と考える。だとすれば、「問題の背景にある自らの体質から抜け出さないかぎりは、根本解決にはならない」ということになる。
どうすれば、脱却できるのか?「問題ではなく、機会に目を向けよ!」(ドラッカー)という言葉がある。もちろん、問題は無視できない。対処は必要だが、すぐに飛びつく前に問題を整理してみよう。
そこで、提案したいのが“創造的解決”法である。対症療法ではなく、根本療法的な考え方といってもよいだろう。結果の処理としての問題解決ではなく、未来を切り拓くために現状の何を変革していく必要があるのか・・・。問題の本質はどこにあるのかを問うところから始める。
“創造的解決”と単なる問題解決とは違う。“創造的解決”には、改善を積み重ねるだけではなく、改革が必要だ。一人ひとりの自己革新はもちろん、組織的な抜本革新も求められるだろう。まさに、創造的な破壊なのである。
さらに、“創造的解決”に必要なのは、ヴィジョンである。どんな状況が起きようとも、実現したいと切望するヴィジョンである。自らが想い描くヴィジョンと現状との差、その差こそが解決すべき問題なのである。
最近、よく引用させてもらう好きな言葉がある・・・。「夢や志を持つと、自分が思っている以上に、人間は強くなれる」。まさに、ヴィジョンの力だといえよう。
現状をヴィジョンに引き寄せようとする力が働き、いつも心地よい緊張感を心のなかに保つことができるのである。自らが掲げたヴィジョンに近づくために、自分自身を変えようとする、まさに自分との戦いである。
単なる問題解決と“創造的解決”との違いを十分に理解したうえで、問題に取り組むと、成果が全然違ってくる。

(H26.12.22)
 

”考える言葉”シリーズ(H26.12.15)実践事例

”考える言葉”シリーズ(H26.12.15)実践事例
 
”考える言葉”シリーズ(14‐47)
 
実践事例

Ja‐BIGを立ち上げてから、緊急になすべき課題が一つ見えてきた。それは、“実践事例”の積み上げと共有化である。
新しいことにチャレンジし、それを成し遂げようとするときには数え切れないほどの失敗を重ねる必要がある。折れそうになる気持ちに鞭を打ちながら踏みとどまり、前へ進むのは難儀なことだ・・・。どれだけのハードルを越えれば、到達点にたどり着くのか、イメージが湧かず、気が遠くなるほど難しく感じるときもある。
そんな中で、全体の構図やパターンをとらえ、いくつもの“実践事例”を積み重ねながら、現状打開の起爆剤となる人たちが、少数ではあるが、やがて出てくる。いわゆる、先駆者と呼ばれる人たちだ。
しかし、風穴があき、新市場が生まれたとしても、それだけでは不十分である。成長市場へと発展していくためには、市場の原理が働く必要があるし、そのためには一定以上の普及を図る努力が、さらに必要となる。
新市場の価値に気づき、「やってみよう!」という心意気のある人たちを、事業機会溢れるチャレンジゾーンに誘い、手を組むことだ。つまり、“実践事例”を惜しげもなくすべてオープンにして、協働の場をつくりあげるのが肝要だ。そうすると、もっと多くの“実践事例”がスピーディーに積み上がってきて、気づきの輪が広がる。
私たちは、「実物を自分の目で確かめた!」「他の人にできたのなら、自分にもできるだろう・・・」と思えば、自らの想像の翼を広げ、「やってみよう!」という気持ちになるものだ。“実践事例”には、そんな効用があるのだと思う。
ただ、問題が一つある。“実践事例”を手にしたからといって、すべての人が成功するとは限らないのである。なぜだろうか?
“実践事例”をうまく活用するためには、それが「仮説~実践~検証」という経営サイクルの循環過程から生まれたものであるという認識が大事だ。つまり、結果だけをハウツー的に捉えるのではなく、全体の流れとして観るべきである。
仮説とは、目的と手段という全体構図のパターンである。実践とは、様々な関係性のあり様によって変化するプロセスであることも観察しておく必要があるだろう。そして、検証は次の仮説にどう反映されたのか・・・。そう、全体の流れとして捉える。
そのためにも、多くの“実践事例”を積み上げ、できれば一つひとつの事例をグループ討議しながら、お互いの理解を深め、共有化できていけば、貢献の輪が広がっていくに相違ない。
「やってみよう!」という心意気のある人たちで、まずは協働の場をつくることだ。

 
(H26.12.15)
 
 

”考える言葉”シリーズ(H26.12. 8)近視眼

”考える言葉”シリーズ(H26.12. 8)近視眼
 
”考える言葉”シリーズ(H14‐46)

近視眼
 
 安部政権は、衆議院を解散し、総選挙へ打って出た。  「再増税ができないほど日本経済の足腰が弱いということは、アベノミクスの失敗を意味しているのではないか。財政再建という中長期的な目標を放棄し、“近視眼”的な人気取り政策を取ろうとしている」という手厳しい意見もある。  それにも拘らず、自民党の圧勝?お国の大事に、結束できない野党にも“近視眼”的な思惑を感じてしまう・・・。  “近視眼”とは、目先のことばかりにとらわれて、将来を見通す力がないことをいう。つまり、「先見の明」がないのである。未来を切り拓くために、体系的な変革が求められている今日にとって、“近視眼”的な考え方は致命傷になりかねない怖さがある。  「人の振り見て我が振り直せ」という故事がある。“近視眼”は、私たち企業人にとっても然りである。  マーケティング“近視眼(=Myopia)”という言葉がある。事業ドメインを設定する際に、本来望ましいとされるドメインよりも狭いドメインを選択したことにより、大きな環境の変化に対応できないといった問題が生じることだ。(鉄道会社の事例)  目先の事象ばかりにとらわれて、自社が本来すべきマーケティング活動や社会的な使命を狭く解釈してしまっていないだろうか・・・。つねに、省みる必要がある。  先週、Ja‐BIG主催の『人材の養成講座』(1泊2日)を「顧客の創造」というテーマで終えたばかりである。「顧客の創造」は経営の本質にかかわる問題であるから、“近視眼”的に議論されるべきものではない。ドメインの再構築という視点から、しっかりと考える必要がある。  「誰に(市場)」「何を(商品・サービス)」「どのようにして(流通チャネル)」という顧客創造の基本構造は、それぞれの要素の相互依存の関係において成り立っていることを理解した上で、全体像を視野に入れて、中長期的に「売れる仕組み」を構想していくという発想が必要である。  そのためには、次の考え方が大切になる。 ① システム思考(つねに、全体と部分の関係性で考える) ② 目的思考(「目的は一つ、無限にある手段で争わず」。目的を共有し、協働意識で考える) ③ 未来思考(現状の問題からスタートするのではなく、あるべき姿からの逆算で考える) “近視眼”からは、新しい発想や選択は生まれないと考える。
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